月別アーカイブ: 2022年2月

60分で紐解く絵画 『19世紀末アール・ヌーヴォーの時代の絵画 』スタート!

1時間シリーズで行っている本協会主催講座のアカデメイアですが、今月より「60分で紐解く絵画」がスタートしました。第一部はアール・ヌーヴォー時代の絵画に焦点を当てて5回コースで行います。

アール・ヌーヴォーといえば、1900年パリ万博を頂点とした装飾工芸、ラリックのジュエリーやガレのガラス作品を思い浮かべますが、当然絵画も存在していました。ただ「アール・ヌーヴォー派」とは言わずに、印象派、象徴主義、ナビ派…などと美術史の呼ばれ方で括られています。

今回はそれらの絵画を「アール・ヌーヴォー時代」という1900年前後に区切って、一作家ずつ深く見ていく贅沢なコースです。

スタートを切るのは、トゥールーズ・ロートレック。ポスター画家として有名ですが、素晴らしい油彩画も多く残っています。彼の短い36年の生涯、自分の身体的ハンディギャップとの闘い、世紀末のパリ・モンマルトルの風俗、踊り子の描き方、ジャポニスムからの影響、動きを表現する基礎はいつどこで身に着けたのか…コンプリートなロートレックのお話を、中山久美子先生より伺いました。

次回は「平らな画面はなぜ生まれたか(エドゥアール・ヴュイヤール《ベッドにて》)」です。楽しみですね!

こちらよりお申込みいただけます。


第9回アンティーク検定講習・3級

この週末はアンティーク検定講習・3級を実施いたしました。オンライン組と会場組とのハイブリッドでの実施、幸い会場での公共ネット環境も問題なく、全員がリアルタイムで参加することができました。

初日は、アンティークとは何か、アンティーク以外の古物を表す言い方はどういう意味で使われているのか、といったアンテイーク世界への入り口から入り、陶磁器、銀器、ガラスについて歴史や製法などを学びます。アンティークでは必須とも言える銀器の刻印の読み方なども、ルーペを使って解読します。

オンラインの方へは予め鑑定物をお送りしており(そしてこれらはプレゼントになります!もちろん会場の方へも)、刻印だけではなく、文様のモチーフも読み解いていきます。

2日目・午前中は建築・家具から精装飾美術の様式について、バロックからモダニズムまでを俯瞰します。ルイ14世のヴェルサイユ宮殿から、フランク・ロイド・ライトのプレーリーハウスまでを駆け足で。

そして午後の見学は、重要文化財指定の自由学園・明日館。フランク・ロイド・ライトと遠藤新の設計です。ちょうど今日は月1回の解説付見学日。コロナ前までは学芸員の方と一緒に歩いて建物を見学していましたが、コロナ以降はソーシャル・ディスタンスを必要とするため、スライドを見ながらの解説です。今回は館長自らが解説してくださり、ライトの日本滞在時の裏話から保存修理にまつわる話まで、専門家ならではの深いお話を伺うことができました。

かつての食堂であった喫茶室で美味しいパウンドケーキとお茶をいただき、ディプロマ授与となりました。オンラインの方も動画視聴でこの建築物を学んでいただき、参加者全員が全過程を修了、ディプロマを手にし、またあたらしい専門家の卵が誕生しました!

今回のご参加者のお一人は、なんと現役大学1年生!これまでアンティーク検定試験を受験する大学生や卒業間近になって講習を受講された方はいらっしゃいましたが、講習に参加された中では今回最年少です。アンティークというと、ある程度年齢を経てから興味を持つ方が多い中、小さい頃から古いものに興味があってもっと色々知りたいと思ったというSさん、アンティークの魅力をぜひ継承していただきたいと思います。

ご参加のみなさま、2日間の集中講習お疲れ様でした。そして3級認定、おめでとうございます!


オンライン海外講習、第1回は生まれ変わったカルナヴァレ美術館

2020年の海外研修を延期してそろそろ2年になろうとしています。なかなか次回の海外研修計画が立てられない中、パリの講師とつないでのオンライン海外講習をスタートしました。

第1回目は、生まれ変わったカルナヴァレ美術館。パリ市の歴史博物館です。老朽化のため4年の改修工事を経て、コロナ禍の2021年にリニューアルオープンしました。1つの町の歴史としての博物館では世界最古で、オスマンによるパリ大改造の中、1880年に誕生しています。

コレクション数で言えば60万点を越しルーヴルを上回ると言われているこの館、そのコレクション数も膨大ですが、今回のリニューアルであらたに登場したのが看板展示室。

現在ではどの建物にも住所の番地が割り振られていますが、かつてはその建物が何屋さんであったかを示すアイコンのような看板が掲げられていたとかで、その看板展示室から見学をスタートします。

この新設された階段も、アンヌ・コリヴァノフ講師曰く、「最初に目に入ったときはとてもショックでした。伝統ある歴史博物館にはそぐわない、モダンすぎる装飾で酷いセノグラフィーだと感じたのです。でも見学をしていくうちに、この階段のおかげで美術館の順路も非常に機能的かつ効率的で、見学を終えて振り返ってみると、あの階段はもうなくてはならないもののように思えてきたのです」と。

そしてやはりこの館を紹介するには外せない、セヴィニエ侯爵夫人。この人が暮らしていたからこそ、この地が博物館になったのですが、その経緯についてたっぷりとお話しいただきました。彼女の美しいポートレートには多くの質問も寄せられました。デコルテのローブ、左右非対称な着こなし・・・

ミュシャの装飾のジョルジュ・フーケ宝飾店、コルベール・ド・ヴィラセール侯爵邸、ジョゼ・マリア・セルト・イ・バディアによる、ウェンデル夫妻の館の舞踏の間・・・ため息の出る装飾に、やはり画像だけでは物足りない、早く行かなくては!という気になりますね。

受講者の中にはフランス語を学んでいる方も多くいらっしゃって、久しぶりに生のフランス語での説明が聞けて、楽しかった、というご感想もいただきました。でもなんと言っても小栁由紀子先生の完璧かつ補って説明してくださる通訳があってこそ、理解も深まるというもの。小栁先生、有難うございました。

次回はオテル・ド・ラ・マリーヌをご紹介いただきます。