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AEAOサロン倶楽部・9月の会にて、香りの器を愛でる

9月末というのに30度超えの残暑の中、AEAOサロン倶楽部・9月の会が開催されました。今日訪れたのは、高砂コレクション® ギャラリー。蒲田にある高砂香料工業株式会社さんのコレクションや資料が一般見学者にも開放されています。AEAOメンバーの方より、是非ここをサロンで一緒に訪れたいというご要望をいただき、今回の運びとなりました。

実はこの高砂コレクション、2021年にパナソニック汐留美術館にて展覧会が開催されており、その際にもAEAOサロン倶楽部でオンラインによるレクチャーを行いました。当時はまだコロナ禍でリアルに集まれず、各人で個別に美術館に見学に行くという形での開催でしたが、今回は会食と共に集まれる喜びが戻ってきました。

顔合わせランチ会&ミニレクチャーの会場は Ritaさんにて。高砂香料工業株式会社さんのビルに程近く、JR蒲田駅からも歩いて3分という立地にあるピザ専門のイタリアン・レストラン。あまりの美味しさに写真を撮り忘れた前菜のサラダに、ナポリ風の薄いパリパリ生地のピザ、デザート、お茶とフルコースでお腹いっぱいいただきました。特に美味しかったのがゴルゴンゾーラと蜂蜜のピザ、この組み合わせを考えた人は天才ですよね。

そしてコレクション会場へ。社内の会議室にて展示されていることもあり、なかなか気軽に訪問できない感じはありますが、受付の方々にいろいろご説明をいただき、充実したコレクションをゆっくりと堪能することができました。

香水瓶のコレクションが素晴らしいのは言うまでもないのですが、カメラマンの十文字美信氏の作品も一緒に展示されています。写真展としても見応えが十分にありました。

香水瓶はおなじみラリックの作品がやはり多かったのですが、今月22日よりスキャパレリの香水瓶があらたに展示品に加わっています。有名な「ショッキング」シリーズや「Zut!」を初め、何点か展示されていました。

なんと言っても今日訪れてラッキーだったのは、2日前の26日より特別展示されている、巨大な龍涎香。4.95kgあります。こんな大きなものはさすがに他でも見たことはなく、みなさんで「一体いくらくらいの価値なのか…」と下世話なことを考えてしまいましたが、受付の方曰く「この会場の中で最も価値の高いものですね、はい、軽く家が一軒立ちます」とのこと!ショーケースに収められていますので匂いを嗅ぐことはできませんが、これを見られただけでも大感激です。

今回は遠くからご参加いただいた方もいらして、とても楽しいサロンでした。次回10月は「旧安田楠雄邸庭園見学と谷根千さんぽ」を行います。

銀座のアートスポットを巡る

8月のAEAOサロン倶楽部は、銀座のアートスポット巡りを行いました。今年は6月からすでに真夏が前倒しでやってきましたが、8月末ならさすがに暑さも引っ込み、お盆期間は観光客での賑わいも一段落着いている頃かな、とこの時期に設定したものの残暑が猛暑というトンデモナイ気候。そんな中でもたくましく多くのアートスポットを回ってみました。

まずは銀座SIXのザ・グラン・ラウンジにて「銀座の清夏のアフタヌーン・ティ」を兼ねたミニ・レクチャー。なぜ銀座にアートギャラリーが多いのか、いつから銀座がハイブランドのお店が連なる街になったのか、明治5年の銀座大火から現在の銀座の街の変遷と、銀座とアートとの関係について歴史をざっとおさらい。

通常アフタヌーン・ティは時間制限2時間というところが多い中、こちらはなんと3時間。その間ドリンクは飲み放題ですが季節柄アイスティの種類も多く、またスイーツも甘さ控えめ、上品なヴィシソワーズのアミューズ、アペタイザーにはラタトゥイユや素麺といった夏ならではの味覚に全員完食したところで「アフター・デザート」の苺のミルフィーユが出てきましたよ!!

お腹も満たされたところで、アート巡りスタートです。

まずは銀座SIXの目の前にある、銀座6丁目・交詢ビルのファサード。このビルは1880年竣工、1929年に再建され2004年のリニューアル時に「ファサード保存」されています。歴史的価値の高い建物の正面部分や一部のみを保存する手法で、1970年代より使われてきたのですが、その第1号は京都の中京郵便局。明治35年の建築のファサードを1978年の建替え時に保存しています。

この界隈にはggg(Ginza Graphic Gallery)やMMM(メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)もありますが今日は展示は開催されていなかったので外観の位置を確認し、次なるアートスポット、銀座8丁目まで歩き資生堂ギャラリーの「初めての東京は銀座だった」展を見学。今日が展覧会初日でしたが、それなりに見学者がいらっしゃいました。

せっかく8丁目まで来たから、ということで次はクリエーション・ギャラリーG8へ。ここはリクルートの主催するアートギャラリーなのですが残念なことに今年9月2日をもって終了ということで、最後の展覧会を見学しました。38年に渡りデザイン、グラフィックの多くの展覧会を開催してきたスポットでした。

そして4丁目まで日陰の裏通りを歩き、予約をしていたセイコー・ミュージアム銀座へ。服部金太郎氏が1881年に服部時計店を創業してから今日に至るまでの日本の時計の歴史が詰まったミュージアムです。

お次は銀座メゾンエルメス フォーラムで開催中の「エマイユと身体」展へ。今日の参加者さんはみなさん7月の「エマーユ七宝美術館」も見学していますので、エマイユが現代アートでどのように表現されるのか、と先月とは違った視点でのエマイユを見つめていきました。

最後に、エルメス傘下のテーブルウェアであるベルナルド、サン・ルイ、ピュイフォルカの最新作を見にエルメス店へ。お買い物をせずに見学なんてちょっと図々しくて、さすがに長居はしませんでしたがこの時点で夕方5時でした。

実はまだまだ銀座にはアートスポットが点在していて、さらには歴史的建造物も多いのですが今日はこれにて終了といたしました。今度は銀座4丁目から京橋側のアートスポット巡りをしましょうね。

ご参加のみなさま、お疲れ様でした。今日はよく歩きましたので、三段のアフタヌーン・ティもすべて消化できたと思います!

猛暑の中、「世界の名画とエマーユ」の世界へ

7月のAEAOサロン倶楽部は、2018年に開館した日本初のエナメル専門の美術館「エマーユ七宝美術館」で開催されている「世界の名画とエマーユ」展を見学する会でした。

まずは見学前にランチ・レクチャー。

今回のランチ会場はなんと3回チェンジをしたのですが(第1候補のお店は駅から若干歩く、お店のキャパが小さい、というので猛暑予報により駅直結のレストランに変更したのですが、7月の週末とあってファミリー感があり過ぎるかなと思い、予約を取り直したのが今回のお店)、ここが大当たりの素敵なレストランでした!カジュアルなフレンチ・ビストロで、エスニックも混じっていて、夏のランチにぴったり。渋谷川のほとりにある一軒家レストランCociさんにて。

アミューズで「穴子とフォアグラとイチジクのミルフィーユ」をいただいた後、「南瓜のカレー風味の冷たいスープ」、「真牡蠣のカダイフ巻き揚げ レモンバームのエキューム」の前菜、そして「大山鶏むね肉のポシェ・フランボワーズのマスタード」と、もうどれも絶品のお味。もちろんそれぞれ選んだデザートもとっても美味しく、この会って美味しいものを食べる集まりでしたっけ?というくらい、お料理についてのお話でも盛り上がりました。

さて、お腹も満足したところで、お茶を飲みながらのミニ・レクチャーです。

エナメル?エマーユ?七宝?

実はこれ、すべて同じ言葉です。英語のEnamel、フランス語のÉmail(複数形になるとÉmauxと活用します)、そして日本語では七宝・琺瑯という言い方をします。

このエナメルでの装飾技法の言い方として、シャンルヴェ(Champlevé)、クロワゾネ(Cloisonné)、プリカジュール(Plique-à-jour)、ロンドボス(Ronde-bosse)、バスタイユ(Basse-taille)などがありますが、すべてフランス語の言葉。エナメルの起源は古代エジプトとされていますが、中世のころはリモージュがエナメルの中心地であったことにも関係しているのでしょうか。リモージュといえば、アンティーク界では郊外でカオリンが発見されたことによるフランス硬質磁器の発祥地としての方が有名ですが、実は伝統的にエナメル作品が製作されていたのです。

さて外は炎天下ではありますが、レストランで十分身体も冷やし、これからいよいよ「七宝エマーユ美術館」へ徒歩にて。渋谷橋を登って渡らなくてはいけないのが玉に瑕ですが、みなさんでおしゃべりしながら歩いていたらあっという間に到着。

この美術館はかつて歌手として一世を風靡し、その後ジュエリー・アーティストへ転向した梶光夫氏が長年に渡って蒐集されていたコレクションが展示されています。19世紀後半、ナポレオン3世時代~アール・ヌーヴォー期の美しい女性を描いた作品が主なコレクションですが、今回の開館5周年記念「世界の名画とエマーユ」の特別展示では、ボッチチェルリやアングルの名画をエマーユに描いたものも展示されていて、ガラス越しにじっくり眺めていたところ・・・

なんと館長・梶光夫氏が直々に展示会場に来てくださり、色々ご案内をいただきました。これらのコレクションは、40年ほど前から自らフランスやイギリスを回って蒐集されたものとのことで、美しい貴婦人が描かれた小箱、装身具などが所狭しと展示されています。

アール・ヌーヴォーと言えば誰もがガレやドームなどのガラス製品を思い、コレクションされる方も多いでしょうが、館長はアール・ヌーヴォー期の彫刻にも惹かれたというお話で、館内には小ぶりな美しい彫刻作品も並んでいます。

今日は毎日オークションさんでメインセールが開催されていたのですが、その一環でウクライナの人々への平和と復興の願いを込めたチャリティ・オークションが同時開催され、梶光夫氏の作品(絵画、ジュエリー)がオークションで販売、その売上はすべて在日ウクライナ大使館を通してウクライナへ全額寄付という、ノブレス・オブリージュな偉業を成し遂げた後に、わざわざ会場にいらしてご説明してくださいました。さらにご参加者さんが身につけていたアンティーク・ジュエリーを一目みて「これはアゲートかな」「これは19世紀後半のイギリスのものでしょう」「このカメオはドイツのものじゃないかな」と鑑定!G.I.A.G.G.の資格をお持ちの鑑定士でもあるジュエリー・アーティストの目は誤魔化せないですね、ドキドキ。

会場内の写真はNGでしたが、Webサイトで様子を伺うことができます。またミュージアム・ショップでは「エマーユー美しい貴婦人たちー」という素晴らしい図録も販売されています。

美味しいものをいただき、たっぷりと素晴らしい作品を鑑賞し、猛暑の中の幸せなひとときでした。ご参加いただいたみなさま、お疲れ様でした。

8月のAEAOサロン倶楽部は、夏の終わりの銀ブラ、「大人の銀座のアート遠足&夏パフェまたは夏アフタヌーン・ティ」です!!

愛のヴィクトリアン・ジュエリー展とホテル・オークラでのティータイム

6月のAEAOサロン倶楽部その2は、大倉集古館で開催されている「愛のヴィクトリアン・ジュエリー展ー華麗なる英国のライフスタイルー」展見学を行いました。まずは見学前にミニ・レクチャーを目の前のラグジュアリーホテル「The Okura Tokyo」(オークラ東京)にて。先週に引き続き、ホテルごっこを楽しんでいます。

最近はコロナのリバウンドでどこも混み混みというお話ですが、改装後のオークラ東京のロビーはゆったりしていて、いつもながらの非日常空間。間接照明でほんのり照らされた明るさ(暗さ?)は落ち着きますね。さっそくロビー階の「オーキッド」でそれぞれお好きなケーキと飲み物をいただきながら、まずは懇親会。

胃と脳が幸せ状態になったところで、ヴィクトリアン・ジュエリーについてのお話です。ジョージアン、ヴィクトリアン、エドワーディアンのそれぞれの時代別ジュエリー事情、中でもヴィクトリアン時代の社会と世界情勢、そしてジュエリーの世界での歴史的な出来事ーゴールド・ラッシュやダイヤモンド鉱山の発見、カメオ・モザイクの流入、量産化とジュエリーの初カタログの誕生などーを背景として頭に入れておきます。

センチメンタル・ジュエリー、スコティッシュ・ジュエリー、ホルバイネスク・ジュエリー、ハーフパール、ジェットといった言葉の意味と実例を先に図録で見てから、さて本物を見に大倉集古館へ。

梅雨時の平日ですから幸い鑑賞者も多くなく、ゆったりと1点1点鑑賞することが可能でした。写真撮影禁止でしたので残念ながら会場の様子の写真はありません。展示会場の2階からバルコニーに出られるので、そこで一息。

地下の第3会場ではレースの展示もあり、レースを習っている方はじっくり眺めていらっしゃいました。

ミュージアムショップでは、アンティークジュエリーではないのですがヴィクトリアン時代のデザインの復刻ジュエリーを販売しており、ジェットの実物ジュエリーも手に取って見させていただきました。お話によると、ヴィクトリアン時代にあまりに流行り過ぎたためジェットがもうなくなってしまい、しばらくはジュエリーメーカーも制作できなかったのだとか。最近あらたに見つかったその貴重なジェットで、ヴィクトリアン・デザインのジュエリーを制作しているのだそうです。ジェットの原石も置かれており、その光沢や重さ(軽さ)も実感できて、とても楽しい目の保養でした。

7月のサロンはエナメルミュージアム見学です。エナメル・ジュエリーも素敵ですよね!

大正ロマン X 百段階段 ー 昭和の竜宮城でアフタヌーン・ティ

6月のAEAOサロン倶楽部その1は、ホテル雅叙園東京で開催されている「大正ロマン X 百段階段 ~文豪が誘うノスタルジックの世界~」展を訪れ、アフタヌーン・ティをいただくというちょっとレトロ&ハイソな会でした。梅雨入りした関東ですが、前夜から降り続いていた雨は幸いお昼で上がってきましたので、幸先よいです!

ホテル雅叙園は、かつて目黒雅叙園の名で、壁画や天井画、彫刻や工芸品などで館内の装飾が施されており、「東洋一の美術の殿堂」、「昭和の竜宮城」と呼ばれていました。何度かリニューアルされた現在の建物内も依然として竜宮城の名にふさわしく、あちこちにふんだんに装飾がされています。お手洗いですら、「え、ここ?」と戸惑うような豪華絢爛な空間につい撮影をしたくなりますが、お手洗いはさすがに遠慮すべきですね。デモチョットダケ。

今ではよく中華料理店で目にする回転式の円形テーブルの発祥地も、この目黒雅叙園と言われています。

さて、「百段階段」へ。1935年に建設され、現存する唯一の木造建築で、国の登録有形文化財、また東京都の有形文化財に指定されています。百段とありますが実際には九十九段で、階段の途中に7つの部屋があり、その部屋が桃山風だったり日光東照宮の系列の装飾だったりで、どの部屋も息を呑むような空間。

今回は展覧会のテーマに沿って、各部屋に明治から大正・昭和初期の文豪とその作品の世界を三次元で鑑賞する、というエンターテイメント性の高いものでした。さらに現代の人気イラストレーターや漫画家たちがイラストも添えるというコラボレーションで、スタート地点からもう若い女性やかつて若かった(!)女性たちで大賑わい。またかなりの来館者がその時代の雰囲気に思い切り浸ろうと、着物や浴衣をお召しになっていました。これも後でわかったことですが、ホテルの企画で「大正ロマン&着物ランチ」というセットがあり、レトロな着物をレンタルして楽しむ姿だったようです。

百段も一気に登るわけではないので、息が切れるというほどではありません。7つの部屋を、まるでテーマパークに入り込んでいくかのように楽しみながら、登りきりました。

スポーティな展覧会鑑賞をした後は、アフタヌーン・ティ。ホテル内のCafe&Bar「結庵」では、「大正ロマン喫茶室」を期間限定でオープンしており、そちらでメロンのアフタヌーン・ティをいただきました。

5月の研修旅行では本場ロンドンのホテルでもアフタヌーン・ティをいただきましたが、日本は「ヌン活」ブームとあって、色々なホテルがそれこそ毎月テーマの異なるアフタヌーン・ティを提供しており、その種類や発想は独特の文化を遂げていますね。今回のセイボリーには「豆腐とトマトの酸辣湯風スープ」とか「ジェノベーゼ カッペリーニ」などもあり、お茶も「メロン和紅茶」水出しメロンティ」など、今回ならではのアフタヌーン・ティを楽しみました。

セイボリーとスイーツで満腹だったので、腹ごなしを兼ねて近場にオプション(!)展覧会見学・戸栗美術館「柿右衛門の五色」展へ。古伊万里からマイセン、そして現代の十五代酒井田柿右衛門の作品まで「柿右衛門様式」とされる作品を一気に鑑賞、素晴らしい作品だらけです。じっくり五色の色を比較しながら見て回る中、館長が見えてご説明いただいたことにより、大雑把に「柿右衛門」と呼ばれるものの中にも、地域や時代によって筆の使い方、色の乗せ方、顔料染料の配合などの違いがわかってきました。作品と向き合う、本物と向き合う、この大切さをあらためて感じたひと時でした。オススメの展覧会です!