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読書会『マンガでわかる「西洋絵画」の見かた 聖書編』、聖人の名前のあれこれ

11月のアカデメイア・読書会、今回は有名な「聖人」たちについて学びました。そもそも「聖人」って何?聖人になれる条件ってあるの?といった聖人の定義を根本から教えていただきました。聖人というと過去の人でイエスと一緒に苦を共にした人やその熱心な信者だけかと思いきや、実は今でも新しい聖人は生まれているのですね。新しいところでいくと、ヨハネ・パウロ2世(1920-2005)が2013年に聖人となっています。

帰天したヨハネ・パウロ2世

そんな聖人、この世に何人いるのか…これも西方教会、東方教会とそれぞれあるようですし、カトリック教会ではそもそも聖人の数が1年の日数を超してしまったので、それじゃあみんなの聖人の日ということで11月1日が万聖節となっているわけですね。日本の八百万の神とまではいかないものの、似たようなものなのでしょうか。

今日はそんな数多の聖人の中から、教科書に登場している一軍クラスの聖人について、題材として描かれている絵画を見ながら学んでいきました。

聖アガタ、聖アグネス、聖アントニウス…となんと18人もの聖人を一気に見ていきます。顔つきや表情が他の聖人と似ていても、あ、この人はアレ(アトリビュートと呼ばれるアイコン)を持っているから聖○○だ!と、聖人のプロフィールを知っていると読めるようになる、これがキリスト教絵画の面白さですね。

一軍聖人の中でも、画家にとって描きたいと思わせる人気ランキングで上位にくる聖人が何人かいて、この教科書でも2ページを割いて解説されているのが聖セバスティアヌスや(アッシジの)聖フランチェスコなど。

それぞれの聖人の特徴、キャラも大事で何かの守護聖人になっているケースも多く、例えば音楽の守護聖人とされている聖チェチリアなどはローマの音楽院の名前にもなっています。

知れば知るほど面白いキリスト教絵画、だんだんと見えなかったものが見えてくるようになります。

次回12月はいよいよ教会見学で、東京カテドラル聖マリア大聖堂を訪問予定です。


神戸での国内研修旅行・2日目

2日目の朝、ホテルでの朝食は各自自由に。老舗の京料理『たん熊 北店』の和定食と、なんと11月18日にリニューアルされたばかりという豪華な朝食ビュッフェ、迷いますね。ランチがフレンチのコースなので、和定食を選んだ人が多かったようです。

2日目の朝活(自由参加)は、ホテルからすぐの場所にある竹中大工道具館。誰もが知っている竹中工務店ですが、大工道具の博物館というのは日本で唯一だそうで、伝統のものづくりが見直されている今、きっと面白いに違いない、とオープンと同時に駆け付けました。まずは建物の木の香りにほっこり、ゆったりした館内は木と大工道具の展示が続き、特に知識がなくても楽しめます。常設展以外に開館40周年記念企画展の「日光の彩色と金工」展が開催されていました。

ホテルに戻ってチェックアウト後は、歩いて北野異人館街へ。お天気もポカポカな上に坂もあって、汗がかけるほど。数ある館の中で、コロニアル様式の英国館、そして装飾性の高い(過剰な?)美術品を展示しているというプラトン装飾美術館(イタリア館)の2館を訪問。英国館にはシャーロック・ホームズの部屋も再現されていました。プラトン装飾美術館にはワインカーブや様式庭園にプールまで。

この北野異人館の風物詩ともなっている風見鶏の館 は耐震改装工事中で内部には入れませんでしたが、外観を見ることはできました。

ランチはこの界隈に佇む、花と緑に囲まれた一軒家レストラン「パラディ・北野」さんでのフレンチ・コース料理を。元スイスの貿易商社社長の居宅がそのままレストランに改装されたということで、建物は天井の高い贅沢な造りでした。お料理も新鮮な野菜をたっぷり使った前菜のテリーヌ、淡路島直送の玉葱のポタージュスープ、メイン(鯛のパイ包み焼き、または牛ホホ肉の赤ワインソース煮込み)、デザートと量もたっぷり。

食べたら消化!と、最後の目的地は神戸布引ハーブ園、約10分のロープウェイで頂上まで。クリスマス・マーケット「古城のクリスマス2024」が開催されているというのでこの時期は特別料金でしたが、ハーブ園の山頂から心地よい風に吹かれながら山々と神戸の街並みを一望、また香りの資料館でなども楽しめました。

日が暮れたらイルミネーションが点灯し幻想的な「古城のクリスマス」の雰囲気になるのでしょうが、そこまで待つのは諦めて、早めにロープウェイで麓まで降り、そしてホテルで預け荷物をピックアップ。ここで解散とし、そのまま新神戸から山陽新幹線で戻る方、大阪へ出る方などに分かれて終了となりました。

2日間、たっぷり食べ、歩き、笑い、そして学び、と参加者一同仲良く楽しく過ごした研修旅行でした。ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。


神戸での国内研修旅行・1日目

11月のAEAOサロンの一環として、1泊2日にて国内研修旅行で神戸へ行きました。7月の名古屋に続き、国内研修第2弾です。

みなさんでまずは山陽新幹線の新神戸駅へ集合、今年は新幹線も災害や事故で急に運休したり休業したりという事が何度かありましたが、日頃の行いが良いのか(!)運行に問題はなく、また東京の朝は冷たい雨模様だったというのに神戸は2日間とも晴天でポカポカ。旅は天気と食事で決まると言いますが、お天気も最高でした。歩くと汗だくになるくらいな陽気です。

駅に直結しているANAクラウンホテルが今回の宿泊地、利便性もさることながら神戸の街や港が見渡せる展望階に部屋を取りました。まだチェックインはできないので荷物を預けて、神戸の中心・三宮へ地下鉄で移動します。

先週までは兵庫県知事選でにぎわっていたこの駅周辺もこの日は平常でのんびり、常に人口密集な上にインバウンド客が大型スーツケースを持って右往左往している東京のような光景はあまり見られず、どことなくのんびりした雰囲気を感じました。

目を付けていたランチのレストランを探し、順番待ち。「並ぶところは美味しい」の定説通りで次々と人が名前を書いて並びます。私たちはグループだったのでなかなか席が空かなかったのですが、ほどなくして着席、評判通りの美味しい定食にありつけました。すべて地元の食材を使ったものばかりで、待った甲斐もありました。

ランチ後は今回のハイライト見学地であるヨドコウ迎賓館を訪ねるべく、阪急電車に。映画「阪急電車 片道15分の奇跡」の話などをしながら乗り込んだ車両は1910年の開業時からのマルーンカラー(茶色系統)のレトロバージョン、グッドデザイン賞を受賞しているのですね。

芦屋川から歩いて最後は坂を上った丘陵地にそびえたつヨドコウ迎賓館。言わずと知れた巨匠フランク・ロイド・ライトの設計です。7月の名古屋研修では明治村で旧帝国ホテルを見学しましたので、行かれた方は記憶も新しいでしょう。帝国ホテルと同じ大谷石に幾何学的な彫刻、木組み装飾や飾り銅板などライトの特徴が随所に見られます。屋上のバルコニーから陽の光を浴びて眺める大阪湾までの贅沢な展望に、一同「ああ、癒される~」と笑顔に。

見学後はぶらぶら芦屋川沿いを歩きながら、また同じ阪急電車で三宮へ戻り、神戸の中華街・南京町へ。横浜中華街をコンパクトにした感じですが、やはり活気づいていますね。有名どころの『老祥記』には長蛇の列、ここは常時すごいのだそうです。

連日少子高齢化の弊害ばかり聞かされて若干うんざりな中、この南京町には中高生や若い人たちがたくさんいて、食べ歩きに興じる笑顔を見ていると不思議な生命力を感じます。

とはいえ食べ歩く元気のない我々は(ヨドコウ迎賓館でたっぷり歩いたのです!)、中国茶のカフェにてしばし休憩。世界で有名な中国茶専門店『天福茗茶』 の日本1号店なのです。かつて上海に駐在していたメンバーから中国茶のお話などを聞きながらゆっくりお茶で体力を回復し、すぐ隣の旧居留地エリアを散策。大丸神戸店、神戸市立博物館、十五番館など名だたる建築にイルミネーションが点灯した街路を歩いていると、阪神・淡路大震災後の復興にどれだけ市民の方々の努力があったのかをひしひしと感じます。

夕食はこの居留地で評判と雰囲気のよいBar & Bistro 64 というお店を18時半に予約していたのですが、予定が順調すぎて早めに入れるかお伺いしたところ快諾いただき、早めのディナーに。一品料理を何皿か取ってみなさんでシェアしたのですが、どれもこれも美味しくて写真を撮り忘れるほど。最後の〆のわさびパスタなど絶品でした。

ディナー後は、今年春にリニューアルオープンしたという神戸ポートタワーへ。歩くと若干距離があるのですが、ちょうど良い交通機関もなく腹ごなしに散歩を兼ねて歩くことに。途中で合ってるかしら?と迷っていたらすぐに通行人が駆け寄って教えてくれたりして、本当に親切な街です!

時間予約制で20時の回を取っていましたが、15分前から入れるということでこちらも早めに入場、予約QRコードをかざして、という例のシステムに四苦八苦しながらも展望台へ上がって眺める神戸の街と海の夜景、夜でも寒くなく風もなく、穏やかな空気の中を十分楽しみました。

神戸ポートタワーからホテルへは最寄り駅から地下鉄を乗り継ぎ、21時前にはホテルへ到着し、チェックイン。お部屋は28階で、窓からの眺めは山側も海側もあって、旅情たっぷりです。みなさん今日は18000歩くらい歩いたと思います。夜は各自お部屋でゆっくりくつろぎました。