「AEAOサロン倶楽部」カテゴリーアーカイブ

宮中晩餐会を知ろう!

AEAOサロン倶楽部にて、霞会館記念学習院ミュージアムで開催中の「ようこそ!華麗なる宮中晩餐会の世界へ」展を見学する会を行いました。

宮中晩餐会と言えば明治以降ずっとフランス料理が供されています、というわけでまずはフランス料理、それもフルコース(魚、肉ともいただくコース)でのミニレクチャー&懇親会です。かなり本格的なフレンチを、閑静な住宅地にある隠れ家的なお店でいただきました。

ランチですし2時間で余裕かな、と思っていましたが、評判の店だけあって店内は満席でサービスはフランス並みのゆったりさ。途中で「すみません、1時半に出たいので」とちょっと急いでいただいて、後半は肉料理の余韻も冷めぬままにデザートとコーヒーへ突入、でもどれもとても丁寧に作られていて満足度の高いクオリティでした。みなさん「絶対またここに来る!」と強い推し!

なぜ急いでいたかというと、2時より彬子女王殿下も登壇されるミュージアム講座「現在へ続く宮中晩餐会」を受講するためです。フルコースのフレンチのカロリーを消化すべく10分ほどの距離を速足で歩き、学習院創立百周年記念会館へと向かいます。私たちが到着した時間では1階はすでに満席、2階で拝聴することになりました。荷物チェックを受けて、2階の正面席を確保したところで時間です。

講演会は彬子女王殿下の「宮中晩餐会とドレスコード」でスタート、司会の方も仰っていた通り「この中で唯一宮中晩餐会にご出席されたご経験から」のお話は貴重です。続いてかつて当協会のサロンでもプライベート・ガイドでお世話になったボンボニエールの研究家・長佐古美奈子学芸員の「宮中晩餐会を歴史的に読み解く」を聴かせていただきました。明治天皇が初めて外国のお客様をもてなした宮中晩餐会において後ほど英国からクレームとなったことから、国際プロトコルを学び西洋化を取り入れていく歴史を服装と食事の両面から詳しく学びました。

ここで休憩となり、ミュージアムへ見学に行く組と、引き続き講演会を拝聴する組に分かれます。講演会は館長と東京都埋蔵文化財センターの長佐古真也氏との対談「やきものから見た近代―白と金の織りなす世界」、西洋における正餐食器の意匠、宮中晩餐会の洋食器の意匠のルーツなどのご説明をいただきました。例えばセーヴルのアンピール様式の意匠が日本の洋食器にどう表現されているか、比べてみると実に面白いことがいろいろ分かりますね。

通常は17時閉館のミュージアムも、今日だけは18時までに延長開館で、講演会終了後にミュージアムへ。写真が撮れるのはこの一角だけですが、白と金、格調高さや品位を感じるディナーセット。

館内は彬子女王のイブニング・ドレス、ボンボニエールの数々、有栖川宮家・高松宮家正餐用洋食器の数々が、所狭しと展示されていました。イブニング・ドレスは会期中何度か展示替えがあるようですので、何回か訪れたいものです。

もう日の暮れも早くなり、ミュージアムを出たころは夕方に。あらためて前川國男のコンクリート建築である外観を眺めます。ここはかつて大学図書館だった建物です。現ミュージアムがリニューアルオープンする前は、この木造建築が学習院大学史料館として使われていましたね。

ご参加いただいたみなさま、丸一日お疲れ様でした!

秋の遠足は牛久シャトーへ

今日は牛久シャトーへの遠足でした。

東京はもう30日以上毎日雨、しかも台風が上陸とあってどうなるか冷や冷やしていたのですが、幸い今日は朝から晴れ、そして茨城県牛久市も晴天です!

常磐線からの徒歩組と現地へ直接車で向かう組が落ち合い、レストランの予約時間まで、先にシャトーを見学することにしました。

実業家の神谷傳兵衛が1903年(明治36年)に開設した日本初の本格的なワイン醸造場で、2020年に「日本遺産(Japan Heritage)」に認定されています。

赤レンガ造りの「事務室(本館)」「醗酵室」「貯蔵庫」の3棟は、明治中期の貴重な近代化遺産として国指定重要文化財に指定されています。本館は残念ながらアクセスできませんが、醗酵室は見学可能、1階は巨大なワイン樽が並び、2階の展示室では当時使われていた醸造用の機械や歴史資料が展示、そして地下は…こんな感じ。

貯蔵庫が現在のレストラン(牛久シャトーレストラン)となっています。ランチはもちろんこのレストランにて、フレンチのコースを。天井の高い素敵な空間でいただくフレンチ、とても美味しかったです。

ショップでもついついあれこれ買い込んでしまいましたよ!

江戸東京博物館リニューアル記念特別展へ

AEAOサロン倶楽部7月の会にて、2022年より老朽化で休館していた江戸東京博物館のリニューアルオープン特別展「洋館 明治の夢と挑戦」展へ行ってきました。

結構新しい美術館、のように思っていましたが1993年開館ですから、30年近く経てば老朽化も致し方なし、ですね。かつての薄い記憶しかないのですが、リニューアルされた館はインバウンドを意識してか、鳥居をモチーフとした24本の連続するモニュメンタルなオブジェなどがあらたに出来ていました。

昨年のAEAOサロン倶楽部で江戸東京たてもの園を訪れたのですが、あちらは組織的には、この江戸東京博物館の別館なのです。

本館のリニューアルオープン特別展「洋館 明治の夢と挑戦」展は、明治時代の建築史が凝縮されており、擬洋風建築からコンドルらお雇い外国人による建築物、そしていよいよ工部大学卒の日本人エリート建築家である片山東熊、辰野金吾らの時代へと進んでいくその過程を錦絵やドローイング、写真、絵葉書等の資料だけでなく、現物の建築材の一部、そして室内装飾を飾った豪奢な家具などの展示がされています。

現存していて、実際に訪れることのできる迎賓館・赤坂離宮や旧岩崎邸などもありますが、残っていないかつての延遼館や鹿鳴館、明治宮殿はどんな建物でどんな内装だったのだろうと想像しながら、明治の夢の洋館の世界に没入することができます。

こちらの展覧会はインバウンド的ではなかったのか、鑑賞者はほぼ日本人、それも今回は予め暑さを避けて閉館間際の時間からとしたためかチケット売り場も展覧会場も空いていて、ゆっくり楽しむことができました。

鑑賞後は、近くのヴェトナム・レストランへ。昨年の海外研修旅行でも訪れたベトナムの街ホイアンですが、その名前のレストランにてコース料理をいただきながらの懇親会。暑い夏にエスニック、それも野菜が多くて辛くないというベトナム料理はぴったりでした!

8月のAEAOサロン倶楽部はお休みですが、また9月より様々なところへお出かけしていきたいと思います。ご参加お待ちしています。

心惹かれるチャイナドレス展へ

6月、すでに2回目のAEAOサロン倶楽部では前回のイスラム美術に続き、1930年代の上海モダンガールの象徴、チャイナドレスの展覧会へ足を運びました。

東京の文京区後楽に日中友好会館という、戦前に旧満州国日本留学生寮だった建物があります。その中に1988年にオープンしたのが日中友好会館美術館、中国の伝統工芸から現代アートまで様々な展覧会を開催しているのですが、今回の特別企画展『心惹かれるチャイナドレス展』は、19世紀末から1940年代までのファッションを、特に国際モダン都市・上海を中心に西洋モードから影響を受けて移行していく過程がうかがえる展示です。

この会館内にも美味しそうな中華レストランがあるのですが、今回の懇親会ランチは飯田橋・神楽坂エリアで見つけた、フレンチのようなシックなチャイニーズ、結華楼さんの個室にて。ふかひれのスープ、北京ダック、抹茶小籠包、エビのオーロラソース、トマト冷麺などしっかりコース料理でいただきました。トマト冷麺など、ほぼイタリアンのプリモ・ピアットに出てくるカッペリーニ・ポモドーロのようなお味。

あいにくの雨でしたが、神楽坂通りから歩いて日中友好会館美術館へ。飯田橋から行くとあの不便な陸橋でしか行けない立地にあるのが玉に瑕ですが、そこまで知名度があるとは思えない美術館なのに、展覧会場は結構な人でにぎわっています。そろそろ会期終了間際であるのと、メディアの評判も上々なのか、雨の中の平日午後にして多くの鑑賞者であふれていました。

私たちが「チャイナドレス」と呼んでいるものは、1930年代の上海で誕生したもの。そのルーツとなるものが清王朝・満州民族の旗袍(チーパオ)と言う伝統ファッションであり、やがて上下セパレートのものからワンピース型のドレスへと変遷していく過程で女性の地位向上や美意識の変化が生まれ、そこに国際様式、アール・デコが入り込み立体裁断が生まれ、また新たな素材革命が起き…とたった40年くらいの間に大きく変わったチャイナファッションの歴史をじっくりと深掘りすることができました。

纏足の靴や手刺繍の小物類の展示もあり、そう広くない会場がぎっしり20世紀初頭のチャイナドレスコレクションで彩られていて、とても充実した展覧会でした。

飯田橋駅まで戻り、ちょっと疲れたのでお茶でも、ということでGODIVAカフェへ。上質なチョコレートが雨のうっとうしさを癒してくれますね。

夏のAEAOサロン倶楽部、絶賛プログラム思案中です。もう少々お待ちくださいね。

東京ジャーミー、東洋一美しいモスクに身を置いて

AEAOサロン倶楽部「イスラム美術と東洋一美しいモスク」にて、代々木上原にある東京ジャーミーの見学ツアーに参加しました。ジャーミー(Camii)とは、人の集まる場所を意味するアラビア語が起源の「大規模なモスク」を意味するトルコ語だそうです。

イスラム美術は現在私たちが学んでいる西洋アンティークのルーツともなっている多くの要素を含んでいます。ヴェネチアのガラスもイスラムから入ってきましたし、カリグラフィー、幾何学模様、植物模様…多くの装飾の共通項目があります。今や渡航制限もあり、イマーム・モスクやピンクモスクを見になかなか行けないご時世ですが、東京には実は東洋一美しいとされるモスクがあるのです!

日曜日のお昼、まずは懇親会と称してイタリアンのランチをいただきます。ここ代々木上原はグルメなお店の激戦区、民家のようなところにも知る人ぞ知る名店が隠れていてお店選びも迷ったのですが、今日はランチ後そのまま通り沿いに歩いて東京ジャーミーに辿り着ける立地にあるお店、La Stella Polareを選んでみました。北極星という意味のイタリア語ですね。5階のフロアからすでにミナレット(尖塔)が見えています。

冷製スープ、前菜、パスタにフォカッチャ、ドルチェとフルコースながらも上品な量でどれも美味しくいただいた後、東京ジャーミーへと向かいます。

14時半からのガイドツアーをめがけて早めにやって来たのですが、時間になるとどんどん人が膨れ上がってきました。

この地にモスクが建てられたのははるか昔、ロシア革命時にまで遡ります。当時ロシアに住んでいたトルコ系イスラム教徒がシベリアを経て日本へ移住、この辺りに住み着いて礼拝堂を建設したのが1938年、その初代礼拝堂が老朽化のため1986年に解体されます。その同じ場所に再建されたのが現在のこのモスク、躯体は鹿島建設ですが、大理石やセラミックの資材はトルコから輸入、工芸職人、技術者もトルコから来日して2000年に完成したのが、この東洋一美しいとされるオスマン様式のモスクだということでした。

その装飾の特徴(チューリップやカーネーションの由来、コーランの一節であるカリグラフィー)や、扉の向いている方角(メッカ)、1日5回のお祈りは何を意味するのか、コーランの役目は何か…そんなイスラム教の初歩的な解説を1時間たっぷりかけてユーモアを交えて語っていただいた後、いよいよ礼拝堂へ上がります。外観をより近づいて見られる位置から、「鳥の宮殿」と呼ばれる人口の巣箱の彫刻なども鑑賞できました。お隣のトルコ文化センターの建築についてのレクチャーなども受けたところで、いよいよ聖堂内へ、靴を脱いでスカーフをかぶって入ります。もう入った瞬間に美しいステンドグラスとドームの幾何学模様が目に飛び込んできます。どこを見ても美しい、鮮やかな、それでいて静謐な装飾。

ちょうどお祈りの時間が始まりました。なぜ横に一列に並ぶのか、女性と男性で場所が違う理由、今はどんな内容なのか、なぜここで一部の人たちは帰るのか…ただモスク内に入っても絶対にわからないであろう細かなしぐさの意味などもガイドの方が解説してくださいます。そして、女性だけが上がれる女性専用の礼拝場所へも急こう配な螺旋階段を上って行ってみました。女性専用のこの場所のほうがより天井のドームやステンドグラスに近く、シャンデリアも至近距離で見ることができます。

充実した見学ツアーでしたが、ちょうど早稲田大学の調査研究グループの学生さんが一緒で、私たちの仲間の一人・中山久美子先生がインタビューされることに!彼女も早稲田大学大学院の卒業生なので、偶然とはいえ最適解な人物を選んでいるところもアラーの神の力!?

そして最後に館内にあるハラールマーケットへ!トルコのバザールでよく目にしたようなお土産から、バクラヴァなどのアラブ菓子、チーズケーキ、くるみケーキ、その他乾物でなかなか普通に売っていないような食品や香辛料などあって大盛況、もちろん私たちもあれこれ買いましたとも!

また近くに来たらぜひ訪れてみたい場所が1つ増えました。ご参加いただいたみなさまもお疲れ様でした。