第2回アンティーク検定講習2級が終了しました

 4日間に渡って行われました、アンティーク検定講習・2級の部が終了、講習参加者全員が無事ディプロマを手にしました。
 

よく「宮様」が記念撮影をされる場所で、監修者・岡部昌幸先生と。


 

 2級の検定講習を受講するためには、3級を試験で合格しているか、講習で修了している必要があります。つまり、基礎知識を既に習得している方々のための講習ですので、奥深く西洋装飾美術、西洋アンティークの世界への理解を深める講習です。今回の講習参加者は、今年7月の検定試験で3級を合格された方、1月や9月の検定講習で3級の講習を修了された方たちで、みなさん今年になって3級取得で勢いがついて、このまま2級も一気に!という力みなぎる方達ばかりでした。
 

 前半2日目は、あわや台風にぶつかりそうになりましたが、お昼休みを返上で早めに終了し、なんとか無事でした。台風が半日ズレていたら2日目は休講とせざるを得なかったと思いますので、全く幸運です。後半の庭園美術館見学日も、予想では小雨かなと思っていましたが傘の必要もなく、おかげで普段はなかなか見て回らないような「絶景コース」まで堪能することができました。特殊な杉や松の木の名前まで解説いただきました。

 

 

 西洋美術史を一通り(ルネサンスから20世紀初頭まで)網羅し、陶磁器・銀器・ガラスの鑑定アトリエを行い、宝飾・モードの世界、版画・写真などの複製芸術の世界、家具や様式のおさらい、オークションカタログを読む際の英語による特別な表現の学習、現代マーケットのお話・・・あらゆる方向から西洋装飾美術の世界に切り込んでいけたのではないかと思います。
 


 

 アンティーク検定試験2級は、合格基準が各科目70%と、入門の3級(合格基準は60%)に比べればかなりハードルが高いのではないかと思いますが、今回のような講習で学んで納得して理解して級を取得したかった、という方も多く、級を取得する一つの手段と考えていただければと思います。
 

 次回は来年の1〜2月を予定しています。ご興味のある方は、HPにてご確認の上、お問い合わせいただければと思います。
 
 


いよいよ最終回、第6回読書会

 パイ インターナショナルより発売されました「西洋骨董鑑定の教科書」の出版を機に、4月より毎月1回、本書をみなさんで読みほどきながら、ときにはツッこみ、ときには批評し、原書(英語)を部分的に読んで理解したり理解できなかったり・・・といった「読書会」を開催してきましたが、いよいよ最終回となりました。
 

 今回は「コレクタブル」の章。コレクタブルとは、コレクト=蒐集するに値するもの、という意味で、その人が自分にとって価値があると思えばなんでもコレクタブルになります。グリコのおまけでも海岸に落ちている貝殻でも・・・これらはさすがに美術品とは言えませんが、それでも多くの人が欲しがれば、その価値は上がるのです。
 

 本書によれば、コレクタブルにとって大切なのは、CARDだと言います。
 

 C=Condition コンディション
 A=Age 年代
 R=Rarity 希少性
 D=Desirability 入手したいかどうか
 

 そしてさらに2つのP、すなわちProvenance(来歴)とPretty(美しさ)が加われば、それは立派なコレクタブル・アンティークになるのです・・・だそうです。
 

 今日はアンティーク・ドール、テディ・ベア、キルトやサンプラー、そしてコスチューム・ジュエリーについて、みなさんで意見交換をしながら読んでいきました。

 
 

 これらコレクタブルのアイテムも今やオークションに出品されますし、アンティーク・ドールなど何百万円もの値段がついて落札されますね。
 

 「西洋骨董鑑定の教科書」に関する読書会は、各章ごとに行ってきましたが、いったんはこれにて終了です。また機会をみて、再開したいと思っています。
 

 ご参加者のみなさま、本当に貴重な意見をありがとうございました。
 
 


絢爛豪華な明治の輸出家具

 ジャポニスム2018で、パリでは若冲展をはじめ、様々な日本関連の催し物が開催されていますが、そのきっかけとなったのは、1858年の安政五カ国の条約。これを機に日本は開国し、外貨獲得のために輸出を展開するのですが、当時日本が海外で売れるものとは、生糸と「美術工芸品」しかなかった、というのはなんとも皮肉にも誇らしいことではないですか!?
 

 10月のAEAOサロン倶楽部は、その明治輸出工芸の中でも家具に注目し、芝山象嵌、青貝細工、仙台箪笥といった明治の工芸の美が西洋でどのように受け入れられていったのか、横浜家具って?といったことをみなさんで学んでいきました。
 

 プレ・レクチャー会場は、土日は歩行者天国となって気持ちよい銀座・中央通りに面したダンヒルの中にある、リニューアルされたダンヒル・バー。以前はいかにも正統派英国バー、という古色蒼然とした重々しい雰囲気だったのですが、最近とてもモダンになりました。ここでライトランチをいただきながら(メニューはどれも絶品です!)、日本の漆がポルトガル人に見出された15ー16世紀から明治までのお話などを交えて、明治工芸の家具というものを見直してみました。
 

 そして、歩いてすぐの京橋、LIXILギャラリーで開催されている、「海を渡ったニッポンの家具〜豪華絢爛仰天手仕事〜」展の見学です。タイトルが決して大げさではなく、本当に仰天してしまうような手仕事で、見事なもの。象嵌、螺鈿、もう手の込んでいることといったら、あっぱれです。
 
 

 

 しかしながら、これだけ家具が主張していると、なんだか息詰まるなあと思うのは現代人だけではなかったようで、すでにアール・デコ、モダニズムの波が押し寄せていたヨーロッパでは、やがてこの豪華絢爛さが「派手すぎ」「下品」と捉えられるのか、はたまた日本側も同様に、伝統の詫び・寂びを見つめ直すのか、もうこのような作品は作られなくなっていきます。
 

 そのほんの短い間に海を渡った日本の家具の里帰り品を、みなさんで驚嘆しながら鑑賞しました。
 
 小さな会場ですが、他の鑑賞者も「うわぁ、これはすごい」「いやはや見事だねえ」「ひゃあ〜」と感嘆詞づくし・・・それほどまでに圧倒された作品たちでした。