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第9回アンティーク検定講習・2級 =後半の部=

GWの連休中ではありましたが、アンティーク検定講習・2級の後半の部が開催されました。第3日目の講習、まずは複製芸術について。写真や版画についての講座を現役の修復家より学びます。写真の歴史は有名なニエプス、ダゲール、タルボットなどの話から、そして写真と写真製版の違いや見分け方、版画の種類、プレートマークやウォーターマークの見方…普段紙ものを見ていないと、判断も難しそうです。

やはりものを見ながら学ぶのが一番ですね。

2限目は、英語。英語で装飾美術の言い方、表現の仕方、状態の説明の仕方などを学びます。文献やカタログが読めるようになれば、この世界の知識は大きく広がります。

お昼は近くのワインバーへ。と言ってももちろん午後の授業に備えてアルコールはなしです。脳みそにエネルギーを補給するため、たっぷりのサラダとパスタをいただきました。

午後は、ジュエリーとモードの世界について。それぞれの時代でどのようなファッション、どのような宝飾品を身につけていたのか、描かれている服装からその絵画の時代がわかるようになると、また楽しいですね。

2日目・午前の1限はテーブルウェアの歴史について。中世から現代までのテーブルセッティングの変遷をざっと学びます。2限目はアール・ヌーヴォーとアール・デコについて。午後見学に行く東京都庭園美術館の建物や内装を正しく理解するためにも絶対に外せない様式です。

残念ながら雨模様となってしまいましたが、午後は監修者によるガイディング・ツアー。裏話満載で、プライベート・ガイドならではのお話もたくさん伺えました。

最後のディプロマ授与は、レストラン・デュ・パルクにて。受講者は全過程を出席し、晴れて2級のディプロマを取得されました。4日間の集中講習、お疲れ様でした。


第9回アンティーク検定講習・2級

年に2回行われていますアンティーク検定講習、2級の前半の部が3/26-27に行われました。今回の参加者は第8回で3級を講習で修了した方々で、今回の2級を無事終えれば7月の検定試験1級に挑戦できます。1級まで最短で臨める理想的なコースですね。

第1日目は、まずいきなり「鑑定アトリエ」からスタート。クリスティーズのオークションカタログに記載されているdescriptionと呼ばれる記述、これを1つ1つ紐解いていきます。オークションカタログには出品物をどのように言語化して表現しているのか…現在はIT化が進み、デジタルカタログも3Dになっていたりで、現物を見にプレビューに行けなくても出品物を自宅からネットで確かめることができます。少し前まではカラー写真入りのカタログが制作されていましたが、更に時代を遡ると文章での記述のみ。ところがその時代から現在に至るまで、鑑定士が行う記述の方法は変わっていません。つまり必要な情報を言語化して表現する、それが鑑定なのです。

鑑定というと本物か偽物かの真贋を判断する、または評価額をつける、と思われがちですが、鑑定士の仕事はそれだけではありません。

今回は、目の前に置かれたプレートとカップ&ソーサーの鑑定を行い、発表する過程でなぜそう鑑定したのかの根拠までも含めた、濃い鑑定アトリエとなりました。そして今回のお土産は20世紀中頃のスージー・クーパーのボーン・チャイナのデミタスカップ。講習会はこのように鑑定物をお土産でもらえる特典もついています。

午後は西洋美術史500年分を2時間で、という集中ゲリラのような美術史講義。西洋美術史はみなさんもちろん興味があり勉強された方も多いのですが、あらためて通史を学ぶと繋がっていなかった点と点が繋がる、そんな講義の直後に試験問題をやってみるとちゃんと解けるようになります。

2日目の午前はオンラインにて現代時事アンティーク。現代時事というと現代アートと思われがちですが、決してそうではありません。現代すなわち同時代のアートのホットな話題、そしてアートマーケットの世界を理解すること、この2つが現代時事アンティークです。アートをお金と結びつけることに嫌悪感を抱く方もいらっしゃいますが、アートといえど産業、昔からアーティストはお金を稼ぐためにパトロンである王侯貴族に仕えて居住地を変えたりしていたのですから。

そして午後の見学は、1月から東京都のまん延防止期間中にクローズしていた多くの洋館がようやくオープンしましたので、旧古河邸と庭園見学にまいりました。かのジョサイア・コンドルの設計した館、残念ながらガイドツアーはまだ行われていなかったため2階の和室は見られませんでしたが、自由見学で洋室部分をゆっくりと見ることができました。薔薇の館と言われているだけあって、薔薇の季節でないこの時期は見学者もそれほど多くなく、高低差を活かしたヨーロッパ庭園と日本庭園との見事な調和、そして満開となった桜を鑑賞することができました。

受講者のみなさま、お疲れ様でした。消化不良を起こさないように、ゆっくり復習してくださいね。


第9回アンティーク検定講習・3級

この週末はアンティーク検定講習・3級を実施いたしました。オンライン組と会場組とのハイブリッドでの実施、幸い会場での公共ネット環境も問題なく、全員がリアルタイムで参加することができました。

初日は、アンティークとは何か、アンティーク以外の古物を表す言い方はどういう意味で使われているのか、といったアンテイーク世界への入り口から入り、陶磁器、銀器、ガラスについて歴史や製法などを学びます。アンティークでは必須とも言える銀器の刻印の読み方なども、ルーペを使って解読します。

オンラインの方へは予め鑑定物をお送りしており(そしてこれらはプレゼントになります!もちろん会場の方へも)、刻印だけではなく、文様のモチーフも読み解いていきます。

2日目・午前中は建築・家具から精装飾美術の様式について、バロックからモダニズムまでを俯瞰します。ルイ14世のヴェルサイユ宮殿から、フランク・ロイド・ライトのプレーリーハウスまでを駆け足で。

そして午後の見学は、重要文化財指定の自由学園・明日館。フランク・ロイド・ライトと遠藤新の設計です。ちょうど今日は月1回の解説付見学日。コロナ前までは学芸員の方と一緒に歩いて建物を見学していましたが、コロナ以降はソーシャル・ディスタンスを必要とするため、スライドを見ながらの解説です。今回は館長自らが解説してくださり、ライトの日本滞在時の裏話から保存修理にまつわる話まで、専門家ならではの深いお話を伺うことができました。

かつての食堂であった喫茶室で美味しいパウンドケーキとお茶をいただき、ディプロマ授与となりました。オンラインの方も動画視聴でこの建築物を学んでいただき、参加者全員が全過程を修了、ディプロマを手にし、またあたらしい専門家の卵が誕生しました!

今回のご参加者のお一人は、なんと現役大学1年生!これまでアンティーク検定試験を受験する大学生や卒業間近になって講習を受講された方はいらっしゃいましたが、講習に参加された中では今回最年少です。アンティークというと、ある程度年齢を経てから興味を持つ方が多い中、小さい頃から古いものに興味があってもっと色々知りたいと思ったというSさん、アンティークの魅力をぜひ継承していただきたいと思います。

ご参加のみなさま、2日間の集中講習お疲れ様でした。そして3級認定、おめでとうございます!