月別アーカイブ: 2024年5月

アカデメイア『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』教会見学と東京美術倶楽部

今日は現在開催中のアカデメイアの教会見学の日でした。見学地は千代田区西神田にあるカトリック神田教会、聖フランシスコ・ザビエル聖堂を見学し、聖堂内のしつらえについて学ぶべく実際に訪れてみるという実施講座です。

当初の予定はカフェでレクチャー+見学でしたが、前座として参加者一同でランチ。神保町といえばカレーですが、古書店街から少し離れた界隈で美味しそうなスープカレーのお店を見つけ前日に予約、ここはカスタマイズがすべてにおいて(辛さ、スープの味、ご飯の量、トッピング…)できるシステムで、それぞれ自由に選んでみました。といっても初心者の「微辛」を選んだ人が多かったですね。野菜たっぷりのスープカレー、なんだか健康食のような気がしてきました!?

ランチ後のカフェではレクチャーと共に持ち寄った銀器の刻印鑑定会や7月に行われる国内研修の話などにも花が咲き、お腹もお喋りも満たしたところでいよいよ神田教会へ。

日本で最初に聖フランシスコ・ザビエルに捧げられたこの教会は1874年(明治7年)の創設です。歴史を感じますね。明治29年に建立された聖堂は関東大震災で失われましたが1928年(昭和3年)に再建、現在では登録有形文化財に登録されています。

当然ながら教会内部の写真撮影はできませんが、美しいステンドグラスの窓はしっかり目に焼き付けることができました。中山久美子先生の資料はステンドグラスの場面の解説付きですので、資料を見ながらさまざまな聖書のシーンを追っていきます。アダムとエヴァの楽園追放、マギの礼拝、受胎告知、イエスの埋葬、最後の晩餐…かつて聖書を「読めない」人々にもお話がわかるようにステンドグラスにおはなしを描いていたということがよくわかります。

その後、みなさんで東京美術倶楽部にて開催中の「工+藝 KO plus GEI 2024」展を見に行きました。

高級美術商がその会員であり敷居が高いとされている東京美術倶楽部ですが、一般公開されているこの展覧会は誰でも作品を鑑賞することができ、また作家さんを交えてのギャラリートークも開催されているとあって、覗いてみたところ作品もギャラリートークも期待を大きく上回る体験でした。

また国内の茶道名家家元が利用する済美庵にて御茶をいただくという機会にも恵まれ、美術館ではガラスケースの中に入るような高級なお茶碗でお点前をいただき、お庭も鑑賞できてハッピーな気分に。

東京美術倶楽部を出たら東京タワーも見られて、とても充実した1日でした。中山先生、ご準備や下見、有難うございました。来月は「博士たちとの議論」から「キリストの奇跡」まで、ですね。


AEAOサロン倶楽部・5月の会は明治生命館と丸の内仲通りのアート散策

GWの狭間の平日最終日、AEAOサロン倶楽部では丸の内界隈の建造物とアート散策を行いました。平日ではあるけれどインバウンド旅行者も徘徊しているし、なんとなくどこかお休み中な雰囲気が漂っています。

11時半に予約をしてあるレストラン「A16」の入口、丸の内ブリックススクエアで待ち合わせ。ここは普段ですと三菱一号館美術館の中庭にもなっているところですが、現在は改装中で休館、いつものレンガ姿がアートで覆われていました。

今日のサロンは定員を増やして総勢8名、お店側から「これ以上の人数ですと難しい」と言われたところで締め切ったのですが、ちょうどよい具合にピザもパスタもシェアできて評判通りに美味しいイタリアンでまずは恒例の懇親会。初めて会う人同士でも食卓を囲むとすぐに仲良くなれますね!

お腹が満足したところで、丸の内仲通りのストリートギャラリーについてのミニレクチャーと共に彫刻のインスタレーションを鑑賞します。

この辺りは1890年代、明治政府からの要請で岩崎彌之助(三菱2代目社長)が丸の内一帯を取得し、三菱ヶ原と呼ばれていたそうで、今では「三菱村」などと呼んでいますね。

さて、歩いてすぐの明治生命館へ。1997年に重要文化財に指定された建物ですが、やはり一帯の中でも風格が違いますね。「様式建築の名手」と言われた岡田信一郎による設計で、1934年に竣工された古典主義の威風堂々とした建物。5階分のコリント式オーダー、底部が頭部より太く微妙な膨らみのあるエンタシスの柱など、外観からも圧倒される建物です。

西口より中に入り、警備員の方に見学を申し出てエレベーターで2Fへ。順路に添って見学をします。会議室、応接室、食堂などが一般公開されています。

ふんだんに使われている大理石、チューダー朝やスパニッシュ様式の家具、天井や梁のレリーフなど、戦前の日本の財閥の富や力を感じますね。

見学後は再び仲通りで草間彌生やジム・ダインの彫刻を鑑賞したり、高級ブティックを冷やかしたりしながら、ここももうすぐ建て替えとなる帝国ホテルへ。帝国タワーは6月末でクローズになるのでこれが最後でしょう、写真展も開かれていました。

本館でライトの椅子やホテル全体の模型、ランデヴーラウンジの多田美波氏による壁画などを鑑賞、地下のブティックでもアンティークショップなどを覗いて愉しみました。

昨日の東京は雨で寒い日でしたが、今日は幸いお天気も回復して太陽も姿を現し、街歩きに理想的な気候でしたね。ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。