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アンティーク検定・2級の準備

 アンティーク検定3級をすでに合格された方、または、どうせならがんばって2級からトライしてみよう、と思っている方、12月の検定試験まで、3ヶ月もあります!ゆっくりマイペースで準備をしていきましょう。
 

 2級の目標は、「ヨーロッパの人々が一般に知っている装飾工芸美術の流れやスタイルを理解し、主な工芸品について、知る」。さて、ヨーロッパの人々が一般に知っている装飾工芸美術の流れって何でしょう。
 

 われわれは日本人ですから、「これは利休の時代の器ですね」とか、「これは明治初期の工芸品ですよ」なんて言われれば、だいたいどんな時代でどんな様子なのか、詳しくはわからなくても、想像がつきます。でも、ヨーロッパの歴史は常に意識しているわけではありませんから、フランスの新古典様式、と突然言われて、それがいつの時代の、どういう特徴で・・・と、すらすら頭に思い浮かべるのには、ちょっとこの世界に入り込む必要があります。
 

 2級は、いきなり4科目も出てきます。
 

 まずは、西洋美術史。西洋の装飾工芸品を理解するのに、西洋美術史の知識がなくてはお話にならないので、これはがんばって流れを理解しましょう。でも、美術史に関しては、巷にたくさんの書物があります。もちろんピカソだけで1冊書かれた本もありますが、通史のようなものを1冊選んで、それをさらっと通読すれば、80%は正答できる問題を出題しています。しかも時代でいくと、ほとんどが17〜19世紀の問題なので、範囲はそれほど広くありません。
 

 本を読んでも頭に入らないなあ、という方は、たとえば美術検定の2級で、西洋美術史のところを解いてみるのもよい方法です。Q&Aだと、自然と頭に入るという説もありますね。(美術検定で、同級をすでに所持している場合は、免除合格になります。)
 

 西洋装飾美術工芸史。ここは、アンティーク検定の中でも要の部分と言えます。西洋美術史のように、1冊ですべてまとまっている本というのは、日本語書籍では残念ながらあまり見当たらないのが現実です。それで、2級の受験を申し込まれた方には、「要点集」をPDF版でお送りしています。要点や語句が箇条書きになっているものですが、知らない言葉があれば、ネットで検索したり、関連する記事を読んだりしているうちに、頭に入ってきます。
 

 陶磁器、銀器、ガラス、宝飾品、家具などがメインですので、興味のある分野の専門書など、手元においてみると、より理解しやすいでしょう。
 

book1 

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 外国語(英語またはフランス語)。これで「もう自分は無理!」と諦めてしまう方も多いのですが、語学の試験では全くありませんので、安心しましょう。アンティークは外国語なんてできなくても、もちろんコレクションできますし、理解もできます。でも、海外に行って、たとえば何か工芸品の展覧会を見て、そこに書かれてる技法などの用語が何を意味するのかわからないと、せっかくの鑑賞も半減してしまいます。出題される問題は、実は日本語でもそのままカタカナだったりして、でもそれってどういう意味?というものも。
 

 過去に出題された問題の一例です。
 

「日本でもリバティプリントなどで知られる、室内装飾を手がけたデザイナー、William Morrisは、どの時代の人でしたか?」
 
A ( )Tudor
B ( )Victorian
C ( )Georgian
D ( )Edwardian
 
 William Morris = ウィリアム・モリス、Tudor = チューダー朝、Victorian = ヴィクトリア朝、Georgian = ジョージア朝、Edwardian = エドワード朝、ですから、語学の試験というよりは、やはり西洋装飾美術工芸史を、ちょっと英単語を使って問いているわけです。
 

 要点集には、辞書のように語句が羅列してありますが、ビビらなくても大丈夫。この全部の意味が正確にわかれば、もう立派なアンティーク鑑定士ですから。
 

 最後に、現代時事アンティーク。
 アンティークが好きなんだから、現代時事なんてどうでもいい?いえいえ、たとえばアンティークの市場というのは、その時代によって変化しています。今はミュージアムピースとされるアール・ヌーヴォーのお高い作品も、ある時期には「粗大ゴミ」扱いされていたって、ご存知でしたか?今の日本で、どんな骨董市が開催されているか、知っていますか?今年、装飾美術工芸の分野で、どんな展覧会がどこで開催されたのか、何か見ていますか?世界的なアートフェアやアンティークフェア、知っていますか?
 

 やはり同時代としてのアンテナを張っているのは大切です。いくら18世紀が大好きでも、いまは21世紀。現代のアート展は興味ないなあ、と言っても、いま私たちが古典とかアンティークと呼んでいるものは、その時代には最先端の現代アートだったわけで・・・。
 

 もっともアートに興味があれば、駅のポスターなどを見て、「へえ、いまXX展がやっているんだ」程度の好奇心は入ってきますよね。そんな程度で大丈夫です。
 

 2級というのは、たとえば英検でいえば、まあ英語でちょっとした会話ができるレベル、簿記なら企業会計を担うレベス、漢字検定では常用漢字がすべて読み書き活用できるレベルです。アンティーク検定2級は、ヨーロッパの装飾工芸品についての有識者、ということになります。アンティークの専門家・鑑定家第一歩となるこの検定、ぜひ挑戦してみてください。
 
 

アンティーク検定・3級の準備

 前回の続きです。
 

 アンティーク検定の試験に受かるための勉強は、何をしたらよいのか?
 

 まず、3級の目標は、「西洋アンティークに関する入門的な知識を持ち、コレクションを楽しめる」ところにあります。受験科目は、「西洋アンティーク入門史(ごく基本的な西洋美術史を含む)」です。
 

 美術史なんて忘れちゃったよ、あるいは、勉強したことないよ、という方も多いかもしれませんが、西洋アンティークを学ぶのに、西洋美術史を理解するのは、とても有意義なことです。おや、このティーカップ、これはロココスタイルですね、と言われたとき、ロココとはいつの時代の何なの?という理解を避けて、ロココスタイルを論じることはできませんから。
 

 とはいえ、3級の西洋美術史は、まあクイズみたいなものです。
 年号や細かい詰め込み知識は必要ありません。重箱の隅をつつくような問題も出題されません。
 

 美術史を勉強したことがない、という人は、何でもよいです、1冊で完結する、簡単な西洋美術史の本を1冊手に入れましょう。「はじめての」とか「入門」とか名のつくもので十分です。マンガ西洋美術史、なんてのもあります。基礎知識がある程度ある方は多少掘り下げた内容の本でもよいかもしれません(これは2級にも役立ちます)。本の選び方は、自分の知識と文体に合ったものを選ぶことが大切です。楽しく読めない本は、やめましょう。図版の少ない本は、ちょっとしんどいかもしれませんね。
 
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 アンティーク検定に出題される範囲は、中でもルネサンスから、20世紀中頃まで、です。
 基本は17〜19世紀、と思っていただいて大丈夫です。
 

 大切なのは、名前や年号を詰め込むことではなく、内容を理解すること。「モネ、イコール、印象派」、という覚え方ではなく、印象派ってどういう作風なのか、どうしてこう呼ばれるのか、そんな風に考えながら、読み進めてみましょう。1冊読み終わると、なんとなく西洋美術史の流れが、おぼろげながら頭に入っているはずです。
 

 次に、アンティークの入門的な勉強をしてみましょう。
 

 陶磁器、ガラス、銀器、家具、ジュエリー、その他いろいろなアイテムがありますが、アンティークショップやアンティークマーケットなどに足を運べば、よく出てくる「表現」に出会います。たとえば、「スターリング・シルバー925」と書いてあれば、それは何を意味するのか、「クリスタル」とあれば、クリスタルはガラスとどう違うのか・・・。
 

 アンティーク検定を目指すくらいですから、家にアンティークの何かをお持ちではないですか?
 カップボードに仕舞ってある、アンティークのカップ。裏返してみたら、なにやらマークが入っています。このマークはどこの窯のものなのだろう、いつぐらいのものなのかしら、と知りたくなってきます。
 

 アンティーク全般に関して、1冊読めば全部網羅されています、という教科書は、残念ながら存在しません。陶磁器一つをとってみても、一つの窯につき本が出ているくらい、ある意味ニッチな世界です。本屋さんで、美術、あるいは工芸、といったジャンルの売り場にいけば、「エミール・ガレの作品と生涯」とか「ウィリアム・モリス」とか「ヨーロッパの陶磁」といった本は見つかります。自分の興味のある分野の書物は、1冊くらい手に入れてもよいと思います。
 
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 西洋美術史のようにお手軽な1冊こっきりの参考書はないのですが、全く何も持っていないし、何を読んだらよいかわからない、という方は、当協会の3級公式ハンドブックをお求めください。薄いハンドブックで、押さえるべきポイントが完結に記されています。このハンドブックは、3級用ではありますが、さらなる上位級にも対応できるように作成されています。ダウンロード版公式ハンドブックもありますが、紙で所有していた方が後々便利でしょう。出願時に、同時に申し込むことができます。
 

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 繰り返しますが、3級は入門級です。
 勉強しなくても誰でも名前さえ書けば受かる、とは言いませんが、興味を持って、ハンドブックを手に入れて1ヶ月ほど、空いた時間を費やして理解していけば、大抵は合格します。
 

 独学だとサボっちゃうし頭に入らなくて・・・と思ったら、検定のための対策講座を是非受講してみてください。10月より、各スクールで新しいシリーズがスタートします。また月1回のAEAOサロン倶楽部でも、楽しくアンティークを紐解くサロンを開催しています。検定試験の前日は、直前対策勉強会がありますので、一夜漬けの得意な方は、有利ですよ!?
 

 (つづく)

第5回アンティーク検定、要項発表!

 まだまだうだるような暑さが続く日本列島ですが、夏が終わったら、「勉強の秋」の季節。あらたに何か始めよう、という気になっている方も多いのではないでしょうか。ヨーロッパでは、新学年が秋からスタートすることもあって、新しく習い事を始めるのも、この季節ですね。
 

 さて、次回第5回アンティーク検定の要項が発表になりました。試験日は、12/4(日)。4ヶ月後には、この暑さから、暖房を入れている季節になっているんですね・・・。
 
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 要項パンフレットは9月初旬より、各関係機関へ配布の予定です。また当サイトでも要項を発表しています。(第5回アンティーク検定のお知らせ
 

 ときどきお問い合わせがあるのですが、「何を読んで勉強したら受かりますか?」という質問、これはなかなか主催者泣かせの質問です。
 

 巷によくある検定試験と名のつくものは、教科書があって、そこから7割は出題されます、という形式でしょうか。日本人は小さいころから、英検をはじめ、こういう教科書ありきの検定試験の形式に慣れているので、何かないと不安だ、という気持ちはとてもよくわかります。最難関とも言われる司法試験でさえ、六法全書という、(すべてを暗記し、詰め込むにはものすごい労力を必要としますが)教科書が存在します。
 

 しかし、当検定試験は、記憶力や、知識を詰め込むことに重きを置いていません。
 

 ある人が日仏両国で運転免許を取得し、日本の運転免許の学科試験は「知識」であり、フランスの運転免許の学科試験は「理解」だ、と言った人がいます。
 わたしたち日本人は、運転免許を取得したら、外に出て運転をします。何十年も安全運転で、交通法規を守っているドライバーはたくさんいますが、そういう人たちから、「今、もう一回学科受けても受かる自信がない、あれは前日に丸暗記して覚えるものだから」という声が聞こえてきます。
 

 こういう知識詰め込みの試験をする意味は果たしてあるのか・・・運転免許や司法試験は国家資格ですから、ある程度仕方のないことかもしれません。でもアンティーク検定は、民間資格であり、趣味をより楽しめるという目的で存在しています。
 

 もちろん最低限の知識は、何事にも必要です。本を読むには漢字や熟語の意味を知らなくてはいけないように、大河ドラマを見るのに、江戸時代とはいつのどういう時代だったのかを知らなくてはいけないように。18世紀中頃のアンティーク工芸品を理解する場合、18世紀の中頃とはどういう時代だったのか、世の中のトレンドはなんだったのか(どんな様式が流行っていたのか)、それは後世、どんな名称で呼ばれるものなのか・・・そんな基礎知識を避けて、アンティーク工芸品を理解することは、ちょっと残念です。
 

 さて、それではアンティーク検定の準備はどうしたらよいのでしょう。
 

 次回からのブログで、各級別にお話していきましょう。
 
 

第4回アンティーク検定を振り返って

 6/26(日)にアンティーク検定を受験されたみなさま、大変お疲れ様でした。
 3級、2級の受験者につきましては、採点が終了いたしましたので、順次合否通知を発送しています。お手元に届くまで、どうぞお待ちください。
 

 大人になってまで、試験を受けたり、合否判定で落とされるって、なんだか嫌ですよね。趣味で愉しみたい分野で、嫌な気分になるなんて・・・。ということで、本検定には、敗者復活戦もあります。知らなかったことは、後から知って身につければよいのです。試験は、体系的に学んだ西洋装飾美術の世界を確認する場、という位置付けで行っていますので、あまり構えずに、今後も是非チャレンジしていただければと思います。
 

 次回第5回のアンティーク検定は、現在会場・日程を確保しているところです。決まり次第、HP上にてお知らせしますので、少々お待ちください。
 

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アンティーク検定・対策講座のご紹介 〜目黒学園カルチャースクール〜

 アンティーク検定対策講座の1つ、目黒学園カルチャースクールのご紹介です。
 
 
【4月期の講座:月曜日 19:00〜21:15】
 

4月4日(月)
西洋装飾美術の様式の変遷 ~建築と家具と工芸品と~
 

4月18日(月)
西洋茶道具&西洋酒器 ~デミタスカップからリキュールグラスまで~
 

5月6日(月)
アール・ヌーヴォーとアール・デコ~世紀末から20世紀のスタイル~
 

6月20日(月)
第4回アンティーク検定直前対策「これだけは憶えておく!」
 
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 目黒学園カルチャースクールの授業は、夜。お勤めをしている方を対象に、19時開講としています。今学期は4回のため、1回当たりの授業時間は長めですが、途中で休憩をはさみます。
 

 昼間、お仕事をしている方にとって、夜にどこかに移動して勉強をするのはなかなか体力も気力も大変なもの、しかし敢えて月曜日に開講していることで、週の最初なら頑張れる、という方が多いのも事実です。また、このスクールはJR目黒駅、東急目黒線、東京メトロ南北線の目黒駅からすぐ、という、非常に便利な立地です。
 

 毎回、誰かがお仕事の都合で遅れたりしますが、大丈夫、全く問題ありません!また時には、受講生のみなさんで終了後にお茶や食事をしながら、コレクション談義、旅行談義などをし、仲良く楽しく、行っています。また、他のスクールに比べて、男性率が高いのも、夜の授業ならではでしょうか。
  
 最後の授業は、いよいよ第4回アンティーク検定に向けての、直前対策講座。その週の日曜日が検定試験ですから、もうこの時点では、あとは記憶の引き出しを開ける練習を重ねるのみです!
  
 はじめてアンティークの講座を受講する方も、大歓迎です。
  
 お申し込み、お問い合せは、直接目黒学園カルチャースクールへ。