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アカデメイア「宝飾品 ~肖像画の中にみるジュエリー~」がスタート!

G.I.A.G.G.の資格をもつ目黒佐枝先生によるジュエリーのアカデメイアがスタートしました。先月のAEAOサロン倶楽部ではジュエリーの原石を見て鑑別の方法などを学ぶアトリエが大好評でしたが、このアカデメイアでは更に1つ1つのジュエリーを掘り下げ、またジュエリーを歴史的に紐解いていく、奥の深い講座です。

第1回は、真珠。多くの人がご存知のように現在の主流は養殖真珠、これは1893年にMIKIMOTOの創業者・御木本幸吉氏が世界で初めて真珠の養殖に成功したことによります。そう考えると、それ以前の真珠はすべてアンティークの、つまり天然真珠だろうと考えるわけですが、どうやらそうでもなさそうです。

この肖像画を見てみましょう。17世紀に活躍した書簡家・セヴィニエ公爵夫人の肖像画です。書簡家というタイトルは、最終的に彼女が娘さんに多くの手紙(1500通にも達したそうです)を書き、最終的に残されたこれらの手紙が当時の貴族社会を知る貴重な資料となっていくことから後に付けられた職業名でしょう。

このネックレスとイヤリングの真珠、これは本当に天然真珠なのでしょうか。目黒先生のお話は謎解き形式で始まります。天然真珠の産地はどこか、当時どのようなルートでヨーロッパに入ってきたのか、この肖像画に描かれている真珠の粒のサイズはどのくらいか、当時の物価を今のレートに計算すると、この真珠のジュエリーはいくらくらいと想定されるか・・・そんな中で、模造真珠という人造真珠が17世紀に存在していたというお話に入ります。

この有名なフェルメールの絵画に描かれているイヤリングは模造真珠だろうとされています。

そして当時のやんごとなき階級の人々のジュエリー事情において、本物の天然真珠と模造真珠は両方所有していたらしいこともわかってきます。

さて、結論は・・・!?

講座ではなかなか手に入らないG.I.A.の画像もふんだんに見せていただき、また17世紀半ばから作られていた模造真珠に関する図版など、実に多岐にわたる資料を元に、真珠に関してのレクチャーをいただきました。

次回はいよいよジュエリーの王者、ダイヤモンドの世界に入ります!

今回のアカデメイアを逃した方、以降はオンデマンドの受講が可能ですので是非この貴重な授業のお申し込みをお待ちしています。


60分で紐解く絵画 『19世紀末アール・ヌーヴォーの時代の絵画 』スタート!

1時間シリーズで行っている本協会主催講座のアカデメイアですが、今月より「60分で紐解く絵画」がスタートしました。第一部はアール・ヌーヴォー時代の絵画に焦点を当てて5回コースで行います。

アール・ヌーヴォーといえば、1900年パリ万博を頂点とした装飾工芸、ラリックのジュエリーやガレのガラス作品を思い浮かべますが、当然絵画も存在していました。ただ「アール・ヌーヴォー派」とは言わずに、印象派、象徴主義、ナビ派…などと美術史の呼ばれ方で括られています。

今回はそれらの絵画を「アール・ヌーヴォー時代」という1900年前後に区切って、一作家ずつ深く見ていく贅沢なコースです。

スタートを切るのは、トゥールーズ・ロートレック。ポスター画家として有名ですが、素晴らしい油彩画も多く残っています。彼の短い36年の生涯、自分の身体的ハンディギャップとの闘い、世紀末のパリ・モンマルトルの風俗、踊り子の描き方、ジャポニスムからの影響、動きを表現する基礎はいつどこで身に着けたのか…コンプリートなロートレックのお話を、中山久美子先生より伺いました。

次回は「平らな画面はなぜ生まれたか(エドゥアール・ヴュイヤール《ベッドにて》)」です。楽しみですね!

こちらよりお申込みいただけます。


ガウディの家具を見てガウディを考える

アカデメイア「60分で紐解くアンティークの名品」第2部の最後の回は、ガウディの家具について行いました。ガウディと言えば誰もが知っている「サグラダ・ファミリア」、完成までに300年かかると言われていた教会建築ですがどうやら2026年には完成予定とのこと、現在生きている人たちの多くが生きている間に完成を見届けることができそうです!

世紀末〜20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの至るところで新しい芸術の兆しが起こりました。総称してアール・ヌーヴォーと呼んでいますが厳密にはこの呼称はスペイン・ベルギーのフランス語圏での表現であり、ガウディが活躍したスペインではモデルニスモ、しかもモデルニスモはバルセロナを中心とするカタルーニャ地域で興っていましたので、カタルーニャ語で「ムダルニズマ」と呼ばれています。このムダルニズマを代表する建築家がガウディであり、そしてガウディは建築だけでなく室内装飾・インテリアのデザイナーでもあったので、ガウディのデザインした椅子をはじめとする家具が残されています。

カルヴェ邸のためにデザインしたアームチェア

ガウディの生き様、求めたもの、当時のバルセロナの社会・経済背景、街づくりの計画、いろいろな視点でガウディを眺めてみました。

ちょうどこの今、バルセロナのカタルーニャ美術館でガウディを再考する展覧会が開催されています。3月までですので、なかなか行く機会もないかもしれませんが、その後この展覧会はパリのオルセー美術館へ巡回します。

今回にて「60分で紐解くシリーズ」第2部は終了、来月からは「60分で紐解く絵画」シリーズがスタートします。お申し込みをお待ちしています。