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アカデメイア、ストーリーが面白くてしょうがない『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』

今日は月1回のアカデメイアの日、聖書に登場するテーマごとの絵画を中山久美子先生にわかりやすく解説していただく講座です。新約聖書の3回目は、「山上の垂訓」からイエスが逮捕されるまでのストーリーを数多の絵画を見ながら学びました。

・山上の垂訓

イエスの説教を聴きに集まってくる人たちを描いています。これはお弟子さんだけ。

フラ・アンジェリコ「山上の垂訓」

お話をすればするほど信者が増えていく、という情景で、多くの人たちが描かれていますね。

コジモ・ロセッリ、ペトロ・ディ・コジモ「山上の垂訓」

・キリストのたとえ話

教育を受けていない貧しい人々にもわかりやすく、身近なたとえ話を用いて教えを説くシーンです。「盲人」というのは物事を理解していない人、学びが不十分な人のたとえです。

ピーテル・ブリューゲル(父)「盲人のたとえ話」

・貢の銭

「税金を払え」「え、あなたは自分の息子にも税金を課すの?」「いや、息子からは取らないよ」「じゃあ私は神の子だから、払わなくてもいいわけで」と思ったものの徴税人を困らせてはいけない、と思ったイエス、魚の口から銀貨を出させて税金を納めましたとさ。

マザッチョ「貢の銭」

・最後の晩餐

レオナルド・ダ・ヴィンチの絵画がダントツに有名ですが、多くの画家がこの情景を、ユダの配置を工夫しながら描いています。

・イエスの逮捕

いよいよ逮捕されてしまうイエス、まだ生きていますがその先には遠からずの死が待っています。

フラ・アンジェリコ「キリストの嘲弄」

今日はここまで。次回はいよいよイエスが殺されてしまうのです…が復活します。磔刑図、十字架降下の図、復活の様子、そして昇天、とクライマックスですね。


国内研修旅行 「明治村と、ノリタケの森」DAY2

2日目はホテルの朝食でスタート。和洋食のビュッフェと老舗日本料理「なだ万」が選べるのですが、みなさんビュッフェの方に行かれたようです。名古屋飯と言われる手羽先、小倉バタートーストもありますし4星ホテルならではの何でもありのビュッフェはやはり目移りしてしまいます。

出発は朝9時30分とゆっくりなのですが、TV朝ドラの舞台に出てきたという名古屋市市政博物館を見学したいという朝活グループは事前にタクシーを予約して一足先に建物見学を済ませ、今日の午前の見学地・ヤマザキマザック美術館にてオープン5分前に合流です。実はこの美術館、第2土曜日の10時半から学芸員による解説ツアーがあり先着10名のみ、その枠を我々ですべてゲットするにはオープン前から並んでいる必要があるのですが幸い1番で受付をしていただき、全員分の枠が取れました。

ロココからピカソまで300年の西洋美術が一望できるコレクションを持ち、またアール・ヌーヴォーの家具とガラスのコレクションもまるでナンシー派美術館並みのクオリティで、パリに行かなくとも名古屋でルーヴル・オルセー・装飾美術館の3館を網羅できる、知る人ぞ知る稀有な美術館なのです。

1時間にわたって濃厚な解説をしていただき大満足で図録などミュージアムグッズも買い求めた後は地下鉄にのってノリタケの森へ。

AEAOの研修旅行は海外でも国内でも「美味しいものをいただいて幸せになる」という要素も大切にしているのですが、今回はこちらでフランス料理のフルコースを頂きました。最近ではメイン料理もお魚かお肉のどちらかで済ませることが多いのですが、お魚もお肉も、という贅沢なコース。ドリンクもノン・アルコールが実に充実していて、赤紫蘇カクテルなどソルティ・ドッグのようなイメージで、どれも美味しくいただきました。

日本が世界に誇るノリタケ・ブランドですが、実はこの場所の住所は名古屋市西区則武新町―そう、地名なのです。「ノリタケさんが創業したんじゃないの?」とよく勘違いされがちですが、モリムラ・ブラザーズからノリタケの誕生、ディナーサービスに思いを込めた発展の歴史をウェルカムセンターで学び、クラフトセンターで生地製造工程と絵付け工程を見学、そしてノリタケミュージアムでオールドノリタケの数々の銘品をしっかり堪能し、ノリタケスクエアショップにてそれぞれお気に入りのノリタケ製品やアウトレット、紅茶などのお買い物をし終えた頃にはもう足が棒に。

今日は数日雨続きだったお天気も回復し、そこまでの猛暑でもないという天候と3連休の初日ということで多くの人たちがこのノリタケの森に集いに来ていました。

こちらで解散となりましたが、荷物もすっかり増えてしまい、ノリタケの森から分散してタクシーで名古屋駅へ。そのまま東京方面へ戻った方、名古屋を堪能し尽くそうと名古屋名物を引き続き追い求めた方、3連休で別の目的地へ行かれた方、とさまざまでしたがLINEグループで写真をupし合い、旅行が終わってからも余韻に浸っています。

今回は2日間と短いながらも実に充実した研修となりました。ご参加いただきましたみなさま、有難うございました。また国内研修も少しずつ増やしていきたいと思っていますので、今回日程が合わなかった方も是非またご参加・ご検討くださいね。


国内研修旅行 「明治村と、ノリタケの森」DAY1

今年は梅雨がまだ明けない中、AEAOでは1泊2日の国内研修旅行を行いました。行先は観光地として人気の…イマイチな(!)名古屋。ところが我々アンティーク好きの民にとってはこの地は学びの宝庫なのです。今回は2日間で明治村、ヤマザキマザック美術館、ノリタケの森を見て回りました。

今回の旅行は現地集散。かつては海外研修でも当協会では現地集散型でしたがコロナ禍以降は旅行会社さんを通してのツアー形式で行っています。でも今回は国内、それも5~10分に1本は走っている東海道新幹線の名古屋駅集合ですからみなさんそれぞれの起点からいらっしゃるということで、朝9時10分に集合。豪雨に弱い東海道新幹線ですが、この日は雨にも関わらず定刻運行で助かりました。雨足が強いのが気がかりですが、犬山市では小雨になることを祈って…

名古屋駅からは高速バス1本で明治村まで直行の名鉄バスセンターへ。名古屋人ならみな知っている「ナナちゃん人形」のある場所から出発です。

雨のせいか名古屋市内を出るまではかなりの渋滞、ようやく高速に乗れた頃には電車+路線バスの追いかけ組からすでに犬山駅に着いたとの連絡、最終的に明治村へは追いかけ組が先に着いていました!

明治村に着いたら傘も要らないほどの小雨になってほどよい風も吹き、数日前の猛暑からすれば快適です。まずは村内5丁目の、明治の洋食屋で有名なオムライス料理の『浪漫亭』で腹ごしらえから。予約ができないレストランなので待つことを覚悟していたら、まさかの個室に即案内され大満足、平日で雨天だったことが功を奏したようです。みなさん朝5時起きで、という人も多く腹ペコのお腹になかなかの量ながらペロリ完食。

食後の見学第一弾は、明治村に来てここを見ない人はいないというハイライト的な建物、旧帝国ホテルをガイドさんに案内していただきます。全員首都圏・関東からの参加者なので日比谷の帝国ホテルは知っているのですが、ここに移築された旧帝国ホテルをあらためて目の当たりにし、水平と垂直に展開していく空間演出の面白さに感動、また大谷石やスクラッチレンガのお話など数多のエピソードを交えながら解説していただきました。吹き抜けの「光の籠柱」もピトレスクな魅力を醸し出していますね。

帝国ホテルの見学後は村内見学の自由タイムです。時間的にもすべてを見ることは不可能なので村内ボランティアガイドさんと回る方、予めチェックしておいた建物めがけてまっしぐらな方、重要文化財に焦点を充てて見学する方、なんとなく目についた面白そうな建物に入りながら歩き回る方、みなさん自由なテンポでそれぞれの明治村を楽しみ、バス出発30分前に正門へ集合。回りながらお互いバッタリ会うことも何度もあり、都度情報交換をしつつの見学散策でした。

正門で村内バスの運転手さんに「ハイ明治!」と集合写真を撮っていただいた時には雨もすっかり上がり日差しが顔を出してきました。名古屋へ戻る高速バスは行きほどの渋滞もなくほぼ定時に中心街の栄駅へ到着、名古屋も雨上がりで歩きやすい中、この辺りではラグジュアリーな4星・東急名古屋ホテルへチェックイン。

1時間ほど部屋で休んだ後は夕食に出かけます。

少し早く着いたのでオアシス21の屋上階「水の宇宙船」と呼ばれるエリアへ、ガラスの上を歩く怖さも含めて幻想的な空間です。外国人観光客もかなり見かけました。かつては「名古屋飛ばし」なんて言われていましたが、今や名古屋も侮れませんね!

夕食は名古屋の名物の1つ、八丁味噌だれの田楽のお店「鈴の屋」さんへ。テーブルに置けないほどのお料理で向かいの人との境界線が分からないほどぎっしりの品数でしたが、健康食なのかしっかり歩いたからなのか、意外とこちらもみなさんペロリといただきました。

ホテルへ戻る間にある中日ビル、今年の4月にリニューアルオープンしたのですが屋上テラスが開放されているということで、ここで暫く涼んでホテルへ帰着。スマホをチェックしたらこの日はみなさん2万歩ほど歩いていました!今夜はぐっすり眠れそうですね。