南仏の美術三昧な日 <DAY7>

昨夜のディナーが終わったのは深夜、ホテルに戻ったら日付が変わっていたのですから流石に今朝はもうぐったり、朝食も食べられるかしら、とやや遅めの朝食ルームに降りていくと、みなさんそれでも旅行中は頑張れるのか「昨夜は夢のようなひとときでしたね」と語り合いつつ朝のコーヒーを。

今日のオプションは美術館三昧です。午前中にニース市内のシミエ地区にあるマティス美術館とシャガール美術館を見学、ここはガイドブックにも載っている定番の美術館ですからすでに訪れたことのある人も多いのですが、何十年も経つと記憶もちょっと薄まってきて…

このところ美術品を破壊する人たちへの対策か、南仏の美術館はセキュリティがしっかりしていて水などの飲み物を禁止しているところが多いのだとか。そのためバスの中で水分を補給し、ペットボトルを置いていく、ということになります。

マティスの美術館はニース市立で、マティスが最期を迎えたアトリエと、彼が眠るお墓の近くにあります。

マティス自身のコレクション(陶磁器や銀器)も展示されていました。

その後はすぐ近くのシャガール美術館へ。修復中で一部見学ができないルームがあったためか、なんと無料!でもロープ越しにほとんど見られました。

2館をたっぷり見学した後はホテルに一旦戻り、1時間半ほどのフリーランチタイム。もうさすがにバターやクリーム系の食事はできないな、ということでアジア食に向かった人が多かったようです。大きな街ならどこにでも中華のお惣菜屋さんがあるのは、我々日本人にとっても有難いことです。

午後はホテルから5分ほどバスで行った場所にあるマセナ邸(マセナ美術館)へ。1898年~1901年、ナポレオンの有名な将軍でありニース出身のアンドレ・マセナ公爵の子孫によって建設、19世紀後半の華麗な建築様式にベル・エポック時代の典型的なデザインが見られます。ホテル・ネグレスコのある地区にあり、この辺りには高級アンティーク店もある地区です。

美しいフレスコ画や豪華なシャンデリア、19世紀フランスの家具や装飾品が展示されていました。

その後はお隣の町、カーニュ・シュル・メールにあるルノワールの家へ。ルノワールのかつての自宅兼アトリエが美術館になっています。

日本人画家の梅原龍三郎が、ルノワールに会いにこの家を訪れているようです。
ルノワールが実際に使用していた家具なども展示されていて、まるでルノワールがまだ生きているかのよう。

高台のルノワールの家からオリーブの木や海を眺めていると、ルノワールの画風の情景が浮かんでくるようです。

カーニュ・シュル・メールからニースのホテルに戻り、最後の夕食です。夜はホテルから歩いて行ける距離にある、日本人夫婦が営んでいる評判のよい地中海フレンチのお店 L’eau de Vie へ。

19時の予約でしたが、ほとんどのお客さんが予約と共に入店、ほどなくして満席状態になっていました。ムッシューが一人で料理を担当、すべてこの地域の食材で手作り、マダムがフロアを担当されていて、日本語でのメニューも準備してくださり、みなさんどことなくホッとした顔つき。最後のフェアウェルディナーですので、この地方のロゼで乾杯し、研修旅行最後の夜を一緒に愉しみました。

夕食後、夜の海を見に行ってみようか、とプロムナード・デ・ザングレ(イギリス人の遊歩道)の辺りへ行くと、なんと泳いでいる強者たちが!4月に入ったばかりというのに、地中海の夏はもうそこまで!