2023年7月よりスタートした読書会『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』の、第一部・旧約聖書編もいよいよ最終回を迎えました。今回はスペシャル回ということで、クリスマスの図象について、色々と学びました。
この読書会は本当に超初心者にもわかる「聖書と絵画」ということで、そもそもクリスマスとは何か、ということからスタート、「え、イエス・キリストが生まれた日がクリスマスでしょ」と思ったらそれはちょっと乱暴な考え方になります。正しくは「イエス・キリストの降誕を記念する祭日のこと」。ところでイエスって名前?キリストって苗字?という幼稚園児が先生に聞きそうなことも今更聞けない…という大人の気持ちを忖度してか、最初からやさしく教えてくださる中山先生、おかげさまで「降誕」という言葉はイエス以外には使わないとか、「キリスト」とは言葉としてどういう意味か、三位一体とは、なぜイエスは処刑されたのか、等々きほんのきについてあらためて理解できました。
クリスマスといえば教会に行く方も多いでしょうが、プレゼピオ(イタリア語)ークレッシュ(フランス語)と呼ばれるイエスの降誕を再現した模型を目にすることがありますね。個人宅でもキリスト教の世界では小さなこの模型をリビングルームに飾るのが一般的。そのプレゼピオのアイテムである聖母、ヨセフ、羊飼い、天使たち、マギ(東方のサン博士)、そして羊、牛、ロバや飼い葉桶や洞窟に至るまで、それぞれ意味をあらためて知ると面白いですね。ヨーロッパではこの時期、プレゼピオの模型が色々売られていて、陶器のもの、ガラスのもの、凝った工芸品が多く、アンティーク市でも売られていますよ!
最近では日本でも少しずつアドベント・カレンダーが知られるようになりましたが、アドベント=待降節の期間は一日一日その日を楽しみに待つ、ということで、今ではお菓子メーカーが毎日一つずつ開けると小さなお菓子やチョコレートが入っているカレンダーを売り出していますね。12月1日から1つずつ開けるのですが、待ちきれずにフライングしてしまう子供も多いとか。
エピファニー(主の公現)にガレット・デ・ロワを食べる習慣も日本でも知られるようになりましたが、このロワ(王様)とは誰なのか、そもそもこの日は誰が何を祝っているのか、そんなこともあらためて教えていただいたところで、今日の大切な一言!それは、
「キリスト教徒にとって最大のお祝いの日がクリスマス、と思われがちですが、実は最も大切な日は復活祭」
さて、この続きは本読書会「新約聖書」の方でまたゆっくり習うことにしましょう。
2024年4月より、あらたに「新約聖書の世界」を何シリーズかに分けて行う予定です。旧約聖書編はアーカイブ講座として学ぶこともできますので、ご興味のある方は是非この機会にオンデマンドにて!!