国内のアンティーク・フェアは、モノを見る目を養う、よい機会

 5月も最後の週となりました。
 

 さて、普段アンティークのモノにあまり触れる機会がない、という方にとっては、チャンスの週です。というのも、なかなかアンティーク・ショップや骨董店には入りにくい、あれこれ聞くのは恥ずかしい、手ぶらで帰ってもいいのだろうか・・・と、お客さまは神様の国であっても、二の足を踏む人は意外と多いもの。その点、こういうアンティーク・フェアは何百というお店が平場に同時に並ぶわけですから、いろいろなお店を見比べたり、催事期間中の特別な掘り出し物に出会えたりもします。
 

 5/26(火)27(水)の2日間、さいたまスーパーアリーナにて「骨董アンティークフェア」が、5/29(金)〜31(日)の3日間は、新宿・第一生命ビルにて「アンティークフェアin新宿」が開催されます。どちらのフェアも年2回のみ、しかもインドアですから、このところ初夏を思わせる東京の日差しも避けられます。
 

  ・さいたまスーパーアリーナ「骨董アンティークフェア」
 
saitama2015
 

  ・「アンティークフェアin新宿」
 

shinjuku2015
 

 どちらも「初日が勝負」とも、「最終日の終了時刻間際が値切りのチャンス」とも言われていますが、アンティーク品は1点限りのものばかり。出会いと、インスピレーションを大切に、気に入ったものがあれば、お財布と相談の上、手に入れる絶好のチャンスかもしれませんね。
 
 


美術商のおはなし 〜ハウス・オブ・ヤマナカ〜

 古美術やアンティーク好きの人にとって、大変に面白い本をご紹介しましょう。
 

 『東洋の至宝を世界に売った美術商 ーハウス・オブ・ヤマナカー』
  朽木ゆり子著
 
 

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 19世紀末、ヨーロッパでもアメリカでもジャポニスムが流行り、数多くの日本の美術工芸品が輸出された時代に、山中商会という日本の美術商が活躍し、世界中に顧客をもつまでになりました。ところが今やその名を知るものはほとんどいなくなってしまった、それは何故?という近代美術史最大の謎を解く一冊です。
 
 松方コレクションとのかかわり、ロックフェラー家との手紙でのやりとりなど、美術品市場を学ぶにあたっても、面白いエピソードが満載です。
 
 タイトルを見ると、なんだか日本の逸品を海外に売ったワルモノのようにも見受けられますが、そもそも日本の美術品・工芸品を高く評価したのは欧米人であり、日本美術を海外へ紹介した、という点で、山中商会をはじめ、美術商の果たした意義というのは大きいのです。
 
 美術品、工芸品が、何億、何十億という値段になり、資産となっていく背景には、美術ディーラーとオークション、この2つが近代以降、大きな役割を果たしています。作家や工芸家が自らの作品を、最初から高額で売った訳ではありません。
 
 生産者と最終消費者の間の流通過程をなるべく省くのが、一般の製品流通におけるコスト減につながりますが、美術品・工芸品には、この流通という過程で目利きがいないと、どうにもなりません。それが美術ディーラーであり、また公開オークションという場なのです。
 
 まあ、まずは読んでみてください。