投稿者「antique-kentei」のアーカイブ

アカデメイア・読書会『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』新約聖書第3回

今日のアカデメイアは2か月ぶりのZoomの講座でした。先月は実地研修ということで神田教会に出かけたのですが、そこで目にしたステンドグラスに描かれている世界は、まさにこの聖書の中のストーリー。聖書を制すると絵画が読める、というわけですね。

まずは前回のおさらい。受胎告知からイエスが誕生し、エジプトに逃れ、予言を受けるところまでをざっと復習。

そして今日のテーマ、博士たちとの議論、キリストの洗礼、キリストの誘惑、奇跡の漁り、キリストの変容、キリストの奇跡へと辿りました。

聖書を題材とした絵画はオールドマスターズだけかと思いきや、実は19世紀でも20世紀でも描かれているのですね。

ゴッホ『ラザロの復活』ー さてキリストはどこに描かれている!?

そしてルネサンスの画家もバロックの画家も、同時代の人々をそのまま登場させていたりして、現実と聖書が混じり合ったような絵画が描かれている、そんな絵を見ていくと敷居が高いように感じられた宗教画も実は身近なところにあったんだ、と感じられますね。

「カルティエと日本 半世紀のあゆみ 結MUSUBI展と奏楽堂」 – 6月のAEAOサロン倶楽部

AEAOサロン倶楽部・6月の会は久しぶりの上野にて、東京国立博物館・表慶館で開催されている展覧会鑑賞と奏楽堂の見学を行いました。今日は朝から大雨、しかも一日中降り続くという6月ならではのお天気、こんな日は人出も少ないのではないか、とポジティブ・シンキングで臨みました。

まずはランチ懇親会&ミニレクチャーをビストロ洋食屋さん「遠山」にて。気取らない日本の洋食をモダンスタイルでというので評判のお店なのですが、確かにフレンチテイストがしっかり。茶碗蒸し風のスープなど絶品でした。名物の「特選デミグラスハンバーグ」も美味しそうでした。

フルコースでお料理をいただいた後、雨の中をまずは旧東京音楽学校奏楽堂へ。日本最古の音楽ホールで、現在では重要文化財として上野公園内へ移築されています。明治の建築で桟瓦葺の木造2階建て、木造の洋館建築は旧岩崎邸を彷彿させます。

ホールの見学はできるのですがリハーサル中は撮影禁止、でもスタッフさんより「今ちょうどリハーサルの休憩中のようですよ」と情報をいただき、グッドタイミングだったようでまず2階のホールへ。パイプオルガンの美しさ、ホール全体のぬくもり感、シャンデリア、カーテンやタッセル、天井装飾などすべてが魅力的です。1階は資料展示室として公開されていました。外には小学校の音楽の授業で習った滝廉太郎の銅像が設置されています(朝倉文夫作)。

そして東京国立博物館、通称トーハクの表慶館へ。この西洋建築・表慶館は特別な展覧会開催中しか内部を公開していないのですが、やはり圧倒される建物です。コンドルの弟子であり宮内省の建築家・片山東熊によって設計されたもので、迎賓館・赤坂離宮とほぼ同時期の建築物。この中で『カルティエと日本 半世紀のあゆみ 結MUSUBI展』が開催されており、カルティエのジュエリーや装飾品、そしてパリ14区にあるカルティエ現代美術財団での展覧会や日本で過去に行われたカルティエ展を追うような展示構成になっていました。

見学後は公式には終了・解散となりましたが、有志の方々で応挙館に昨年オープンしたTOHAKU茶館へ。予約はできない、午後3時以降はいつもほぼ満席、と聞いていたので入れないかもしれないけれど建物だけでも、と雨の中を向かったところお天気のせいかすんなり6名入れました!私たち以外は全員外国の方のようで、恐らく日本人よりも情報をキャッチしているのでしょうね、絵になる「和」の茶館、私たち日本人も「畳ってもう触れる機会が滅多にないのよね~」とまったり。水出し玉露、美味しかったです。

アカデメイア『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』教会見学と東京美術倶楽部

今日は現在開催中のアカデメイアの教会見学の日でした。見学地は千代田区西神田にあるカトリック神田教会、聖フランシスコ・ザビエル聖堂を見学し、聖堂内のしつらえについて学ぶべく実際に訪れてみるという実施講座です。

当初の予定はカフェでレクチャー+見学でしたが、前座として参加者一同でランチ。神保町といえばカレーですが、古書店街から少し離れた界隈で美味しそうなスープカレーのお店を見つけ前日に予約、ここはカスタマイズがすべてにおいて(辛さ、スープの味、ご飯の量、トッピング…)できるシステムで、それぞれ自由に選んでみました。といっても初心者の「微辛」を選んだ人が多かったですね。野菜たっぷりのスープカレー、なんだか健康食のような気がしてきました!?

ランチ後のカフェではレクチャーと共に持ち寄った銀器の刻印鑑定会や7月に行われる国内研修の話などにも花が咲き、お腹もお喋りも満たしたところでいよいよ神田教会へ。

日本で最初に聖フランシスコ・ザビエルに捧げられたこの教会は1874年(明治7年)の創設です。歴史を感じますね。明治29年に建立された聖堂は関東大震災で失われましたが1928年(昭和3年)に再建、現在では登録有形文化財に登録されています。

当然ながら教会内部の写真撮影はできませんが、美しいステンドグラスの窓はしっかり目に焼き付けることができました。中山久美子先生の資料はステンドグラスの場面の解説付きですので、資料を見ながらさまざまな聖書のシーンを追っていきます。アダムとエヴァの楽園追放、マギの礼拝、受胎告知、イエスの埋葬、最後の晩餐…かつて聖書を「読めない」人々にもお話がわかるようにステンドグラスにおはなしを描いていたということがよくわかります。

その後、みなさんで東京美術倶楽部にて開催中の「工+藝 KO plus GEI 2024」展を見に行きました。

高級美術商がその会員であり敷居が高いとされている東京美術倶楽部ですが、一般公開されているこの展覧会は誰でも作品を鑑賞することができ、また作家さんを交えてのギャラリートークも開催されているとあって、覗いてみたところ作品もギャラリートークも期待を大きく上回る体験でした。

また国内の茶道名家家元が利用する済美庵にて御茶をいただくという機会にも恵まれ、美術館ではガラスケースの中に入るような高級なお茶碗でお点前をいただき、お庭も鑑賞できてハッピーな気分に。

東京美術倶楽部を出たら東京タワーも見られて、とても充実した1日でした。中山先生、ご準備や下見、有難うございました。来月は「博士たちとの議論」から「キリストの奇跡」まで、ですね。

AEAOサロン倶楽部・5月の会は明治生命館と丸の内仲通りのアート散策

GWの狭間の平日最終日、AEAOサロン倶楽部では丸の内界隈の建造物とアート散策を行いました。平日ではあるけれどインバウンド旅行者も徘徊しているし、なんとなくどこかお休み中な雰囲気が漂っています。

11時半に予約をしてあるレストラン「A16」の入口、丸の内ブリックススクエアで待ち合わせ。ここは普段ですと三菱一号館美術館の中庭にもなっているところですが、現在は改装中で休館、いつものレンガ姿がアートで覆われていました。

今日のサロンは定員を増やして総勢8名、お店側から「これ以上の人数ですと難しい」と言われたところで締め切ったのですが、ちょうどよい具合にピザもパスタもシェアできて評判通りに美味しいイタリアンでまずは恒例の懇親会。初めて会う人同士でも食卓を囲むとすぐに仲良くなれますね!

お腹が満足したところで、丸の内仲通りのストリートギャラリーについてのミニレクチャーと共に彫刻のインスタレーションを鑑賞します。

この辺りは1890年代、明治政府からの要請で岩崎彌之助(三菱2代目社長)が丸の内一帯を取得し、三菱ヶ原と呼ばれていたそうで、今では「三菱村」などと呼んでいますね。

さて、歩いてすぐの明治生命館へ。1997年に重要文化財に指定された建物ですが、やはり一帯の中でも風格が違いますね。「様式建築の名手」と言われた岡田信一郎による設計で、1934年に竣工された古典主義の威風堂々とした建物。5階分のコリント式オーダー、底部が頭部より太く微妙な膨らみのあるエンタシスの柱など、外観からも圧倒される建物です。

西口より中に入り、警備員の方に見学を申し出てエレベーターで2Fへ。順路に添って見学をします。会議室、応接室、食堂などが一般公開されています。

ふんだんに使われている大理石、チューダー朝やスパニッシュ様式の家具、天井や梁のレリーフなど、戦前の日本の財閥の富や力を感じますね。

見学後は再び仲通りで草間彌生やジム・ダインの彫刻を鑑賞したり、高級ブティックを冷やかしたりしながら、ここももうすぐ建て替えとなる帝国ホテルへ。帝国タワーは6月末でクローズになるのでこれが最後でしょう、写真展も開かれていました。

本館でライトの椅子やホテル全体の模型、ランデヴーラウンジの多田美波氏による壁画などを鑑賞、地下のブティックでもアンティークショップなどを覗いて愉しみました。

昨日の東京は雨で寒い日でしたが、今日は幸いお天気も回復して太陽も姿を現し、街歩きに理想的な気候でしたね。ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。

読書会『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』第2期がスタート!

2023年の旧約聖書から引き続き、新約聖書のお話がどのように絵画に描かれているかを紐解くアカデメイア『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』の第2期がスタートしました。講師は引き続き中山久美子先生です。ちなみに中山先生は幼少の頃から教会へ通っていた信者さんだけあって、その解説のわかりやすさはピカ一なのです。

今日は、最初に来月見学で行く教会の基礎知識として、教会建築についてのお話をいただきました。今年1月にAEAOサロン倶楽部でニコライ堂(東京復活大聖堂)へ見学に行きましたが、こちらは東方教会の方でした。このアカデメイアで訪れる予定の教会は西方教会で、一般的にどういう作りと構成になっているのか、バシリカ式やラテン十字形とはどういう形なのか、ロマネスクやゴシック建築の教会の例を挙げながら解説いただきます。

そしていよいよ絵画に登場する、新約聖書の世界で描かれるあんな場面やこんな場面、順を追って見ていきます。前期の復習を兼ねて新約聖書と旧約聖書のあらまし、ユダヤ教とキリスト教、ところでイエス・キリストって何者、というきほんのきをおさらいしたところで新約聖書のあらすじに添ってテーマ別に絵画を見ていきます。

第1回目の今日は「受胎告知」「エリザベツ訪問」「東方三博士の礼拝」「神殿奉献」「幼児(嬰児)虐殺」「エジプトへの逃避」のそれぞれの主題で、歴代の画家たちがどのように描いているのかを読みほどいてみました。描く画家の時代や国によってそれぞれ解釈の違いがあり、また画風や様式は異なりますが、帰する主題が同じなので共通点が見えてきます。全然違う国と時代の絵画を並べて比較すると、知識がなければ全くの異なる2枚の絵から、一つの同じ物語が浮かび上がってくる…これぞ先生がよく仰っている「絵画は見るものではなく、読むもの」の醍醐味なのですね。

<この2枚の絵画、全く同じ主題が描かれています。>

ところで本当に奇跡は起こったのか、本当に一度死んだ人間が復活したのか…科学的に考えればあり得ないことなのでしょうが、科学がここまで解明されている現代でもこれらの絵画に誰もが感じる神々しさ、そして宗教を狂信するあまり現代でも起こっている戦争をみると、神と人間の在り方についてあらためて考え込んでしまいます。

1枚の絵からこんなに多くのことが発信されている、絵画の力ってすごいですね!

次回は教会建築見学です。