3月のパリ海外研修・初日

 3月18日より、公式海外研修がスタートしています。
 

 今回のテーマは家具と室内装飾。18世紀の宮廷から現代までの家具工芸品に焦点を当て、家具の歴史、様式、木材をはじめとする家具素材の流行や変遷、室内装飾のスタイル、マーケットでの市場価格と動向・・・と、アンティーク家具に関する一通りのことを5日間で一気に学ぶプログラムです。
 

 通常の研修では、月曜スタートでまずは歴史などの講義からスタートし、徐々に実際にそれらの作品が収蔵されている場所など関連箇所を見学し、そして最後にアートマーケットの世界を学び、週末にはマーケット巡りなどもどうぞ、という流れなのですが、今回は例外的にマーケットからスタートしました。
 

 理由はというと、年に2回パリ郊外で開かれる「シャトゥのアンティーク市」の最終日が3/18であり、折角3月に研修を行うのであれば、 この歴史ある市・シャトゥに行かない手はない、と思ったからです。
 

 ところが前日3/17からパリは異例の寒波が襲い、雪が舞って来ました。シャトゥの市はイル・デ・ザンプレッショニスト(印象派の島)と呼ばれている、中洲の島にあり、風も吹き付けます。3/18の天気予報も雪、気温も0度を超えるかどうかという寒さです。こんな過酷な気候の中、屋外の市に連れ出して研修生の方達が体を壊しても大変、急遽プログラムを変更することも考えていましたが、「それなら1人ででもシャトゥに行きたい」という参加者もいらして、予定通り決行することにしました。この日を逃すと、確かにマーケット巡りの日がありません。マーケットを見て学ぶ、というのはとても大事な「目利きへの道」なのです。
 

 シャトゥ在住40年近くになる日本人の方が、カイロを持って私たちを待ってくださり、みなさん「寒い・寒い」と言いながらも、最集合の時点では両手にあれこれ抱えて帰ってきました。
 

 

 その後はヨーロッパ最大の蚤の市、サントゥワン(日本の通称名では「クリニャンクール」)へ。午後になっても気温は下がらず、寒いままです。いくつかのマーケットで、それぞれの店主によるスタンドを解説していただいた後は自由解散、屋根のあるマーケットもありますが、それにしても真冬並みです。雪はいよいよ本降りとなり、主催者は知り合いの暖房の効いたスタンドの中で避難させてもらいながら、ご近所ディーラーさんたちとマーケット情報交換をしていました。
 

 その間にみなさんしっかり買い物をされていたようで、「家具を買って、日本への配送手続きをしちゃいました」なんてアッパレな方も!今回の研修生は、どうやら思った以上に勇敢でタフです。
 

 寒〜いながらも、楽しいマーケット散策の初日が終了しました。