日別アーカイブ: 2017年3月20日

パリ&ナンシー海外研修、最終日

 ずっと例外的に良すぎたお天気ですが、今日はちょっと曇り空。シャトゥのアンティーク市は、やはり晴れた青空の下を歩くのが楽しいので、ちょっと残念です。それでも雨が降らないだけ、マシですね。
 

 一行はミニバスにてシャトゥへ。この地が、19世紀後半の印象派画家たちに愛された理由、年に2回開催される、この有名な市が、フランス農産物の見本市を併設するアンティーク市であった理由、などをアンヌより解説いただき、そして中へ入ります。
 

 まず向かったのは、アンヌも教鞭をとっているドルーオーのプロコースを修了したばかりの元生徒さんが出店しているスタンドへ。60年代・70年代のコスチューム・ジュエリー、絵画、工芸品など手広く扱っているかと思ったら、3人でシェアして出店しているようでした。そこでアール・デコの家具などの解説を受けた後は、自由解散、いよいよchiner(掘り出し物を探す)の時間です。
 

 14時の集合時には、みなさん手にそれぞれゲットした「お宝」が!お昼を食べる時間も惜しんで見歩いたというツワモノたちは、サンドイッチを頬張っています。
 

 シャトゥのアンティーク市を楽しんだ後は、ブーローニュの「30年代美術館」へ。この美術館には、アール・デコからモダン・スタイルまでの美術工芸品が揃っています。たっぷり1時間半かけて、解説付きで鑑賞したら、もう夕方。

 
 
 

 そして、夜はカクテル・パーティ。
 初日の講義を行った場所へ戻り、みなさんで飲みながら、わいわいがやがや・・・。全員が5日間の日程を滞りなく終え、無事「ディプロマ」をいただきました。
 


 

 余興に、アンヌの娘さんの歌とダンスが繰り広げられ、夜は更けていきます・・・。楽しかったパリ&ナンシー海外研修、ご参加のみなさま、お疲れ様でした。
 

 
 


ナンシーに行かずして、アール・ヌーヴォーを語るなかれ!

 研修3日目と4日目、ナンシーを訪れて、アール・ヌーヴォーの「ナンシー派」に迫ります。
 

 すっかり綺麗にリニューアルされたパリ東駅(いっときは本当に寂れていましたね)から、TGVで1時間半あまり、あっという間にロレーヌの都、ナンシーへ。
 

 現地コーディネーターであり、元鑑定士のダニエルが駅で迎えてくれ、一向はレストラン・エクセルシオールへ。ここは文化遺産に指定されているレストランで、美術館のような内装です。グリュベールの手がけたステンドガラス、マジョレルの家具・・・内装だけでなく、お料理も絶品です。
 

 

 お腹いっぱいになった後は、街の中心にして、これまたユネスコ文化遺産に指定されている美しきスタニスラス広場まで歩き、この広場にある最高級ホテル、グランド・ホテル・ド・ラ・レーヌにチェックイン。3月とは思えない太陽の眩しさと空の青さに、みなさんテンション上がっています!
 
 
 そして同じくスタニスラス広場にあるナンシー美術館で、ドーム・コレクションを、専属ガイドと共に見学、ドームのすべてをこのアーカイブ展示室を通して学びました。ガレは工房をたたんでしまうけれど、ドームはなぜ生き残ったのか、他の分野のアーティストとのコラボレーションにはどんな作品があるのか、ここに来なければわからない謎が全て秘められています。
 
 
 

 翌日は朝からアール・ヌーヴォーの邸宅が並んでいるソリュプト地区、そしてフェリックス・フォール街の建築を散策して、いよいよナンシー派美術館へ。アール・ヌーヴォーの巨匠、ガレの素晴らしき逸品をはじめ、ナンシー派の豪華作家たちの作品を、これも美術館専属ガイドの説明で回ります。
 
 
 
 
 
 

 日本ではサントリー美術館、北澤美術館に収蔵されているガレの「ひとよ茸ランプ」も、この美術館ではあまりにさりげなく展示されているので、思わず見過ごしてしまうほど。「夜明けと黄昏」のベッド、豪奢なダイニングテーブルの部屋・・・もう説明を聞いて写真を撮っていたら追いつけないほどの傑作揃いです。
 

 ハイライトであるナンシー派美術館見学の後は、出発まで自由なのですが、みなさんでマルシェ・クーヴェールにて軽いランチ。ここは室内の常設マルシェ内にあるレストランで、使われている食材はすべて新鮮なものばかり、お魚もムールもアスパラガスのタリアテーレも、シンプルながらとても美味しかったです。
 

 お土産のナンシー名産マカロン、ミラベルのコンフィチュールなどを買い込んで、慌しくパリへ戻りました。とても充実したナンシー一泊旅行でした。