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最終日はシャンティイにて

いよいよ研修最終日。今日はシャンティイへの日帰り旅行です。
折しも10月18〜20日の間はシャンティイ内で「植木市」が開催とあって、朝からものすごい人で賑わっていました。
ミニコンサートなども随時行われています。

シャンティイには何があるのか?お城があります。そのお城はいつ誰によって建てられたのか・・・よく見ると建築様式が異なる部分で成り立っています。
城内のコンデ美術館、まずはそんな解説から入り、レセプション会場での正餐に使用していたテーブルウェアなども見ながら・・・

メイン目的であるシャンティイ窯の部屋へ。
フランス陶磁の美は18世紀の軟質磁器にあり、と言う人が多いのも宜なるかな、昨日のセーヴルの軟質磁器も然り、今日はそのセーヴルよりも早く軟質磁器の窯を開いたシャンティイ窯。

柿右衛門を愛したコンデ公が庇護したシャンティイ窯の軟質磁器についての解説を聴きながら、作品を堪能した後は、城内レストランにてランチ、総評、ディプロマ授与式です。全員にディプロマが授与されました。

午後は厩舎や馬具美術館を訪れたり(シャンティイには有名は競馬場があります)、広大なル・ノートル設計の庭を散策したり、シャンティイ城の居室部分を見学したりしながらシャンティイ領地を堪能し、夕刻の電車でパリに戻りました。

ご参加いただいた研修生のみなさま、5日間お疲れ様でした!


典雅のセーヴル!

研修4日目。今日はいよいよフランスが世界に誇るセーヴル焼きのセーヴル訪問です。
セーヴルはパリの郊外、メトロで行くことも出来ますが、ミニバスを配車し、ちょっと優雅に参りました。

午前はセーヴル製陶所の工房をガイディング見学、もちろんプライベートで訪れることはできません。成形技法、焼成の技法、装飾技法、研磨技法などを実際に製陶所に潜入して、見学します。今回のガイドは、なんと日本で巡回した「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展を企画したセーヴル陶磁都市解説員モアンヌ前田恵美子氏。シュヴァリエを叙勲されている文化人にして専門家、これ以上のガイドはありません。期待を裏切らず、非常に丁寧で詳細な解説をしていただきました。

かつての王立磁器工房は、現在ではフランス国営の製陶所。200人ほどのスタッフはゆえに全員国家公務員、今でも18世紀の製法を忠実に再現し、作り続けられています。おそらく恐ろしいコストのかかる製法、民間ならとっくに「効率や生産性」を問われて、廃窯となっていたかもしれません。国営だからこそできる、フランスの誇るべき芸術です。

といっても無尽蔵に贅沢をしているわけでもなく、たとえば金彩を施したものは、壊れても金だけは回収し、次の作品へ使われます。工房には「金専用のゴミ箱」まで設置されており、金粉1粒でも持ち帰ることは出来ません。

頭の中がパンクした後は、すぐ近くに出来た坂茂設計のミュージックホール、ラ・セーヌ・ミュジカルへ。元々ルノーの工場跡地がしばらく放置されており、ようやく再開発が始められたところに、このミュージックホールが完成し、景観を一新しました!

この建物内のレストランにてランチをいただき、屋上まで上がって再開発地区を眺めた後は、カロリーを消費すべくぶら歩きしながらセーヴルに戻ります。

午後はセーヴルの美術館側の中でもヴァンセンヌとセーヴルの18世紀のコレクションを中心にアンヌ・コリヴァノフによるガイディング見学、とどっぷりセーヴル磁器の世界に浸った1日でした。


7人の陶磁絵付け師が誕生!

研修3日目。
今日の午前中はフリーです。有志のみでサン=シュルピス広場で開かれているアンティーク・フォワールへ。

このサン=シュルピスのフォワールは、場所柄もあり品物の質の高さで有名です。青空市であってもテントが設置され、ほとんどのものはショーケースに展示されており、一流のアンティーク品。お値段もそれなりですが、最近ではカード端末機を備え付けてある店も多くなりました。
11時のオープンと同時に入り、まだスタンドが開店準備をしている中、早速物色し始める参加者たち。やはり今回はテーマがテーマだけに陶磁器に目が行きやすく、「あ、ランブルカン文様」「あ、セーヴル、この時代は軟質磁器だ」と、もうみなさんかなりの目利きに。

午後は、ジアンの絵付け体験です。
陶磁器の絵付け、顔料がどうの、文様がどうの、やれこれはプリントだ、これは手描きだ、と座学でいろいろ学びましたが、実際に手描きで絵付けをしたことがある人はほとんどいません。というわけで、今日は陶磁器の絵付けというものを実際に体験してみます。

日本語が上手でジアンで研修をしていたソレンヌ・コラによるジアン工房の説明をまずは伺います。
ジアンは19世紀になってイギリス人がフランスに開いた窯で、ルーアンのような錫白釉陶器ではなく、ファイアンス・フィーヌと呼ばれる精陶器。白い土を使い、なんと少量ながらも磁器に使用されるカオリンが含まれています。多くのファイアンス・フィーヌの窯が20世紀も終わりになって次々と閉窯していく中、ジアンは今でも素晴らしいテーブルウェアや鑑賞陶器を製作し続けています。

いよいよ絵付け体験。実はこのアトリエ、自由に絵付けをするのではなく、あらかじめ輪郭が白磁にプリントされている、「塗り絵」でした。
すべての白磁に同じ輪郭が描かれているのですが、使用する色や筆によって、全く違った作品に出来上がります。

みなさん初めてながらも素晴らしい出来栄え、「モネ風」あり「ゴッホ風」あり「水墨画風」あり。

今回のアトリエは元々焼成しない前提で行っているため、顔料にはグアッシュを使用しています。
実際には顔料はブルーならコバルト、黄色ならアンチモア、などと自然の原料を使用し、かつ焼成温度によって色が変わってきますが、今回はこのまま顔料を安定させてお持ち帰り。