日別アーカイブ: 2020年9月21日

ウィズコロナの時代、第6回アンティーク検定講習

8月末〜9月にかけて、第6回アンティーク検定講習が行われました。今回はコロナ禍の下、少人数とはいえ集まって行う講習会の実施時期に関して迷いましたが、講習会場である東京芸術劇場が感染対策を万全にして施設を再開していることもあり、通常の会場定員数を半数にして行うことにしました。また希望であればオンラインでのご参加もOKとたところ、3級、2級ともオンラインでのご参加申し込みもあり、初のハイブリッド方式の試みです。地方在住の方々にとっては、この状況下で上京をためらわれる傾向にあったかと思いますが、オンラインでの参加という新しい形で実現することができました。

3級は「アンティークがはじめて」という、興味はあるけれどどうやって学んだらよいのだろうという方向けです。「西洋骨董鑑定の教科書」を買い、独学で勉強をして試験を受けて級を取ることもできますが、敢えて講習を受講する方には、すでに興味の方向は定まっているが多視点から学んでみたいという傾向があり、実際今回の受講者の方々にも、すでにアンティーク関係のビジネスをされている方が何名かいらっしゃいました。

2級は4日間の受講で多くの知識を入れ込み、また実際に物を鑑定できるレベルまでの講習です。大学などの授業では1年30週かけて学ぶ西洋美術史をたった2時間で詰め込み、外国語でdescriptionという、オークションカタログに記載されているエントリーを書く練習、また装飾美術の範囲も家具・工芸品だけでなくモード、ジュエリー、さらにはあまり馴染みのない写真や建築、そして現代アート展までもを網羅します。実地見学も含まれ集中研修旅行のような様相でもありますが、目的はあくまで「装飾美術工芸を楽しむこと」、参加者のみなさんと楽しく交流をしながら行いました。

今回の実地見学は、3級ではアール・デコ建築の東京都庭園美術館、2級ではアダム・スタイルの影響を取り入れた鳩山会館(旧鳩山一郎邸)と、ネオ・バロック様式の見られる迎賓館・赤坂離宮にて。日本における明治以降の様式美建築を訪ねながら、今はしばし訪問できないヨーロッパの様式を学ぶというウィズコロナ時代の講習でした。

次回のアンティーク検定講習は2021年1〜2月を予定しています。