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さようなら南フランス、最後にモナコ大公宮殿 <DAY8>

楽しかった海外研修も最終日になりました。すでにツアー本体とは別フライトで帰国するSさんは早朝にホテルを出発、トランジットの空港に無事着いたとの連絡が。ツアーの出発はホテル発13時、それまでは自由時間です。ニースは今日が一番お天気のよい日のようで、朝からさんさんと太陽が照っていました。

最後のお買い物をマルシェでする方、地中海の海に足だけでも浸かろうと海岸を目指す方、旧市街の17世紀バロックのラスカリス宮殿を見学する方、みなさん様々に最後のニースの半日を過ごします。

ラスカリス宮殿訪問組は朝10時のオープン時にスタンバイ。ここもニース市立美術館の1つで、昨日のマティス美術館と共通のチケットで見学することができます。見学予定の児童たちも並んでいて、悪さやおしゃべりをする度に先生に「静かにしなさいっ!」と叱られているのもどの国も同じですね。

オープンと同時に入場すると「どの言葉の解説がほしい?」と聞かれます。かつて日本人が世界中に観光に訪れていたあの光景は今では過去のものとなり、多言語表示から日本語が消えて久しくなった今日、でも一応言ってみようと「まさか日本語なんてあったりしませんよねぇ」と尋ねると「日本語ね、はい!」と日本語で書かれた概要のコピー用紙を渡されるではないですか!句読点が行頭に置かれているなどのミスは可愛いもの、まさかこんな小さな宮殿で、と感激しながら階段を上がっていくと…監視件ガイド役のおじさん(!)の制服には話せる言語の印で日の丸の国旗が!

どうやら日本オタクのようで、日本には15回行っている、そして日本の音楽家たちと知り合いだとのこと。この宮殿には17世紀バロック期の古楽器が多く展示されており、楽器の解説がやけに素人離れしていると思ったら、作曲家でもあるのだそう。どこまでが冗談か本気かわからないところも、イタリア気質のフランス・ニースならではの公務員、自分のYouTubeの宣伝をしたり率先して一緒に肩に手を回して写真を撮りたがるなど日本の公務員からしたら懲戒免職もの!?

さて、13時にホテルを出発したバスは、一昨日のモナコへとまた向かいます。そう、あの大公宮殿内部見学が残っているのです。実際に住んでいる宮殿ですから見学できる期間が限られており、ようやく昨日オープン、今日は2日目です。入口で聴きたい言語のオーディオガイドが渡され(日本語もありました!)、ガイドを聴きながら宮殿内を進んでいきます。

見どころたっぷりの宮殿ですが、長居はできません。というのも「モナコ王室御用達のショコラティエ」へ行くというオプションが待っているからです!もう10分しかない、という限界値でもやっぱり行って買ってしまう私たち。添乗員エリちゃんに「さあ、もう行きましょ」と促されて駐車場へ戻り、そのままニース空港へ。バイバイ、モナコ、また来ますね。

パリの空港のごった返している光景とは裏腹に、こちらはがら~んとのどかな光景が。チェックインのゾーンで手持無沙汰に待っている係員にEチケットを見せると「あの機械で自分でバゲージタグ出して、ボーディングパスも出してきてね」と笑顔ながらもセルフ・チェックインを強制される今日この頃。もはやすべてがセルフが当たり前のシステムになったのはいいけれど、なかなかバーコードやQRコードを読み込めずにエラーになる機械の方ももう少し精度を上げてくれませんかねぇ。

なんやかんやでチェックイン完了、手荷物コントロールもパリほどの混み具合ではなく、手続き後は比較的時間もあり、ここで軽くおやつを食べたりコーヒーを飲んだりしながらニースからパリ行のフライトに定刻通り搭乗しました。パリに到着し延長滞在されるKさんとはお別れ。せっかくフランスに来て、パリで乗り換えるのですから2日間パリの美術館をはしごしてお帰りになるのだそう。装飾美術館のクリストフル展をはじめ、パリで見るべきものは目白押しですからね。

シャルル・ド・ゴールでのトランジットは超ラッキーゾーンで、そのままノー・コントロールでした。当日にならないと分からないゲートゾーンがたまたま到着ゾーンと同じだったので、また水を没収されたり電子機器をいちいち取り出したりということもなく、羽田行の出発ゲートで待機。お土産コーナーがラベンダー一色からインターナショナルな雰囲気に変わります。

さて、これから13時間半の夜間飛行です。みなさんぐっすり眠れそう。

ヴァロリス、ピカソが愛した陶芸の街へ <DAY5>

エクサン・プロヴァンスを後にし、今夜からはニースに滞在をするのですが、途中でヴァロリス村へ寄ります。この地では宮廷御用達の窯となったムスティエなどとは異なり昔から雑器としての生活陶器を製作していましたが、ピカソがたまたま訪れた際に陶芸にハマり、以降7年にわたって住み着いて陶芸活動に励んだことでヴァロリス焼きそのものもピカソと共に有名になった地です。

そのピカソ美術館をお昼休み前までに訪れます。ピカソが70歳の時に村の人たちからお祝いをしてもらったお返しにシャペルの壁に制作した「戦争と平和」はやはり圧巻、みなさん中に入るとしばし言葉を失い、沈黙。あの「ゲルニカ」ほど有名ではないものの、ピカソの戦争に対する嫌悪と虚しさ、そして平和の尊さ、大切さが伝わってきます。

ピカソ美術館を後にし、ヴァロリスの街のメインストリート(と言っても月曜日でシーズンオフゆえ、閑散としています)沿いのお店を冷やかしながら、ピカソのマドゥーラの窯のアトリエ外観見学へ。この窯が唯一ピカソの作品のリプロダクションの販売をしているのですが、現在は内部がリニューアル中。


ランチは雰囲気をガラッと変えようということで、海沿いのヨットの波止場に面したレストランへ。おそらく夏なら賑わっているというよりごった返していそうなところでしょうが、この季節は人もまばら、太陽と青空を独り占めしているような豊かな気分です。

テラスの席を用意していただいたので、庇をつけてもらって海風と太陽を楽しみながらのランチはヴァカンス風にムール&フリット、フィッシュ&チップス、イカリングフライ、プロヴァンス風サラダ、ボンゴレのリングイーネなどをみなさんでシェアして(フランスで料理をシェアするのは普通はしません…フランス料理はロシア式サービスと言って、前菜の時間、メイン料理の時間、と時間差で頂くのが基本で一人一品のメインを取らないのはご法度、でも今回のような雰囲気のレストランなら無礼講でもいいかと踏んでお伺いしたところ「お好きにしていいわよ」と!)、こういうB級グルメもいいのよねということでたっぷりいただいてニースのホテルへ。今回のホテルは旧グランドホテル、今はアストンホテルという名の4星ホテル、そして待望のバスタブ付きです!

ホテルの立地条件は申し分なく、毎日なんらかの市の立つサレヤ広場にも近いのですが、月曜日はアンティーク市の日です。チェックイン後荷物だけ中に入れて早速アンティーク市へと急ぎ、流れ解散となりました。この日はニースも20℃近くに気温が上がり、半袖短パンの人が街中を闊歩しています。夏時間になって一気に夏モードになってきました。