ヴェルサイユ宮殿監修、というお墨付きの「マリー・アントワネット展」が、森アーツセンターギャラリーにて開催されています。連日多くのマリー・ファン(?)が押しかけているようです。
この展覧会、西洋アンティーク好きな我々にも、たくさんの参考となる作品の宝庫です。というのも、18世紀後半のフランス装飾美術工芸品がすべて、この中に押し込められているからです。
・モードとジュエリー
フランスがモードの中心となる18世紀、マリー・アントワネットがヨーロッパのファッションリーダーの役目を果たすのが1770年代。洋服、靴、髪型、アクセサリー・・・ロココから新古典への流れの中で、マリー・アントワネットのファッションがどのように彩られていくのでしょう。
・漆器コレクション
チャイナと言えば磁器、ジャパンと言えば漆器、というのは、ヨーロッパ工芸界での常識ですが、マリー・アントワネットもお母様同様漆器好きで、コレクションをしていたようです。本展覧会では、17世紀末から18世紀にかけての、マリー・アントワネットが持っていた日本の漆工芸品を見ることができます。
・磁器コレクション
カオリンがマイセンで発見されてから遅れること半世紀以上、ようやくフランスでもリモージュ郊外でカオリンが発見され、硬質磁器の焼成ができるようになります。本展覧会では、軟質磁器と硬質磁器の両方で焼かれた、セーヴルの食器セットが展示されています。
・家具
フランス家具の歴史で、ルイ16世様式、第一次新古典主義様式とも言われるこのスタイルは、古代回帰が特徴です。マリー・アントワネットのプライベート・アパルトマンで、ジャコブに発注された椅子を見ると、お約束とも言えるパルメット装飾、エトルリア装飾がみられます。
本展覧会は、来年の2月26日まで。きっと年末年始は混みそうですから、お早めに見ておかれるとよいでしょう。