2024年度 アンティーク・スペシャリスト講習会

今日は2024年度のアンティーク・スペシャリスト講習会でした。アンティーク検定1級を取得された方はどなたでも参加資格があり、現在ではこの年に1度のスペシャリスト講習会に参加された方のみが本協会のスペシャリストと認定されています。

今年はまず楽しい会食&懇親会から。西池袋の立教通りにある茶寮リビエラの庭の個室JASMINEにて、和食のコース料理をいただきました。通常当協会での会食は「西洋アンティーク」の集まりだけあってほとんどが洋食料理で行ってきたのですが、今回は珍しく和食御膳。「フグの唐揚げ」とか「のどぐろ出汁の岩海苔汁」とか、希少で美味なお料理に舌鼓。デザートは自分で包むいちご大福にほうじ茶アイス、求肥のもちもちしたフレッシュ感がたまりません!

乾杯のスパークリング・ワインはDuc de Paris(パリ公爵)、これも美味しかったですね。(講習会の前に飲んじゃいました!)

会食の後は、歩いて東京芸術劇場・ミーティングルームへ。今回の講習会は協会の成果物制作に関するスペシャリストの方々との意見交換会としたところ、みなさまから実に多くのご意見が活発に出ました。目的、ターゲット、財源…プロジェクトの企画会議のようなものですから、お花畑の理想だけでは実現しないわけで、ニーズの分析、損益分岐点などの鋭いツッコミもいただきつつ、少しずつ方向性がまとまってきたというところでしょうか。

スペシャリストの方々は、みなさんそれぞれの分野で深い知識や経験をお持ちの才能集団です。この方々の力をお借りすることで、より広域にこの分野の魅力が広まっていくことを設立10周年、あらためて感じた日でした。

2024年度・アンティーク・スペシャリストのみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。


AEAOサロン倶楽部4月の会・「雑司が谷 旧宣教師館(旧マッケーレブ邸)と護国寺蚤の市」

AEAOサロン倶楽部・4月の会は護国寺近辺の散策で、まずは毎月第2土曜日に開催されている「護国寺骨董市」に行きました。2003年より開催されている骨董市ですので、もう20年以上になりますね。この骨董市、朝7時からスタートしており、私たちの集合時間10時45分ですともう業者さんやプロの目利きたちが一周した後、という様子ではあるのですが、お天気のよさと散り桜による花吹雪の風情もあり実に多くの人たちでにぎわっていました。

ここでもインバウンド需要があると見え、神社系の骨董市では品物名も値段も書いていないことが珍しくない中、英語表記で外国人客ウェルカムなスタンドも見受けられます。多くの外国語が飛び交っていました。

護国寺の本堂は重要文化財ですし、ジョサイア=コンドルのお墓など、多くの有名人もこの護国寺に眠っています。

30分ほど骨董市をブラついた後は、護国寺から近くの、奥まった民家の中にポツンとある隠れ家ビストロへ。ここでしっかりフルコースをいただきつつ、お喋りに花を咲かせました。

日本のフランス料理のフルコースは現地に比べるとポーションの違いが明らかで、最後まで美味しく(苦しくなく!)いただけますね。

美味しいお料理でお腹を満たした後は、いよいよ雑司ヶ谷旧宣教師館(旧マッケーレブ邸)へ向かいます。Google Mapを頼りにくねくねした道を緩やかに登っていくこと15分、見えてきました、住宅街にひっそりと可愛く存在する洋館が!

今日は学芸員による月1回のギャラリー・トークがあり、これに参加する形で見学をします。最初にお庭から外観の建築を説明いただき、その後内部を案内していただきました。「カーペンターズ・ゴシック様式という、19世紀後半のリヴァイヴァル様式の中でも特に北米で興ったデザイン様式でこの館は建てられています、とはいえ大工さんは日本人なので、内装部分のいくつかに和風っぽい意匠もあったりするのです」と。

豊島区に現存する最古の近代木造洋風建築で、ここは明治40年にアメリカ人宣教師ジョン・ムーディ・マッケーレブが自らの居宅として建てた館。布教、教育活動の拠点としても使用しており、太平洋戦争の勃発でアメリカへ帰国するまで34年間、この館に住んで暮らしていた住宅です。宣教師の館ということで、他の明治建築の洋館に見られる豪華さや華美さはなく、実に質素な造りながら、リビングルームの暖炉の装飾やベイウィンドーなど、洋館ならではの魅力が詰まっています。

この館の魅力は何と言っても全面ガラス窓という開放性ですが、その分やはり冬の寒さは相当だったようで、マッケーレブ宣教師の奥様はほとんどお住まいにならなかったとか。後から年表を見ると、どうやら何度も結婚されており、最後の結婚は80代!

マッケーレブ氏がこの館を手放し帰国した後、日本人の所有者が入れ替わり所持していましたが、昭和62年に豊島区の登録有形文化財となり、その後指定文化財を経て現在では東京都指定有形文化財となっています。もうこれで、ここを建て壊してマンションが建つ、ということもないわけですから、近隣の住民の方たちにとっても良い方向で残ったわけですね。


2024年公式海外研修:フランスの工芸を巡って~リモージュ&オービュッソンとパリ~Day 8

予定では朝の7時前に羽田空港へ到着予定でしたが3時間ほど遅延、早朝だとそこまで混み合わない空港も、インバウンドが押し寄せてごった返していました。ユーラシア旅行社の方がお迎えに来て下さり、こちらで解散となりました。

今回の海外研修時、ついにユーロは165円の高値を付けました。現地での物価高騰も勢いを増し日本以上に何もかもが高い中、決して安くはない研修費用だったと思いますが、9人もの方がご参加いただき、楽しく充実した1週間を過ごすことができました。

また旅行会社さんへは早くから直行便を押さえていただき、座席の指定も本来は出来ないところを希望を組み取って対応していただけました。

旅行は天気と食べ物が良ければ印象がよい、と言われますが、最後のパリの1日を除いては毎日お天気に恵まれ3月とは思えない暖かい日が続き、また現地のスタッフと共に厳選したレストランもすべて当たりで、一度もツーリストメニューのようなお仕着せがなかったことも満足していただけたようでした。

ご参加のみなさま、ユーラシア旅行社のみなさま、どうも有難うございました。

次回の海外研修、現段階では日程も目的地も未定ですが、是非またこのような充実した楽しいアンティークの研修旅行を企画して参りたいと思います。どうぞお楽しみに!


2024年公式海外研修:フランスの工芸を巡って~リモージュ&オービュッソンとパリ~Day 7

名残惜しいですが、ドイツからのご参加者さんを残して日本帰国組、集合時間は朝5時45分、朝食なしでバスで空港へ向かいます。この時間ですのでさすがに空いていましたが、パリ市内からロワシー空港までの高速は1本しかなく、稀にここが事故で通行止めなどになっていると大変なのです。今回は問題なく6時半に、つまり出発の3時間前に空港へ到着できました。

搭乗手続きは今やセルフ行うのが常識となってしまったロワシー空港。搭乗者自らが機械でチェックイン、バゲージタグも自分で貼るシステムですが、アシスタントさんが同行して手伝ってくださったおかげでこちらも難なくテキパキと。

出国、荷物検査と進み、定時出発と書かれた出発ゲートでいよいよ搭乗が開始され…なかったんですね。搭乗開始の案内があり、もう人が並んでいたタイミングで「機材に不具合があり、しばらくかかります、搭乗ゲートは追ってお知らせします」となり、じっと待機。いったんは新しいゲートが知らされたものの二転三転し、そのうち「不具合が整備できないため、機体がをチェンジします、したがってサテライトも変更になります」とのアナウンスに、一旦サテライトを出て、新たなサテライトへモノレールで移動、ここでまた再度荷物検査を受けねばならず、さきほど機内用に購入したお水などの液体も没収。ここでお酒や香水を買っていた人は涙ものですよね。幸い私たちのグループにはいなかったようですが。

二度も厳格な荷物検査を受けてヘトヘトになった後、2時間遅れでようやく機内へ入れたかと思いきや「エール・フランスの乗務規定により、乗務員の勤務時間が超過の限度を超えてしまうため、ここで一旦全員乗務員が降機し、あらたな乗務員が搭乗します、それまで45分ほどお待ちを~」とのアナウンス。お客を放ったらかしにしてでもクルーの残業規定を優先させるのも、安全運航のためですから仕方ないですね。乗客は機内の中では沈黙する仔羊なのです。

というわけでようやく離陸したのが3時間遅れくらいでしょうか。最初の食事がサーブされた時間が15時半だったのは時計を見ていたので覚えていますが、朝6時半に着いてこの時間でしたから、さすがにぐったり。でも1週間の飽食でしたから、ほどよいダイエットになったかもしれません。


2024年公式海外研修:フランスの工芸を巡って~リモージュ&オービュッソンとパリ~Day 6

今日はパリ最後の日、明日は早朝出発ですので、やり残し、食べ残し、買い残しがないよう泣いても笑ってもあと1日!

あいにくこの日だけお天気が曇り&雨と残念ですが、それでも蚤の市は開催されていますので、朝から元気よく出発!メトロ&バス共通1日券でバスに乗ってリヨン駅からバスティーユ駅へ。バスを降りてほどなくすると今日のブロカント市がもう見えてきました。ヴォージュ広場から近辺までにびっしりとスタンドが立ち並んでいます。

お昼前の待ち合わせ時間と場所を確認した後それぞれ自由行動とし、各自自由にスタンドを回ってお買い物を楽しみます。こういう雨の日は客足も晴れの日より少なく、また出店者側もモノを持ち帰りたくないという法則が働くのか、初日午前でも値切りに成功している様子、みなさん頑張ってお目当てのアンティーク品をゲットです。

そしてこの界隈を歩いている途中で、なんとバッタリと会ったのが小栁由紀子先生!当協会のオンライン海外研修ではAnne先生とのデュアル講師を務めた、家具装飾の専門家の先生です。2014年の第1回海外研修にもご参加いただき、その後の海外研修でよく通訳としてお世話になりました。やはり何か縁があるのですよね。

さて、今回のツアーの最後の午餐はこちらも1864年創業、老舗のブラスリー『Bofinger』、この内装も一見の価値あり、です。12時のオープンには昨夜のル・トラン・ブルー同様回転ドアに予約者が大勢殺到、やはり変わらず人気のレストランなのですね。人が入らないうちに、と写真を撮りましたがほどなくして席も埋まりほぼ満席状態。

旅も終盤になると和食が~、胃に優しいものが~、となりがちですが、今回の参加者さんたちは胃腸の丈夫な好奇心に満ち溢れた方々だらけで、前菜にエスカルゴ、メインにシュークルート、デザートにイル・フロッタントとこれまたブラスリー王道のメニューをチョイスした人も。みなさん、胃が元気過ぎませんか!?

アルザスの遅摘みのブドウでつくられた極甘口ワインをアペリティフ代わりにいただき、フルコースをしっかり食べ、2時間超えのランチが終了しました。

ここからは明日の朝までフリータイムです。もうみなさん、訪れるところをチェック済のようで、予定がびっしり。近くのヴィクトル・ユーゴー記念館やサマリテーヌ、有名な高級ショコラティエなど色々と回ったようです。