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充実した第16回アンティーク検定講習・2級後半

アンティーク検定講習・2級の後半の部が3連休の11/1-2にかけて開催されました。後半初日は会場に集合し、ゲスト講師の青山櫻先生(アンティーク・スペシャリスト)をお呼びし、アンティーク・ジュエリー史を俯瞰した後、宝飾品・貴金属の見かたについての実地講習です。

横浜青葉台でアンティーク・ショップを構えていらっしゃる青山先生、今日の実地講習のために、惜しげもなくお店の貴重な商品を25点もお持ちくださいました。今回は全員女性の受講生でしたので、ジュエリーを見るだけでもテンションが上がるのですが、普通なら「可愛い、キレイ」という感想と共に値段を見ておしまい。ところがこの講習ではこれら25点のジュエリーをまず時代別に並べる、というタスクが課せられました!

コスチューム・ジュエリーとファイン・ジュエリーをまずは区別し、コスチューム・ジュエリーは20世紀のもの、と分けます。これは全員一致で正解です。次にファイン・ジュエリーを時代別に並べていくのですが、これがなかなか難しいですね。受講者のみなさんで「これは…こういう理由でジョージアン」「これは…黒いモーニングジュエリーのジャンルに入るのでヴィクトリアン」「このモチーフはアール・ヌーヴォー」「ローズカットのダイヤが使われていたのは…」「石の裏側が留められているクローズドセッティングだから…」「プラチナが使われた始めた初期だから…」「この原色の配色はアール・デコ時代」とジュエリー史のおさらいをしながら並べてみて、青山先生に答え合わせをしていただきました。

ルーペの使い方についても、宝石・貴金属の鑑定には欠かせないものですが、その使い方の基本を学びます。対象物を動かすのであって、ルーペを対象物に動かしてはいけない、という原則を始めて知ったという方も「見えない…おお、見える、見える、見えてきた!」と感激。

この日は複製芸術と西洋美術について、アール・ヌーヴォーとアール・デコについても学び、ランチは前回行って誰もが「またここに来たい」ということでリピートしたマハラジャの家の中にあるような内装のインド料理店にて。みなさんですっかり仲良くなりました。

2日目は午前に西洋建築と西洋家具について学び、午後は迎賓館・赤坂離宮を監修者・岡部昌幸先生の解説で見学です。岡部先生は渡辺省亭の研究の第一人者でもあるので、花鳥の間にある渡辺省亭と濤川惣助による七宝焼きについての解説には熱がこもります。

館内は先週トランプ大統領が来日していた関係で1週間以上見学不可の期間だったこともあって、今日は普段よりも来館者が多い上に3連休、ツアーで訪れている方たちも大勢いました。

かつては実験的にある部屋のみ写真撮影可、というようなことをやっていたようですが、今日は館内の撮影は不可、そうでないとどこもかしこも撮りたくなってしまいます。というのも、トランプ大統領と高市総裁の会見の写真も既に展示されていて、その時に使われた食器などもありました。内閣府、仕事早いです!

見学にもう少し時間を取りたかったのですが、この迎賓館も、そしてカフェも17時に閉まってしまうため16時過ぎにはカフェ(正式には迎賓館赤坂離宮前休憩所)へ移動、そしてお茶&ソフトクリームパフェで懇親会を行い、修了認定証が岡部先生より授与されました。

新しい鑑定士の誕生です。17時にカフェを追い出されてからも名残惜しく、カフェを出た若葉東公園内で楽しくお喋りに花が咲きましたね。受講者のみなさま、4日間の集中講習に実地講習、お疲れ様でした。

アカデメイア「華やかなアフタヌーン・ティーの誕生〜ヴィクトリアン〜」

7月からスタートしました「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、座学講座はいよいよ最終回になりました。前回のジョージアンから引き続き今回はヴィクトリアン、そしてエドゥワーディアンの治世下における英国の紅茶の世界を青山櫻先生に解説いただきます。

ジョージアンの時代、あまり王権が強くなかったのはドイツ出身の王様が英語がうまく喋れなかったから、なんてエピソードもありますが、政治的にも「君臨すれども統治せず」でしばらくやってきたイギリスも、ヴィクトリア女王の治世になると「君臨し、拡大し、そして文化面で大いに影響を与える」ことになります。

紅茶の世界では、「午後の紅茶」のアイコンでおなじみの第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが始めたとされるアフタヌーン・ティーのお話を通して、茶器だけでなくファッションやマナー、イギリス独特の所作(片手文化)、館の部屋の名前や役割などあらゆる方向から英国文化をご紹介いただきました。

アフタヌーン・ティーによく使われる道具についても、なぜスプーンの底が平なのか、なぜこのフルセットにはフォークがないのの秘密を解き明かし、クロテッドクリームと共にスコーンに塗るジャムは〇〇系であって、××系はNG、といったニッチな情報まで!

全3回を通して俯瞰できた紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティークですが、いよいよ来月は実地研修です。もちろんアフタヌーン・ティーをいただきながら、仕上げのマナーを学びます。もうそろそろ気候的にも温かい紅茶は美味しくいただける季節になりましたね!