AEAOサロン倶楽部」カテゴリーアーカイブ

タータンとチェックは違いますゾ!

1月のAEAOサロン倶楽部は、「多彩なる魅惑の装飾・タータンの世界」と題し、タータンについてみなさんで学びました。今日の集まりのドレスコードは、何かしらタータン(と思しきもの)を身につけてくる&持ってくること。みなさんさりげなくタータンのマフラーやショール、ハンカチなどをチラチラさせています。
 
第一部はカフェの個室にて。タータンのレクチャーをしていただくのは、タータン最大手、スコットランド・ロキャロン社・日本代表の綱島実先生。スコットランド国際開発庁や日本スコットランド協会とも長年にわたって親交のある、タータンのスペシャリストです。
 

プレ・レクチャーでは多くの生地見本を実際に見せていただきながら、タータンの歴史、イギリスの歴史と共に、タータンとはなんぞや、というアウトラインを教えていただきました。
 
そして綱島先生から参加者全員へプレゼント、日本とスコットランドのフラッグをあしらったピンズです!このサロンの参加者のために、わざわざスコットランド国際開発庁から都合していただいたのです。
 
お茶とチーズケーキ付きのプレ・レクチャーの後、第二部は、駅をはさんで反対側にある三鷹市美術ギャラリーへ。迎えてくださるのは、主任学芸員の富田智子さん、本展覧会に並並ならぬ情熱をもって準備に臨み、自らスコットランドまで乗り込んでいったという方です。私たちのために、本展覧会の解説を入場前にしてくださいました。
 
会場内は、あっちもタータン、こっちもタータン、でもタータンの意味や、由来、背景を知った後では、真剣に見入ってしまいます。さきほどのプレ・レクチャーで聞いた「ディストリクト・タータン」「ジャコバイト・タータン」といった言葉の解説もおさらいしながら、展示品をゆっくりと鑑賞することができました。
 
格式高いタータン柄からカジュアルなグッズまで、展示品も多岐にわたっていて、とても楽しい展覧会です。
 
最後に、学芸員の富田さん、綱島先生とみなさんでの記念撮影!


 
 


フランステーブルウェアの教科書・第1回読書会

3連休の最終日は、AEAOサロン倶楽部での読書会第1回でした。
「フランステーブルウェアの教科書」(2018年12月 パイインターナショナル社より発売)を章ごとに読み解いていきながら、あれやこれや集まって話をする会の第一弾です。

読書会、初回はご祝儀会なのか、1ヶ月も前から申し込み予約が相次ぎ、満席でキャンセル待ちの方が多く出てしまいました。会場の定員人数が限られていてどうしても増やせないことから、キャンセル待ちの参加希望者の方、この度は申し訳ございませんでした。


 

定員ぎっしりで集まった会、まずは「フランステーブルウェアの〜」ということで、フランスの歴史の復習を。ルイ14世以降はなんとなくわかるのですが、「ではルイ14世の前は?」「ルイ13世」「ルイ13世の前は?」「ルイ12世」「ブーッ!!」ということで、ブルボン朝は誰からスタートしたのか、その前の王朝はなんだったっけ?と、ルネサンス以降のフランスの王様の顔ぶれから入ります。

そして初回の章、「テーブルの装い方」。いわゆるテーブルコーディネート、テーブルデコレーションと言われるものですが、いつからどのような形で発展してきたのか、昔からフランス料理は今のように一品一品気取って食べていたのか、テーブルの上に置かれているオーナメントはどんな意味があったのか、食器はかつてどんなものを使っていたのか、テーブルクロスとかナプキンはどうなっていたのか、カトラリーの並べ方は?グラスは?そんな謎解きをしつつ、カタカナの、聞き慣れない言葉、「アナップ」、「トランショワール」、「エキュエル」、「ネフ」、「ドルマン」・・・などについて想像していきます。

あまりに時代が遡りすぎると想像力も映画の世界になってしまいますが、19世紀、20世紀くらいになると、「ああ、あれか」と想像がつきやすくなる、テーブルウェアの世界。来月より、陶磁器、銀器、ガラス、といよいよアイテム別に突っ込んでいきたいと思います。


美しいフランステーブルウェアの教科書と、12月のサロン

 ブログをしばらくサボってしまいました。というのも、新著「美しいフランステーブルウェアの教科書」(発売:パイインターナショナル)に向けて、11月は最後の追い込みに必死だったのですが、ようやく本書が今月上旬、発売されたのです。
 

「美しいフランステーブルウェアの教科書」
 
 
 
 
 そして今日は、出版記念を兼ねた12月のAEAOサロン倶楽部を、銀座シェ・トモの個室をお借りして行いました。個室のキャパシティが限られているため、何名かのキャンセル待ちの方にはご参加いただくことができず、大変申し訳なく思います。
 
 このお店は何をいただいても美味しいのですが、スペシャリティと称される、有機自然農法の野菜たちのプレートは、まさに野菜の宝石!毎日その日の新鮮なお野菜で構成されるのでしょう、メニューにはこのように日付が入っています。

 
 

 12時からスタートした会も、5品の美味しいお料理とワインと楽しい会話で、あっという間に15時を回ってしまいました。

  
 
 
 1月より、本書を章ごとに読みほどきながら、あれこれ言い合う「読書会」が開催されます。こちらもワンショット形式で、毎回お好きなときにご参加いただけます。現在1月、2月はすでに満席となっておりますが、3月以降の読書会は来年早々にupいたします。お気軽にご参加くださいね。
 
 


いよいよ最終回、第6回読書会

 パイ インターナショナルより発売されました「西洋骨董鑑定の教科書」の出版を機に、4月より毎月1回、本書をみなさんで読みほどきながら、ときにはツッこみ、ときには批評し、原書(英語)を部分的に読んで理解したり理解できなかったり・・・といった「読書会」を開催してきましたが、いよいよ最終回となりました。
 

 今回は「コレクタブル」の章。コレクタブルとは、コレクト=蒐集するに値するもの、という意味で、その人が自分にとって価値があると思えばなんでもコレクタブルになります。グリコのおまけでも海岸に落ちている貝殻でも・・・これらはさすがに美術品とは言えませんが、それでも多くの人が欲しがれば、その価値は上がるのです。
 

 本書によれば、コレクタブルにとって大切なのは、CARDだと言います。
 

 C=Condition コンディション
 A=Age 年代
 R=Rarity 希少性
 D=Desirability 入手したいかどうか
 

 そしてさらに2つのP、すなわちProvenance(来歴)とPretty(美しさ)が加われば、それは立派なコレクタブル・アンティークになるのです・・・だそうです。
 

 今日はアンティーク・ドール、テディ・ベア、キルトやサンプラー、そしてコスチューム・ジュエリーについて、みなさんで意見交換をしながら読んでいきました。

 
 

 これらコレクタブルのアイテムも今やオークションに出品されますし、アンティーク・ドールなど何百万円もの値段がついて落札されますね。
 

 「西洋骨董鑑定の教科書」に関する読書会は、各章ごとに行ってきましたが、いったんはこれにて終了です。また機会をみて、再開したいと思っています。
 

 ご参加者のみなさま、本当に貴重な意見をありがとうございました。
 
 


絢爛豪華な明治の輸出家具

 ジャポニスム2018で、パリでは若冲展をはじめ、様々な日本関連の催し物が開催されていますが、そのきっかけとなったのは、1858年の安政五カ国の条約。これを機に日本は開国し、外貨獲得のために輸出を展開するのですが、当時日本が海外で売れるものとは、生糸と「美術工芸品」しかなかった、というのはなんとも皮肉にも誇らしいことではないですか!?
 

 10月のAEAOサロン倶楽部は、その明治輸出工芸の中でも家具に注目し、芝山象嵌、青貝細工、仙台箪笥といった明治の工芸の美が西洋でどのように受け入れられていったのか、横浜家具って?といったことをみなさんで学んでいきました。
 

 プレ・レクチャー会場は、土日は歩行者天国となって気持ちよい銀座・中央通りに面したダンヒルの中にある、リニューアルされたダンヒル・バー。以前はいかにも正統派英国バー、という古色蒼然とした重々しい雰囲気だったのですが、最近とてもモダンになりました。ここでライトランチをいただきながら(メニューはどれも絶品です!)、日本の漆がポルトガル人に見出された15ー16世紀から明治までのお話などを交えて、明治工芸の家具というものを見直してみました。
 

 そして、歩いてすぐの京橋、LIXILギャラリーで開催されている、「海を渡ったニッポンの家具〜豪華絢爛仰天手仕事〜」展の見学です。タイトルが決して大げさではなく、本当に仰天してしまうような手仕事で、見事なもの。象嵌、螺鈿、もう手の込んでいることといったら、あっぱれです。
 
 

 

 しかしながら、これだけ家具が主張していると、なんだか息詰まるなあと思うのは現代人だけではなかったようで、すでにアール・デコ、モダニズムの波が押し寄せていたヨーロッパでは、やがてこの豪華絢爛さが「派手すぎ」「下品」と捉えられるのか、はたまた日本側も同様に、伝統の詫び・寂びを見つめ直すのか、もうこのような作品は作られなくなっていきます。
 

 そのほんの短い間に海を渡った日本の家具の里帰り品を、みなさんで驚嘆しながら鑑賞しました。
 
 小さな会場ですが、他の鑑賞者も「うわぁ、これはすごい」「いやはや見事だねえ」「ひゃあ〜」と感嘆詞づくし・・・それほどまでに圧倒された作品たちでした。
 
 


第5回読書会は、銀器を語る

 8月はお休みをしていました読書会が再スタート、9月はメタルウェアを読み解いていきました。
 

 本書「西洋骨董鑑定の教科書」は翻訳書であるため、著者の文化バックグラウンドが日本人とは異なり、また普段聞き慣れない言葉も多く、「これは一般的な用語だろうか?」「これは、こう言い切るにはちょっと偏りがあるのでは?」「この翻訳は的確だろうか?」と、批判精神と共に読んでいます。決して間違いを指摘する意図ではありません。解釈は国や時代で異なっており、またかつて定説とされていたことが今では覆されてきたり、見直されてきたりしています。そもそも「本に書いてあること」を鵜呑みにしない、という姿勢が、新説を生み出すことにもつながるのですから。
 
  

 一人で読んでいると気づかなかったことなどが、みなさんであれやこれや言い合いながら読んでいると、いろいろな文化が混ざって、新しい知識が増えていく楽しさがありますね。
 

 持ち寄った銀器を鑑賞しつつ、刻印の辞典と照らし合わせて、「これは、本体と蓋の年代が2年違いだ!」なんてわかるのも楽しい発見でした。
 


鳩山会館で、様式建築を知る

 9月のAEAOサロン倶楽部は、フレンチ・ビストロでランチを食べながら、西洋建築に関するミニ・レクチャーを行なった後、鳩山会館を見学するというコースで集まりました。
 
 
 

 月1回のサロン倶楽部、春と秋の季節のよい時期には、東京近郊に残っている洋館を見学しながら、明治〜昭和初期の建築を通して装飾を学んでいこう、という試みです。
 

 西洋の中でも西欧、つまり東ローマ帝国の流れを含まない側の建築には、古典系と中世系、主に2種類の流れがありました。柱を中心とする古典系と、壁を中心とする中世系、そのどちらもが19世紀後半には西欧で等価値となり、歴史主義が起こっていました。
 

 一方、屋根の美しさを美としていた日本の建築が、海外から影響を受けた時期は大きく2つあります。1つは6−7世紀の仏教建築、そして明治〜昭和初期の西洋からの建築です。後者の時期がちょうど歴史主義の時代と重なっており、従って日本にある西洋建築は、ネオ・バロックだったり(迎賓館・赤坂離宮)、ネオ・ルネサンスだったり(東京駅)、ネオ・ゴシックだったり(大学)、といろいろな様式建築なのですね。
 
 

 その様式建築の名手と言われた岡田信一郎氏の名建築、鳩山邸。当時としては珍しい、鉄筋コンクリート造の洋館です。この時代、お屋敷を竣工する特権階級は、和館と洋館の融合を試みていましたが、鳩山邸は洋館単独型として建設され、離れに和館を建てていました。アダムスタイルの応接間など、イギリスの邸宅を思わせる雰囲気です。
 

 桜またはバラの季節(春のバラ、秋のバラと2回)に訪れるのがベストですが、剪定したばかりのこの時期は、逆に建物がゆっくり見られて、とてもゆったりした時間と空間でした。
 
 

 
 

 また「洋館めぐり」をAEAOサロン倶楽部で開催したいと思っています。
 
 


ウィリアム・モリスの手仕事ー美の追求

 8月のAEAOサロン倶楽部は、ウィリアム・モリスを取り上げてみました。みんながその名を知っている「ウィリアム・モリス」といえば、花柄などの壁紙の人、でも彼の残した功績はもちろんそれだけではありません。
 

 ウィリアム・モリスに惹かれて、モリスを訪ねての旅を何度も実行された小山ひろ子先生は、長年日本ヴォーグ社の編集をされていて、現在では出版部長を務めていらっしゃるベテランです。小山先生が実際に訪れた、一般には公開されていない場所などの写真を見せていただきながら、モリスがどんな人で、どんな時代に生まれ、なぜモリスに惹かれてモリスを訪ねての旅に至ったか、そんな個人の思いと共に、モリスについて熱く語っていただきました。
 


 

 当サロンは、堅苦しいお勉強ではなく、お茶でも飲みながら楽しく語り合いましょう、がモットーなのですが、今回はご用意いただいた資料だけでなんと26枚!年表からモリスの交友関係表から地図から、はたまた当時の社会状況を知るための、ヴィクトリア朝時代のポンドの価値に関する資料から、と研究者並みの資料一式となり、どれもがモリスを知るために大変貴重なものでした。
 

 モリスが成功した理由、小山先生は8点挙げて本サロンを締めてくださいましたが、やはり凡人には「うらやましいなあ」と思う項目があります。それはズバリ、育ちと環境がよく、また生活の糧を稼ぐ必要がなかった、という点でしょうか。ヴィクトリア朝時代、金持ちはこの上なく豊かで、貧しい人は悲惨な生活をしていた、そんな時代にアッパーに生まれアッパーを享受できた、そんな人だったのですね。
 

 現在、「ウィリアム・モリスと英国の型紙展」が現在群馬県立近代美術館で開催中ですが、本展はその後大阪、久留米、名古屋、横浜と巡回いたします。また次回は、壁紙の装飾と芸術と社会、というようなテーマで取り上げてみたいと思っています。
 
 
 
 


ヨーロピアン・ジュエリーの歴史とショーメ

 7月のAEAOサロン倶楽部は、6/28〜9/17まで三菱一号館美術館にて開催される、「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界―1780年パリに始まるエスプリ」 展のプレ講座として、ジュエリーの世界について学びました。
 

 まずはジュエリーの素材と加工についてあらためておさらいします。どこまでをジュエリーと呼ぶのか、プラチナはなぜ流行らなかったのか、金と銀はどちらが先に使われていたのか、クローズド・セッティングって?ー第7回アンティーク検定・3級に、クローズド・セッテイングについての設問がありましたね。
 

 

 そしてショーメの歴史上の重要人物について、ショーメ側(ジュエリーデザイナーや経営者)と権力者側(ナポレオン、ジョゼフィーヌ、マリー・ルイーズ、オルタンス、ウージェニーetc)からの視点で、19世紀のフランスの歴史と絡めて、たっぷりとお話いただきました。参加者のみなさまも、フランス史やフランス絵画に詳しい方も多く、いろいろな視点から見ていきます。
 

 最後に今回の展覧会の構成、見どころ、特別な用語の説明(パリュール、アクロスティック・ジュエリー、シャトレーヌ・ウォッチ、エグレットetc)などについてもしっかり解説をいただき、いつ行ったら空いている?女子割の日があるの?なんて話まで、みなさんで盛り上がりました。
 

 ジュエリーに対する価値観も、国によって、また時代によって、大きく異なっています。政変が不安定な国では、常に資産を宝石類として所持し、何かあればそれを持ってどこかに行けるようにしていたとか。お金があっても、宝飾をはじめ自分を飾ることに興味のない世代が増えている、昔と違って財力を示すバロメータとしてジュエリーはもはや時代遅れ、ティアラなんて絶対身につけることは生涯ないけれど、それを側に置いておくだけで幸せな気分になるに違いない・・・懇親会では、いろいろな意見が出ました。
 


 
 

 ヴァンドーム広場の宝飾店は、観光でパリに行ってもなかなかおいそれと入れるところではありませんが、美術展ではこうして一流の名品が(手には取れないですが)見られるのですから、ぜひ足を運んで見ていただければと思います。
 

 「ショーメ 時空を超える宝飾芸術の世界―1780年パリに始まるエスプリ」 展
 
 


オールド・ノリタケ、煌めきの世界

 AEAOサロン倶楽部・6月の会は、日本におけるオールド・ノリタケの第一人者であり、東京藝術大学・特任教授の井谷善惠先生をお迎えして、オールド・ノリタケの世界を徹底解説していただきました。
 

 
 会場は、ご参加者のお一人の好意で特別に借りられた、素晴らしい見晴らしのゆったりした空間。ここで、井谷先生秘蔵の貴重な資料を見せていただきながら、日本の近代輸出磁器の事情、アメリカでなぜノリタケが迎え入れられたのか、当時どんな意匠が人気があったのか、などを学び、当時のノリタケの製品がいかに贅沢で、凝ったものだったのかということがよくわかりました。
 

 

 

 NIPPONと入っている銘とJAPANと入っている銘、どちらが古いのでしょう、何年まで使用していたのでしょう、なんてことも、しっかり解説いただきました。
 

 ノリタケのアール・デコのアイテムはもう市場でも高値がついていて、なかなか手に入らないものですが、今日はその中でも貴重な「デコレディ」の香水瓶をお持ちいただき、みなさんで鑑賞させていただきました。バレエ・リュスやエルテを彷彿させる原色とシャープなラインの、優雅な香水瓶にうっとり。
 

 もうすぐ、井谷先生の新著「アガサ・クリスティとコーヒー」という、何やら面白そうな本が発行されます。こちらも楽しみですね!