「アンティーク・ロードショー」

 本日火曜日は、人気TV番組、「開運!なんでも鑑定団」の放映日でしたが、このようなTV番組は、海外ではあるのでしょうか?
 

 本家イギリスでは、BBCの「アンティーク・ロードショー」という番組があり、1977年から続いている長寿番組です。

 
BBC「アンティーク・ロードショー」 
  
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 今年、なんと番組始まって以来の最高値、1億ポンドの評価額のものが出品され、BBCで放映されるのは2016年4月だとか。アントニー・ゴームリーの巨大な彫刻「北のエンジェル」のモデル像だそうです。
 

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 そして、偽造品天国として知られている中国でも、このアンティーク・ロードショーの中国版ともいうべき番組、「天下収蔵」というのがあります。単に評価額を専門家がつけるのではなく、贋物だと宣告されると、品物がハンマーで打ち砕かれてしまうという、なかなかワイルドな番組。ちょっと見てみたいですね。
 
 
 


第3回アンティーク検定・お役立ちblog4

 そもそもこの検定試験は、こと細かい知識を暗記して、試験に臨む、という主旨のものではなく、西洋アンティークに興味があり、ものの見方や、西洋装飾美術工芸の世界に詳しくなりたい、という人たちの目安になれば、というスタンスで行っています。
 

 2級を受ける方の中には、アンティーク検定なのに、西洋美術史を勉強しなくちゃいけないの?と、仰る方がいるのですが、西洋美術史は、西洋装飾美術工芸を理解する上で、基礎となるもの…というより、そもそも西洋装飾美術工芸と、西洋美術は、ルネサンスまでは、同じスタイルでした。それが、絵画彫刻の、いわゆる美術と、家具や工芸品などの装飾美術に分かれて様式が発展していったのが、ルネサンス以降なのです。
 

 美術史では、ルネサンス以降19世紀前半まで、このような様式で進んでいきます。
 

 バロック、ロココ、新古典主義、ロマン主義・・・
 

 一方、西洋装飾美術工芸史では、例えばフランスを例に取ると、代表的な様式で、
 

 ルイ14世様式、レジョンス様式、ルイ15世様式、ルイ16世様式、帝政様式、王制復古様式、ルイ・フィリップ様式、ナポレオン3世様式・・・
 

 と進んで行きます。
 

 でも、ルイ14世様式って何か?と言えば、まさにバロックなのです。荘厳で、ドラマティックで、光と陰の対比的な彫刻や、ふんだんな金(きん)使いは、たとえばイタリアバロックの巨匠、カラヴァッジョの絵画やベルニーニの彫刻に通じるところがあります。
 

 ロココ絵画とルイ15世様式は、切っても切れない関係、ヴァトー、ブーシェ、フラゴナールといった画家たちの絵は、雅宴画という新ジャンルを生み出しますが、ルイ15世様式というのは、小さいスケールで、華やかで軽快、柔らかいモチーフで貴族趣味のスタイルです。
 

フラゴナール「ぶらんこ」

フラゴナール「ぶらんこ」


 
 
ルイ15世様式

ルイ15世様式


 
 

 バロックとは、「歪んだ真珠」という意味、ロココとはロカイユ(貝殻装飾)から派生した言葉、これも語源を知っていれば、なんとなく想像できるスタイルですね。
 

 新古典主義の絵画と、ルイ16世様式の家具を見てください。
 

ダヴィッド「ホラチウス兄弟の誓い」

ダヴィッド「ホラチウス兄弟の誓い」


 
 
ルイ16世様式

ルイ16世様式


 
 
 

 どちらも、ロココやルイ15世様式とは違って、とても直線的で、理性的なものを感じませんか?
 

 同時代の美術と装飾美術工芸、こうして密接にリンクし合っているのですから、西洋美術史もこの際、一緒に知っておくと、西洋装飾美術工芸の理解の手助けに、大いになるのです。
 

 受験者のみなさま、このblogで登場している用語、是非覚えておいてくださいね。
 
 


ホテル・オークラの家具調度品のオークションが本日スタート!

 前回のblogでも紹介しましたが、本日から、ホテル・オークラ東京の家具調度品のオークション並びに、一般販売がスタートしています。
 
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 オークションは、おなじみヤフオクの管理運営のサイトに飛ぶようになっていて、今日から入札が可能です。
 

 旧本館最高の貴賓室「ロイヤルスイート」にあったランプや、ダイニングテーブルセットなども出品されていて、1円スタートのオークション、もう既に入札が100人以上になっているものも!
  

オークションサイト
 

 オークション形式ではなく、一般販売として買えるものもあり、こちらは館内プレートからクッションまで、プレミアムイヤリングに至っては、100万円で販売されています。
 

販売サイト
 

 オークションは、相場より安く買えることも、また高く買ってしまうことも、あります。
 需要と供給のみで決まるプライスですから、決して、材料費だとか仕入れ値といった、一般のメカニズムで価格が決定されるわけではありません。
 

 元々アンティーク品は、
 

 年代 + 状態 + 品質 + 希少性 + 来歴 + 話題性 = 価値(値段)
 

 といった式があり、今回のホテル・オークラの場合、年代としてはそれほど古いわけではありませんが、来歴、話題性という要素はやはり大きいでしょう。もちろん品質も、一流ホテルの調度品ですから、廉価品ではないはず。状態は、実際に見る事ができれば一番よいのですが、写真と記載である程度判断するしかないですね。
 

 旧帝国ホテルの内装や家具調度品は、フランク・ロイド・ライトの名前と共に、既にアンティークとして価値のあるものになっています。今回のオークラの出品物も、あと50年もすれば、立派に価値あるアンティークとしての市場価値を得ている可能性は十分に高いでしょう。
 

 断捨離だなんて言っている場合ではない!?