AEAOサロン倶楽部・10月の会は「旧安田楠雄邸庭園見学と谷根千さんぽ」

昨今「谷根千」がちょっとしたそぞろ歩きブームになっていますが、大規模開発も受けず、戦災の被害もあまり受けなかったこの地域での古き佳き街並みのレトロ感が、今の私たちの感覚を刺激してくれるのでしょうか。

そんな谷根千の一部、千駄木界隈はかつて財閥を成した企業家や学者など文化人が多く住んでおり、大きな屋敷を構えていた人たちもいました。その屋敷の一つが旧安田楠雄邸です。今日はこの屋敷をガイド付きで見学をしました。

まずは当サロンの醍醐味でランチ&懇親会を谷根千のトラディショナル・フレンチレストラン「ル ブォータン」にて。15年続く老舗のレストランだそうです。ちょっとゴミゴミしている谷根千界隈では珍しくゆったりとした空間でのお店、お料理もお店のコンセプト通り「胃にもたれない、カラダに優しい料理」でした。

予めお願いして90分でコース料理を出していただき、お店から歩いて10分ほどの旧安田邸へ。途中で狸坂という名のマニュアル自転車では難しそうな坂などもありましたが、そこは食後の消化散歩にはよいコース、みなさんスイスイと歩いて到着。

今日はガイドさんによる解説付きで邸内を見学させていただきました。元々1919年(大正8年)に実業家・藤田好三郎により建てられたこの和風建築のお屋敷、その後の関東大震災にも耐えたのですが藤田氏が別の屋敷を建てたことにより売却、それを買い取ったのが安田財閥の初代安田善四郎氏でした。たまたま元の自宅が関東大震災で消失し、この屋敷を居抜きで入居したそうです。その後代々住み続けていたのですが、2代善四郎氏の長男楠雄氏が他界後の1995年、相続税のため日本ナショナルトラストに屋敷を寄贈、現在では東京都名勝に指定されています。

ここはその唯一の洋風の応接間、照明や家具もオリジナルで残されています。

ガラスも大正時代のまま、歪みや気泡が見られるのも古き良きものの魅力。

この見事なお庭!それぞれの部屋から異なった見え方をする素晴らしいお庭です。

そして今日はたまたま月2回開催されている、「旧安田楠雄邸で聴く 蓄音機の音色」の鑑賞会の日でもあり、見学後に当時の蓄音機でSPレコードによるオペラのアリアなどの鑑賞会にも参加しました。

屋敷を後にし、近くにある島薗家住宅の外観など山手の豪奢なお屋敷を見ながら、江戸時代の加賀藩の支藩の大聖寺藩(十万石)の屋敷跡である須藤公園の須藤の滝などを眺め、谷中銀座へ。

さきほど歩いていた上品で静かな山手エリアから打って変わってこちらはすごい人、人、人だかたりで活気が溢れていました。若い人たち、外国人観光客で賑わっていて、流行りのスイーツや面白い工芸品などを売るお店も。

ここは残念ながら時間切れ。

夕やけだんだんを登り、スカイツリーも眺められる高台にある日暮里駅に到着、今日はここで解散となりました。

たくさん歩いて健康的な1日でしたね。

次回11月のサロンは「渋沢栄一の暮らした大正のお屋敷とフレンチのランチ」です。お屋敷巡りはまだまだ続きます!