月別アーカイブ: 2020年9月

読書会「ぜんぶわかる西洋美術史と、さらにわかる絵画で読み解く装飾品」がスタート!

半年ぶりに再開しましたAEAOサロン倶楽部、今秋は読書会という形で年内までオンラインにて行われることになり、昨日第1回がスタートしました。10名程度でと思っていましたところ、はるかに超える人数の方々がお集まりいただき、好調な再開となりました。

AEAOサロン倶楽部は、従来月1回有志で集まり、会食や喫茶と共にレクチャーを行い、時にはそのテーマに応じて美術館や建造物を見学しながら懇親し、楽しんでいました。でもコロナ禍で最も避けなくてはならない要素であるおしゃべりと会食が入っていますので、このご時世に無理して行って万が一のことがあったら・・・と思うとなかなか踏み出せません。4月の『アンティークの祝祭』鑑賞に伴うアフタヌーン・ティの会もまだペンディング中です。

そのような中ではありますが、読書会は各自が同じ本を手元に置いて、内容を紐解きながら理解し合っていくもの、これはオンラインでもなんとかできるのではないかと思い企画をしましたところ、思いがけぬ多くの方々からのご参加をいただきました。ありがたい限りです。

タイトルに「全部わかる」「さらにわかる」と思いっきり豪語していますが、西洋美術史というのはすべての美術品・工芸品・装飾品を理解する要のルーツです。単にこの時代には〜主義が流行ってooという画家がxxという作品を描いた・・・というものではなく、その時代時代の生活様式、宗教観、世界観、価値観、社会の様式や変遷などがすべて影響し合って生まれてくる美意識のストーリーなのです。

アンティーク検定でも2級以上で「西洋美術史」が必須となりますが、たとえ海外研修に参加してもこの「西洋美術史」だけは免除になりません。これだけは自分の力で理解しなくてはならない最後の砦です。

幸い西洋美術史を学ぶための書籍などは日本語でも多く出版されており、また昨今では展覧会もいろいろな時代・分野の作品で開かれていますので、たとえ学校で専門的に美術史を学んでいなくとも、1冊の通史を読んだり展覧会を鑑賞したりしていれば、ある程度の流れは理解できるようになります。とはいえなかなか孤独なプロセスですし、せっかくなら仲間で集まって、美術史をこの際古代からゆっくりゆっくり紐解いていきましょう、ということで、1年半、全15回かけて行う予定でプログラムを組んでみました。そしてどうせなら、絵画に描かれている装飾品などもいろいろ調べてみて、美術史と装飾美術史を並列して理解してみましょうよ、ということになり、「全部わかる」「さらにわかる」という意気込みだけはすごいタイトルが生まれてしまいました。

初回は古代〜国際ゴシックまで。まだまだルネサンスには行き届きません。「語れるようになる西洋絵画のみかた」では序章になる時代で、たった6ページの分量です。それでもその後ルネサンスが生まれる要因となるすべてが詰まっています。文明の発祥であるメソポタミア、エジプトからギリシア美術、ローマ美術、ビザンティン美術、ロマネスク様式、ゴシック様式、国際ゴシック、タピスリー、装飾写本・・・一気にこの辺りを読み解いていき、その後のチャット・コミュニケーションタイムでは「なぜ、裸?」「壁画ってただの壁?」「なぜタピスリーを壁にかけたの?」「なぜこんなに色鮮やかな色彩なの?」・・・と実に多くの質問や感想が出て、オンラインでもこうして楽しく対話ができる文明の時代がやってきたのだなぁ、とあらためて実感できました。

ご参加いただいた方、有難うございます。消化しきれなかった宿題は第2回に、次回は10/17(土)に開催されます。1回ごとでのご参加も可能ですので、興味のある方はこちらよりお申込みください。


ウィズコロナの時代、第6回アンティーク検定講習

8月末〜9月にかけて、第6回アンティーク検定講習が行われました。今回はコロナ禍の下、少人数とはいえ集まって行う講習会の実施時期に関して迷いましたが、講習会場である東京芸術劇場が感染対策を万全にして施設を再開していることもあり、通常の会場定員数を半数にして行うことにしました。また希望であればオンラインでのご参加もOKとたところ、3級、2級ともオンラインでのご参加申し込みもあり、初のハイブリッド方式の試みです。地方在住の方々にとっては、この状況下で上京をためらわれる傾向にあったかと思いますが、オンラインでの参加という新しい形で実現することができました。

3級は「アンティークがはじめて」という、興味はあるけれどどうやって学んだらよいのだろうという方向けです。「西洋骨董鑑定の教科書」を買い、独学で勉強をして試験を受けて級を取ることもできますが、敢えて講習を受講する方には、すでに興味の方向は定まっているが多視点から学んでみたいという傾向があり、実際今回の受講者の方々にも、すでにアンティーク関係のビジネスをされている方が何名かいらっしゃいました。

2級は4日間の受講で多くの知識を入れ込み、また実際に物を鑑定できるレベルまでの講習です。大学などの授業では1年30週かけて学ぶ西洋美術史をたった2時間で詰め込み、外国語でdescriptionという、オークションカタログに記載されているエントリーを書く練習、また装飾美術の範囲も家具・工芸品だけでなくモード、ジュエリー、さらにはあまり馴染みのない写真や建築、そして現代アート展までもを網羅します。実地見学も含まれ集中研修旅行のような様相でもありますが、目的はあくまで「装飾美術工芸を楽しむこと」、参加者のみなさんと楽しく交流をしながら行いました。

今回の実地見学は、3級ではアール・デコ建築の東京都庭園美術館、2級ではアダム・スタイルの影響を取り入れた鳩山会館(旧鳩山一郎邸)と、ネオ・バロック様式の見られる迎賓館・赤坂離宮にて。日本における明治以降の様式美建築を訪ねながら、今はしばし訪問できないヨーロッパの様式を学ぶというウィズコロナ時代の講習でした。

次回のアンティーク検定講習は2021年1〜2月を予定しています。