投稿者「antique-kentei」のアーカイブ

アンティーク・デミタスカップにみるジャポニスム

 3/5(土)に、ジャポニスム振興会東京サロンにて、特別企画『アンティーク・デミタスカップにみるジャポニスム』〜村上和美コレクションで愉しむ茶会〜が開かれました。
 

 アンティーク検定試験の監修を務める、岡部昌幸先生の基調講演、そして村上和美さんのコレクションされているデミタスカップに関しての説明をしていただいた後、好みのカップでコーヒーを頂く、という午後のひとときでした。
 

 村上さんが蒐集されたデミタスカップは1400点を超えているのだそうで、1客ずつ、時代も国も形も違った、愛らしいデミタスカップのコレクションは、国内最大級。今回は、その中でもジャポニスムの影響を受けたカップが、ズラリと会場に並びました。
 
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 こちらは、わたしが頂いたデミタスカップ、コールポート窯のものです。
鮮やかなローズの色と金彩が、とても上品で、こんなカップでコーヒーを頂いていると、春の到来を待ちわびる気持ちになりました。
 
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アンティーク検定・対策講座のご紹介 〜目黒学園カルチャースクール〜

 アンティーク検定対策講座の1つ、目黒学園カルチャースクールのご紹介です。
 
 
【4月期の講座:月曜日 19:00〜21:15】
 

4月4日(月)
西洋装飾美術の様式の変遷 ~建築と家具と工芸品と~
 

4月18日(月)
西洋茶道具&西洋酒器 ~デミタスカップからリキュールグラスまで~
 

5月6日(月)
アール・ヌーヴォーとアール・デコ~世紀末から20世紀のスタイル~
 

6月20日(月)
第4回アンティーク検定直前対策「これだけは憶えておく!」
 
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 目黒学園カルチャースクールの授業は、夜。お勤めをしている方を対象に、19時開講としています。今学期は4回のため、1回当たりの授業時間は長めですが、途中で休憩をはさみます。
 

 昼間、お仕事をしている方にとって、夜にどこかに移動して勉強をするのはなかなか体力も気力も大変なもの、しかし敢えて月曜日に開講していることで、週の最初なら頑張れる、という方が多いのも事実です。また、このスクールはJR目黒駅、東急目黒線、東京メトロ南北線の目黒駅からすぐ、という、非常に便利な立地です。
 

 毎回、誰かがお仕事の都合で遅れたりしますが、大丈夫、全く問題ありません!また時には、受講生のみなさんで終了後にお茶や食事をしながら、コレクション談義、旅行談義などをし、仲良く楽しく、行っています。また、他のスクールに比べて、男性率が高いのも、夜の授業ならではでしょうか。
  
 最後の授業は、いよいよ第4回アンティーク検定に向けての、直前対策講座。その週の日曜日が検定試験ですから、もうこの時点では、あとは記憶の引き出しを開ける練習を重ねるのみです!
  
 はじめてアンティークの講座を受講する方も、大歓迎です。
  
 お申し込み、お問い合せは、直接目黒学園カルチャースクールへ。
 

アンティーク検定・対策講座のご紹介 〜よみうりカルチャー恵比寿センター〜

 アンティーク検定対策講座の1つ、よみうりカルチャー恵比寿センターのご紹介です。
 

 4月期の講座:第1・3金曜日 13:00〜14:30
 

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 4/ 1 アンティークの西洋茶道具
 4/15 オブジェ・ド・ヴィトリン~アンティークの小物~
 5/ 6 ウィリアム・モリスの時代
 5/20 ベル・エポック時代のアンティーク
 6/ 3 アトリエ:アンティークお宝鑑定会
 6/17 第4回アンティーク検定直前対策「これだけは憶えておく!」
 

 今学期は、ウィリアム・モリスの時代、ベル・エポックの時代を中心に、西洋茶道具、そしてアンティークのさまざまな小物についてのお話です。
 

 お宝鑑定会では、実際のアンティークのお値段、市場というものを勉強しながら、受講生のみなさんのコレクション、戦利品を持ち寄って、あれやこれや鑑定のツボを学びます。
 

 最後の授業は、いよいよ第4回アンティーク検定に向けての、直前対策講座。
もうこの時点では、問題は出来上がっているので、かなり際どいポイントが聞けるかもしれません!?
 

 はじめてアンティークの講座を受講する方も、大歓迎です。
 

 お申し込み、お問い合せは、よみうりカルチャー恵比寿センター
 

 よみうりカルチャー恵比寿は、JR恵比寿駅ビル、アトレ内にあり、交通アクセスは抜群!
 アトレには有隣堂書店&スターバックスも入っていて、有隣堂の本をスタバで読む事も出来ます。
 
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 春にはアトレ新館もオープン、ますますお洒落な恵比寿が便利になっていきますね。
 
 

アンティークになるかならぬか、発酵と腐敗

 古いものには、価値がある・・・と思いたいアンティークの世界ですが、古ければなんでもかんでも価値があるか、と言えば、残念ながらそうでもありません。
 

 工芸品に限って言えば、それでも産業革命以前は、どんなものでも手作りが基本でしたし、稚拙なものであっても、その希少性や、歴史的な観点からの価値は否定できないでしょう。中国からの輸入品であり、垂涎の的であった高価な磁器を真似ようと、見よう見まねで必死で作った染付けの陶器、例えば17世紀、18世紀のデルフト陶器などは、ミュージアム・ピースです。
 

18世紀のデルフト陶器

18世紀のデルフト陶器


  

 そこまでのものでなくとも、たとえば19世紀後半に、当時は大量に作られた雑器、これらはアンティークとしての価値はあるでしょうか?バカラやサン・ルイのような有名メーカーのクリスタルではなく、庶民が使用していたであろう、ガラスのグラス。気泡が入っていて、いびつな形をした、ただのグラス。半手工芸品とも言える、製品です。今現在、このようなものは、状態がよいものでも(チップや欠けがないものでも)比較的安価にアンティーク・ショップで購入できます。
 

 それでは、1960年代の雑貨は、どうでしょう。当時の流行りで作られたもの、おもちゃ、ノベルティ・グッズ。正規に購入しようと思っても、もう売られてはいませんが、ネットオークションなどで、よく出品されています。
 

 さまざまなケースがありますが、例えば食べ物に例えて言うと、古くなって腐敗するものと発酵するものがあります。魚などは鮮度が命、腐った魚など、もちろん食べられません(お腹を壊します)。一方、チーズやワイン、発酵することによって、より旨味を増し、美味しく=価値が高くなります。
 

 工芸品も、同じではないでしょうか。
 素材で必ずしも区別はできませんが、プラスチックやアルミは、時が経てば、一般には産業廃棄物です。古びて、汚くなっていきます。そこには、温かみとか、時代の良さ、といったもので評価が上がるものは、極めて少ないような気がします。もちろん希少性ゆえに、昭和初期のアルミの弁当箱といったものに、アンティークショップでお目にかかる事はありますが、目の飛び出るような値段ということはありません。
 

 ところが、時の経過と共に、風合いを帯びて味わいが出てくる素材というものがあります。
 何気ない雑貨であっても、たとえば集成材でない、無垢の木で作られたレターラックなどは、それなりに古びても愛らしさが残り、アンティークになり得る要素を持っています。
 

フランス、20世紀初頭

フランス、20世紀前半


 

 最近では、家のパーツであるドアやドアノブ、コンセントのソケットなどを、わざと古いアンティーク品の中から選んで、インテリアにオリジナリティをもたせる設計をする人がいます。ドアの金具の、古い鍛鉄でできたものは、ステンレスの軽い工業製品に比べれば使い勝手も悪く、時には構造的に狂うことも出てくるかもしれません。それでも、殺風景なステンレスよりも、味わいという点は、やはり愛らしく、そもそも暮らしのインテリアというものは、利便性や機能性だけでは決して満足できないし、美しくもないのではないでしょうか。
 

 今持っているものが、ゴミとなるかアンティークとなるか・・・それは、腐敗するか、発酵するか、の違い、とも言えるでしょう。
 

 新しくものを買いたくない、断捨離したい、という人は、腐敗するものばかりを頭に描いています。でも、中には発酵するものもある、という意識で、これから物を見ていくと、少しは変わるかもしれませんよ。
 
 

AEAOサロン倶楽部がはじまります

 「アンティーク検定」のための対策講座は、現在、各文化機関・カルチャーセンター等で行っておりますが、2016年より、AEAO主催のサロンを開催することになりました。
 

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 アンティークや西洋装飾の世界には興味があるが、なかなか定期的に講座を受けるお時間がない方、地方に住んでいて、首都圏の講座を受講できない方、興味のあるテーマだけ学んでみたい方・・・いろいろなニーズにお答えし、原則土日祝日に、ワンショット形式で行います。
 

 みなさんでコレクションを持ち寄っての鑑定会を行い、鑑定のツボを学んだり、どのくらいの値打ちのあるものなのか、いつごろいくらで買ったけれど、今はいくらくらいの市場価値なのか、そんな気になる「おねだん」の話も交えて、愉しみましょう。
 

 また、海外研修の前には、研修で訪れる見学地をスポットに入れ、関連したテーマでのサロンになりますので、研修を検討されている方にとっては、プレ講座としての内容にもなっています。
 

 サロンと名を打っておりますので、お茶・お菓子付の、懇親会的な集まりを考えています。「講師」ではなく、「ナビゲーター」として、専門家をお呼びしての、参加型のお勉強会です。是非お気軽にご参加いただければと思います。