2016パリ・アンティーク海外研修=5日目=

 長いようであっという間のパリ研修も、最終日になってしまいました。
雨が降りそうで降らずに、なんとかお天気には恵まれている1週間。
 

 今日土曜日は、日本では通称「クリニャンクールの蚤の市」と呼ばれている、サントゥアン蚤の市へ向かいます。この蚤の市は土日月のみの開催です。
 

 ところでなぜ「クリニャンクール」と呼ばれているかというと、メトロの最寄駅がクリニャンクールという名前(Porte de Clignancourt)なのですが、この界隈はといえば、ちょっと危ない地域、駅を降りると怪しげな物売りたちがわんさかいて、フランス人でも「あまり近づくな」と言います。そこで、パリ市内から蚤の市までは、ミニバスを手配、とても快適にマーケットの中まで入ります。
 

 まずはアンヌより、サントゥアン蚤の市の誕生の歴史や構造などをざっと説明、その後、ヴェルネゾン、ドフィーヌ、アンティカ、ビロン、ポール・ベール&セルペット、ロントルポを一緒に回ります。サントゥワン蚤の市は、こうしたいくつものマーケットから成り立っています。
 

 ポール・ベールの中には、以前当協会のAEAOサロン倶楽部でゲストとして来ていただいたステファニーのお店、RIKYUもスタンドを出しており、フランスにおける和骨董を紹介しています。
 

 さて、お腹が空いたところでランチは、蚤の市の雰囲気ムンムンのLa Chopeにて。ここはジャズのライブが売りで、雰囲気抜群なのですが、わたしたちのために用意された席はあまりにミュージシャンに近く、おしゃべりも聞こえないため、残念ながら奥のホールへと移動。いわゆるビストロ料理とも言える、B級グルメっぽい料理とカラフのワインで、みんなで盛り上がり。
 

 午後は自由時間です。1時間半くらいしかありませんので、みなさん午前中に一緒に回ったマーケットの中から、めぼしいマーケットへと直行、日本では売られていなかったエルメスの限定トートのヴィンテージものを見つけたり、ガラス製品やランプなど、いろいろ漁っています。
 

 パリへの戻りは、また快適なミニバスでパリへ。次に向かうのは、フラゴナール香水博物館です。
 

 香水や香水瓶の歴史は、以前にもAEAOサロン倶楽部で話したこともあって、そのとき受講していた研修生からは「ああ、やっとつながった、わかった!」と。やはり事前に少しでも知識を入れておくと、理解しやすいですね。
 

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 今回は特別に日本語による解説をお願いしていたので、日本人ガイドさんがテキパキと説明してくださいます。最後には試飲ならぬ、試嗅?でも人間の嗅覚には限界があるので、一度にたくさんの香水は嗅げません。仕事にする方でも、1日1〜2時間しかもたないそうです。
 

 カクテルパーティまでの自由時間は、有志の方たちで近隣のパサージュ巡り、サミュエル・ビング氏がアール・ヌーヴォーというブティックを開いた跡地を見に行ったり、初日に行ったお菓子屋さんでアイスクリームを食べたりして、これもあっという間。
 
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 いよいよ研修最後のパーティです。
 前回の研修に参加して、そのままパリに残って勉強を続けているSさん、フランス国家資格を持ち、絵画の修復工房を運営しているMさん、家具の専門学校を卒業し、家具の修復を手がけるAさんなどが駆けつけてくださり、日本からの研修生との、またとないよい交流の場になりました。
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 ワインやシャンパンの調達、それぞれのワインに合うおつまみのフォアグラやサーモンをサービスしてくれたのは、アンヌ自らと、アンヌの娘さんのリラちゃん。9歳にして、立派なマドモアゼル、社交をこうして子供のころから身につけるフランスですから、みなさんにおつまみを勧める役を丈夫にこなします。
 

 おしゃべりで夜が更けていきますが、まだ外は明るく・・・そう、夏至に近いこの季節、22時でも外は明るいのですが、そろそろ楽しかった宴もおしまいです。
 

 ちょっとしたハプニングと言えば、この日からエール・フランスがパイロットによるストライキを始め、みなさんの帰国便に少しずつ影響を与えはじめたこと・・・。グループ旅行ではないため、それぞれバラバラなスケジュールなのに加え、いつの便が欠航するかは前日までわからないという、何ともひどい状況。しかし1週間のフランスで、みなさん「なるようになる!」とどこかで腹を括っているのか、不安がっても仕方ない、今を十分に楽しみましょう、とポジティブ&エピキュリアンなっている様子・・・!?
 

 研修生のみなさま、1週間どうもお疲れ様でした。楽しかったですね!