パリ国際現代アートフェアFIAC(フィアック)が本日スタートしました。
10/23~26の4日間、グラン・パレで開催されています。
FIAC公式サイト
アンティーク業界の人は現代アートに関心がないのではないか?というのは杞憂で、オークショニアや鑑定家、セカンド・マーケットのアート界で働く人たちは大抵年に1度のこの盛大なアートフェア、FIACには足を運びます。現代アートはアート市場における、最も関心の高い、言い換えれば最もお金が動く分野です。そして「現代」アートがやがて「近代」アートになり、「アンティーク」になっていくのですから…。
最もお金が動くマーケットだけあって、入場料も半端ではありません。
一般入場料が40ユーロ(2年に1回のアンティーク・ビエンナーレの今年の入場料は30ユーロ)、話題となるかもしれないアートを見るのには、なかなかのお値段です。
さて、さきほど「セカンド・マーケット」と書きましたが、美術業界は大まかに分けて、「ファースト・マーケット(1st market / 1er marché)」「セカンド・マーケット(2nd market / 2nd marché)」という言い方をします。前者は、それが初めて市場で売られるもの、後者は1度売られたものが再販されるもの、の違いです。例えばある作家の作品を初めて扱う(販売)する場合は、「ファースト・マーケット」であり、物故作家の作品を扱う場合は、「セカンド・マーケット」となり、前者は通常ギャラリーが、後者はアンティーク業者が扱います。ですので、アンティーク業界というのは、何も何百年も経った古いものばかりを扱っているわけではなく、初販なのか再販なのか、という違いなのです。
月別アーカイブ: 2014年10月
創設250周年 バカラ展 〜永遠のきらめき〜
1764年、ルイ15世の許可が下り、バカラ村にガラス工房を開いて今年で250周年を迎えるバカラ、本国フランスではもちろん、日本でも各地でバカラ展が開催されています。
といっても、ほとんどがもう終了してしまい、これから見られるのは限られてしまいますが・・・
【日本におけるバカラ展開催日程】
阪急うめだ本店5月21日-26日
岩田屋本店 6月18日-23日
鶴屋7月9日-13日
日本橋髙島屋9月2日-8日
京都髙島屋9月11日-15日
ジェイアール名古屋タカシマヤ9月18日-22日
横浜髙島屋9月25日-29日
あべのハルカス近鉄本店10月2日-6日
東武百貨店池袋店10月9日-14日
そごう横浜店10月24日-27日
井筒屋11月13日-16日
定番中の定番、アルクールを用いた「チェスゲーム」は、圧巻です。
本国フランスでは、Petit Palaisにて2014年10月15日〜2015年1月4日まで、500点以上もの作品を披露する展覧会が開催されます。
Petit Palais : バカラ展
当協会で9月に行われました公式海外研修でもパリのバカラ美術館を見学、こちらは美術館の建物そのものがMarie-Laure de Noaillesの元大邸宅、館内のレストラン、Cristal Roomはフィリップ・スタルクの設計です。
19世紀後半の万博に出品したときの作品、各国王室の御用達の作品、日本ではあまり見る事のできないシャンデリアや香水瓶、1936年以前の、まだマークのないアンティーク・バカラの素晴らしい工芸品などが一堂に会する、圧巻の美術館です。
アンティーク鑑定士をめぐる映画
アンティーク鑑定士って普段どのように仕事をしているのか、馴染みのない方にはなかなか想像し難い職業かなと思いきや、このところ立て続けにアンティーク鑑定士が登場する映画が製作されましたね。
今年のお正月映画『鑑定士と顔のない依頼人』を見た方も多いでしょうか。一流の鑑定眼を持つオークショニアで、自らもコレクターである主人公が事件に巻き込まれて行くゴージャスなミステリー、登場人物には美術品修復家、元画家でオークショニアの談合の相棒、顔を見せない資産家令嬢の依頼人、と華麗な世界が繰り広げられるストーリーです。大道具、舞台もゴージャスならペテンも壮大なスケール…見ていない方の為に、これ以上バラすのは止めておきましょう。
邦画では『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』が話題になりました。
ルーブル美術館で撮影許可が下りたのは、あの『ダヴィンチ・コード』以来だという話。(2015年から無休を目指すこの美術館で映画のロケができる機会も、今後はそうそうないことでしょう。)
たった一夜でフランス語が話せるようになる等、かなりストーリーに無理はあるものの、鑑定士Qが真贋を見分ける能力を日々培って行くプロセスはなかなか面白いものがありました。
まだ見ていない方、まずはこの2作品、秋の夜長に如何ですか?