月別アーカイブ: 2016年2月

アンティーク検定・対策講座のご紹介 〜よみうりカルチャー恵比寿センター〜

 アンティーク検定対策講座の1つ、よみうりカルチャー恵比寿センターのご紹介です。
 

 4月期の講座:第1・3金曜日 13:00〜14:30
 

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 4/ 1 アンティークの西洋茶道具
 4/15 オブジェ・ド・ヴィトリン~アンティークの小物~
 5/ 6 ウィリアム・モリスの時代
 5/20 ベル・エポック時代のアンティーク
 6/ 3 アトリエ:アンティークお宝鑑定会
 6/17 第4回アンティーク検定直前対策「これだけは憶えておく!」
 

 今学期は、ウィリアム・モリスの時代、ベル・エポックの時代を中心に、西洋茶道具、そしてアンティークのさまざまな小物についてのお話です。
 

 お宝鑑定会では、実際のアンティークのお値段、市場というものを勉強しながら、受講生のみなさんのコレクション、戦利品を持ち寄って、あれやこれや鑑定のツボを学びます。
 

 最後の授業は、いよいよ第4回アンティーク検定に向けての、直前対策講座。
もうこの時点では、問題は出来上がっているので、かなり際どいポイントが聞けるかもしれません!?
 

 はじめてアンティークの講座を受講する方も、大歓迎です。
 

 お申し込み、お問い合せは、よみうりカルチャー恵比寿センター
 

 よみうりカルチャー恵比寿は、JR恵比寿駅ビル、アトレ内にあり、交通アクセスは抜群!
 アトレには有隣堂書店&スターバックスも入っていて、有隣堂の本をスタバで読む事も出来ます。
 
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 春にはアトレ新館もオープン、ますますお洒落な恵比寿が便利になっていきますね。
 
 


アンティークになるかならぬか、発酵と腐敗

 古いものには、価値がある・・・と思いたいアンティークの世界ですが、古ければなんでもかんでも価値があるか、と言えば、残念ながらそうでもありません。
 

 工芸品に限って言えば、それでも産業革命以前は、どんなものでも手作りが基本でしたし、稚拙なものであっても、その希少性や、歴史的な観点からの価値は否定できないでしょう。中国からの輸入品であり、垂涎の的であった高価な磁器を真似ようと、見よう見まねで必死で作った染付けの陶器、例えば17世紀、18世紀のデルフト陶器などは、ミュージアム・ピースです。
 

18世紀のデルフト陶器

18世紀のデルフト陶器


  

 そこまでのものでなくとも、たとえば19世紀後半に、当時は大量に作られた雑器、これらはアンティークとしての価値はあるでしょうか?バカラやサン・ルイのような有名メーカーのクリスタルではなく、庶民が使用していたであろう、ガラスのグラス。気泡が入っていて、いびつな形をした、ただのグラス。半手工芸品とも言える、製品です。今現在、このようなものは、状態がよいものでも(チップや欠けがないものでも)比較的安価にアンティーク・ショップで購入できます。
 

 それでは、1960年代の雑貨は、どうでしょう。当時の流行りで作られたもの、おもちゃ、ノベルティ・グッズ。正規に購入しようと思っても、もう売られてはいませんが、ネットオークションなどで、よく出品されています。
 

 さまざまなケースがありますが、例えば食べ物に例えて言うと、古くなって腐敗するものと発酵するものがあります。魚などは鮮度が命、腐った魚など、もちろん食べられません(お腹を壊します)。一方、チーズやワイン、発酵することによって、より旨味を増し、美味しく=価値が高くなります。
 

 工芸品も、同じではないでしょうか。
 素材で必ずしも区別はできませんが、プラスチックやアルミは、時が経てば、一般には産業廃棄物です。古びて、汚くなっていきます。そこには、温かみとか、時代の良さ、といったもので評価が上がるものは、極めて少ないような気がします。もちろん希少性ゆえに、昭和初期のアルミの弁当箱といったものに、アンティークショップでお目にかかる事はありますが、目の飛び出るような値段ということはありません。
 

 ところが、時の経過と共に、風合いを帯びて味わいが出てくる素材というものがあります。
 何気ない雑貨であっても、たとえば集成材でない、無垢の木で作られたレターラックなどは、それなりに古びても愛らしさが残り、アンティークになり得る要素を持っています。
 

フランス、20世紀初頭

フランス、20世紀前半


 

 最近では、家のパーツであるドアやドアノブ、コンセントのソケットなどを、わざと古いアンティーク品の中から選んで、インテリアにオリジナリティをもたせる設計をする人がいます。ドアの金具の、古い鍛鉄でできたものは、ステンレスの軽い工業製品に比べれば使い勝手も悪く、時には構造的に狂うことも出てくるかもしれません。それでも、殺風景なステンレスよりも、味わいという点は、やはり愛らしく、そもそも暮らしのインテリアというものは、利便性や機能性だけでは決して満足できないし、美しくもないのではないでしょうか。
 

 今持っているものが、ゴミとなるかアンティークとなるか・・・それは、腐敗するか、発酵するか、の違い、とも言えるでしょう。
 

 新しくものを買いたくない、断捨離したい、という人は、腐敗するものばかりを頭に描いています。でも、中には発酵するものもある、という意識で、これから物を見ていくと、少しは変わるかもしれませんよ。
 
 


AEAOサロン倶楽部がはじまります

 「アンティーク検定」のための対策講座は、現在、各文化機関・カルチャーセンター等で行っておりますが、2016年より、AEAO主催のサロンを開催することになりました。
 

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 アンティークや西洋装飾の世界には興味があるが、なかなか定期的に講座を受けるお時間がない方、地方に住んでいて、首都圏の講座を受講できない方、興味のあるテーマだけ学んでみたい方・・・いろいろなニーズにお答えし、原則土日祝日に、ワンショット形式で行います。
 

 みなさんでコレクションを持ち寄っての鑑定会を行い、鑑定のツボを学んだり、どのくらいの値打ちのあるものなのか、いつごろいくらで買ったけれど、今はいくらくらいの市場価値なのか、そんな気になる「おねだん」の話も交えて、愉しみましょう。
 

 また、海外研修の前には、研修で訪れる見学地をスポットに入れ、関連したテーマでのサロンになりますので、研修を検討されている方にとっては、プレ講座としての内容にもなっています。
 

 サロンと名を打っておりますので、お茶・お菓子付の、懇親会的な集まりを考えています。「講師」ではなく、「ナビゲーター」として、専門家をお呼びしての、参加型のお勉強会です。是非お気軽にご参加いただければと思います。