日別アーカイブ: 2014年11月14日

アンティークの動向とアートマーケットのニュース

 アンティーク検定の2級は今月末に行われますが、その中に現代時事アンティークという科目があります。これはなあに?と思われる方が多いのですが、アート(装飾美術工芸品を含む)が市場でどのように取引をされているのか、何が人気があって何が今は底値なのか、そういった事情を知っておくのも、コレクターにとって大切なこと。自分が好きでコレクションしている分野のものが、それほど高くない時代と、高い時代、というのは明らかにあります。
 

 例えば銀器。アンティークを扱うお店では常に存在するアイテムですが、スターリングシルバーと呼ばれる純銀製のお値段は、30年前よりも現在の方が30%ほど相場が下がっています。
 

argent

 
 これは恐らくこれまで持っていた人が、もう手入れも大変だし、家族でほしがる人もいないし、多くの人を呼ばなくなったし、といって市場に売り(供給)、一方で購入する方は、こんな12人分のセットは要らない、純銀は重くて大変だし、シルバープレートでも十分(さらには、ステンレス製の方が食洗機にも入れられて便利)、牡蠣は家では食べないから牡蠣のフォークなんて要らない、凝った料理はあまりしないから、肉を切り分けるこんなナイフは要らない、と、ほしがる人は減り(需要)、需要と供給で値段の決まるこの世界のこと、美しくて素晴らしいもので価値があるものでも、値段は変動していきます。
 

 日本でもバブル時代に高値のついた印象派、ガレやドームのガラス器、今はどうなっているのでしょう。
 


 

 と思っていたら、11月5日のNYクリスティーズにてエドゥアール・マネの晩年の作品「春」がオークションに出品され、予想落札価格3500万ドルを遥かに上回る6510万ドルで落札されました。マネの最高価格の更新で、まだまだ印象派は世界的に人気がありますね。