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アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」の総仕上げは、旧前田侯爵邸への実地見学

1月からシリーズで行われていたアカデメイア・オンライン講座「イギリスのマナーハウスと過ごし方」、総仕上げの最終回は旧前田侯爵邸にて実地見学を行いました。

まずは懇親会を兼ねてのランチでスタート。閑静な住宅街に佇むシックなフレンチ・レストラン『ル・ボークープ』にてコース料理を頂きます。地場のお野菜をふんだんに使っていて、どのお料理も美味しい上にテーブルウェアも素敵で、とても優雅なランチタイムでした。

レストランから歩いて7~8分、いよいよ旧前田侯爵邸が見えてきました。前田利為候は駐英大使館附武官としての経験もあり、イギリスのカントリー・ハウスもよく訪れていたと言いますから、やはりイギリスの建物の様式や装飾の影響がこの私邸にも見られます。

建物の外観を見ながら、青山櫻先生のレクチャーで建物の様式や特徴を復習し、青山先生ならではの視点「前田侯爵邸とダウントン・アビーのハイクレア城の対比」などを画像と共に頭に入れ、いよいよ内部へ。ちょうどタイミングよく館内ガイドさんが案内してくださるということになり、ガイドさんと共に内部を回ることができました。

戦前の華族の生活は使用人なしには成り立たない、上流の人々と庶民の暮らしの格差、そして加賀藩前田家の並外れた財力をあらためて見せつけられる館でした。

最後に、前田家が迎賓館として外国からの賓客を迎えていたという和館も見学、ここから見える庭の素晴らしさに当時のお客様も満足されたことでしょう。

お天気も良く、良い散歩日和の一日でした。ご参加のみなさま、青山先生、お疲れ様でした。

イギリス貴族とタウンハウスのおはなし

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」第3回は、青山櫻先生より「タウンハウスと社交 〜その役割と都会での生活〜」のテーマについて解説いただきました。

少しイギリス文化を齧ったことがある人ならだれでも知っている、「カントリーハウスは貴族の領地の本邸、タウンハウスはロンドンの別邸」ですが、ロンドンがなぜセカンドハウスなのか…それは、議会政治と関係があるというお話から始まります。

イギリスの爵位がいつどこから始まったのか、現在公・候・伯・子・男はそれぞれ何家くらいあるのか、そして王家との関わりや役割は何か、一代貴族と呼ばれる騎士の称号とは、と王室や貴族のヒエラルヒーについて学びます。紅茶のアール・グレイとはグレイ伯爵という意味ですが、伯爵の好んだ茶葉がそのまま品名になりましたね。

イギリスの貴族は貴族院の議員ですので、議会が開催されている間、各領地の貴族たちはロンドンに住む必要があります。その際単身赴任ではなく、奥様やお子様、使用人なども一緒に連れて来て、社交を愉しむ、というより義務として社交をします。舞踏会、観劇、お茶会、競馬…そんな社交の場で、それぞれドレスコード、マナーコードが作り上げられていくのですね。

こちらはかつてのスペンサー家のタウンハウスですが、現在はロスチャイルド家が管理をしており、週末だけ一般公開されているようです。インテリアを見るとロスチャイルド色が表れていますね。

セカンドハウスとはいえ、ロンドンのタウンハウスを庭も含めて維持していくのは大変なもので、やがてタウンハウスを共有で持ちましょうというアイデアからクラブハウスというシステムが生まれます。会員制社交クラブであり、ほとんどが男性専用のジェントルメンズ・クラブですが、中には女性も可のところや女性専用のクラブハウスもあるようです。そして、基本は泊まれる宿泊施設となっているのだとか。ホテルではなくこんなところに泊まってみるのもイギリスの貴族になった気分が味わえますね。

3回の座学講座を通して学んだイギリスの建築、その集大成として来月は実地見学会です。残念ながらイギリスに行くには遠すぎますので、旧前田侯爵邸本邸洋館を訪れたいと思います。オンライン講座・オンデマンド講座でご受講いただいたみなさまと、リアル懇親会を楽しみにしています!

「ジョージアンのマナーハウス」のヴァーチャルツアー!

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」(青山櫻先生)第2回目は、ジョージアンのマナーハウスについて学びました。「マナー」とはお作法のマナーではなく、manor = 荘園という意味で、元々は領主の屋敷だったところです。

マナーハウス、アビー、プライオリ、キャッスル、ホール、パレス等々さまざまな名前が付いている建物の違いやカントリーハウスとタウンハウスのなどのイギリス独特の表現や、建物だけでなく庭や噴水なども含めた構成を、有名な建築デザイナーの紹介とともに解説いただきました。規模を知るにはやはり東京ドームを基準にして「何個分」という比喩を使うのですが、「ここは東京ドーム〇〇個分です」と、維持管理が如何に大変かが想像できる屋敷がイギリスには散らばっています。

イギリスは領土的には小さな島国で日本の3分の2くらいの国土面積しかないのですがこのようなかつてのマナーハウスが多く残っており、青山先生によると「貴族であろうと相続税は普通に課税されるため、映画撮影に貸し出したり博物館にしたりと、その費用を捻出するのも大変」なんだそうです。

そんな説明を一通りいただいた後、映画「ダウントンアビー」に登場するハイクレア城の内部について、詳しいご紹介をいただきました。実際に訪れ城内でディナーをされたという体験を、建築や家具、テーブルウェアに至るまでつぶさに観察いただき、マナー(作法)の視点やアンティークの視点を解説してくださいました。

イーストナー城の内部もビデオと共に見せていただき、「イギリスのお城」と一口に言っても本当に様式から成り立ち、現在の活用方法もさまざまだということを知った講座でした。

次回はタウンハウスについて学びます。カントリーが本宅、タウンが別荘扱いというイギリスならではの愉しい視点ですね。

新アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」がスタート

2026年1月より、新アカデメイアが始まりました。イギリスの建築を3回で学び、そして4回目に旧前田侯爵邸を見学するというシリーズ、講師は前アカデメイアに引き続き認定スペシャリストの青山櫻先生です。

第1回目はロンドンの建築物を見ながら、イギリスの建築様式について学びました。一般的な様式名「バロック様式」「新古典様式」ではなく、建築特有の様式の名称があります。その中でもイギリスに特化した呼び方、たとえば「チューダー様式」「ジャコビアン様式」「パラディアン様式」といった様式名、実際にどのような建造物がこれらに当たるのか、同時代のものとリヴァイヴァルのもの、それぞれの様式が生まれた歴史的背景や特徴などを教わりました。

よくヨーロッパの古い建物で窓が潰されている建物を見たことがありますよね。これは住宅の窓の数に応じて課される固定資産税の一種で、イギリスで最初にできたようです。そして窓を潰してしまったことにより部屋が暗くなると、今度は部屋を明るくするためにミラーを家具に取り付けるようになります。アンティークの家具で、下部にミラーがついているのはそういう事情があったのですね。

ノルマン様式から戦後のモダン様式まで1000年の建築を俯瞰した後は、最初に見たロンドンのアイコン的な建物の様式おさらい。みなさん消化できたようで、正解続出でしたね。

次回はマナーハウスについて、その構造やマナーハウスのマナーについても教えていただきます。本アカデメイア、オンデマンドでもご受講いただけます。

実地研修「アフタヌーン・ティー」はベリーズティールームにて

9月より行いましたアカデメイア「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、総集編の第4回はいよいよ実地研修です。今回は浜田山にあるベリーズティールームさんの個室を予約、こちらで行わせていただきました。

井の頭線・浜田山の駅からすぐの場所、可愛らしい入口もあまりに街並みに溶け込んでいて、見落としてしまいそう。

2階に上がると、そこは英国のティールーム! みなさん上がって来られると「わぁ、素敵」と、どこもかしこも写真に収めたくなってしまう可愛らしいインテリアです。

青山先生も登場し、12時スタートにていただきます。まずは楽しい紅茶選びから。こちらのお店に詳しい青山先生より、それぞれの紅茶の特徴などを説明いただき、迷って迷ってのチョイス。英国と言えばアガサ・クリスティが好んだと言われる「ラプサンスーチョン」もありました。ポワロが飲んでいるシーンもありましたね。燻製の香りが正露丸臭い、などと言う人もいますが、ヨーロッパでは高貴な人たちに好まれるという話に、敢えてこれを選んでみた方たちも。

今回の主旨は、ただアフタヌーン・ティーを楽しくいただく、だけではありません。これまでに学んだ歴史をベースに、現代のアフタヌーン・ティーの事情が世界的にどうなってきているのか、なぜ3段トレイが出てくるのか、カトラリーはどう使うのか、カップの持ち方はどうなっているのか…これまで勝手に思い込んでいたことの誤解、丁寧な所作だと思っていたことの誤解、その他疑問に思っていたこと、聞けなかったことなどを青山先生が解き明かしてくださいます。

「スコーンナイフでスコーンを半分に切る、と思っている方が多いのですが、元々スコーンは手で割るんです、そして奇麗に割れるように作られているんですよ」とスコーンを半分に割る実践まで。全員ちゃんと出来ましたよ!

クリームが先かジャムが先か論争、ミルクを入れるのか入れないのか論争、ハイテーブルでなくローテーブルでいただく場合のマナー、紅茶ポットの扱い方、と話題は尽きませんが、そもそもアフタヌーン・ティー自体がベッド脇でちょっとお腹が空いたのでお菓子をつまんじゃおう、というカジュアルな行為から始まっただけに、堅苦しいマナーではないのですね。背筋を伸ばしてカトラリーを両手で駆使して、というものではなく、気軽に手でつまんで、というアットホームさだったものが広がっていくと、ちょっとうんちくを言いたくなる人たちが出てきて、という発展なのでしょうか。

青山先生も「最初にセイボリーをいただくのは基本ですが、その後甘い物ばかりが続くので、予め少ししょっぱいものを残して途中でお口直しを、いうのも手ですね。これを絶対にしてはダメというマナーの先生もいらっしゃいますが…」と、みなさんやはり味変しながら楽しみたくなりますよね。

日本ではアフタヌーン・ティーのブームがここ何年か続いていますが、それぞれのところが季節ごとにテーマを設定して、そのテーマにちなんだフーズやペイストリーを出すところが増えています。今回のこちらのアフタヌーン・ティーのテーマはハロウィンでした。

2時間たっぷりかけてレクチャーと共にいただいたアフタヌーン・ティー、最後にはこちらのお店で紅茶やスコーン、クランペットなどのお買い物も楽しみました。

お店を出ると外はちょっと小雨になっていましたが、急に寒くなったこの季節、美味しい紅茶とティーフーズで胃も心も温かくなりましたね。