1月のアカデメイアは、「聖人たち」の続きからスタート、今日は有名どころの『マグダラのマリア』『聖ルチア』などについて学びます。
なぜわざわざ「マグダラの」って付いているんだろう、「マリア」でいいじゃない、と思う方もいらっしゃるでしょうが、何と言っても「マリア」名は多い上に、伝承の間に同一視された他人のマリアもいてややこしいのです。
なんとなく淫らで妖艶なイメージのあるマグダラのマリアですが、イエスの受難に立ち会い、また復活したイエスに最初に出会った人として重要な聖人なのですね。
そして『最後の審判』と『ヨハネの黙示録』、もう時代を問わず有名無名を問わず多くの画家たちがみな描いているテーマ、どの作品にもやはり題材にとりかかる意気込みというか覚悟のようなものを感じますね。
最後に『天使』、『悪魔』、そして『神曲』について学びました。
天使とはそもそも何なのか…これは神の使い、なんですね。神のいる天上界と地上をつなぐメッセンジャーのような存在。この天使の世界にはランキングというものがあって、上は会長から下は平社員まで、セラフィムやケルビムは会長とか社長でしょうか、一番なじみのあるエンジェルは天使界では底辺の平社員、なのだそうです。絵によく描かれる、翼がついたり光輪がついたりして可愛いのはみな平社員です。
悪魔は実は元天使だったのが、神に反逆して地獄に堕ちた存在なのです。裏切りの行末には地獄が待っている、というわけです。
『神曲』こそ常に枕詞「ダンテの」と共に使われますが、14世紀にダンテが著した長編詩で「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」の三部作で成り立っています。地獄と天国はわかるのですが、煉獄ってなんだか文字からして最も怖そうと思いきや、これは地獄と天国の間で、天国には行けなかったが地獄にも墜ちなかった人の行く中間的なところということで、罪を清められると天国に行けるということになっているのだとか、生涯を通して品行方正・人格高潔・潔白無実というわけではない大多数の人はここにまずは入るのでしょう。この絵では煉獄の頂上は地上の楽園で、天国につながっているようですから望みはありますね!
さて、次回はいよいよ最終回です。やっと聖像に辿り着きます!


