鳩山会館で、様式建築を知る

 9月のAEAOサロン倶楽部は、フレンチ・ビストロでランチを食べながら、西洋建築に関するミニ・レクチャーを行なった後、鳩山会館を見学するというコースで集まりました。
 
 
 

 月1回のサロン倶楽部、春と秋の季節のよい時期には、東京近郊に残っている洋館を見学しながら、明治〜昭和初期の建築を通して装飾を学んでいこう、という試みです。
 

 西洋の中でも西欧、つまり東ローマ帝国の流れを含まない側の建築には、古典系と中世系、主に2種類の流れがありました。柱を中心とする古典系と、壁を中心とする中世系、そのどちらもが19世紀後半には西欧で等価値となり、歴史主義が起こっていました。
 

 一方、屋根の美しさを美としていた日本の建築が、海外から影響を受けた時期は大きく2つあります。1つは6−7世紀の仏教建築、そして明治〜昭和初期の西洋からの建築です。後者の時期がちょうど歴史主義の時代と重なっており、従って日本にある西洋建築は、ネオ・バロックだったり(迎賓館・赤坂離宮)、ネオ・ルネサンスだったり(東京駅)、ネオ・ゴシックだったり(大学)、といろいろな様式建築なのですね。
 
 

 その様式建築の名手と言われた岡田信一郎氏の名建築、鳩山邸。当時としては珍しい、鉄筋コンクリート造の洋館です。この時代、お屋敷を竣工する特権階級は、和館と洋館の融合を試みていましたが、鳩山邸は洋館単独型として建設され、離れに和館を建てていました。アダムスタイルの応接間など、イギリスの邸宅を思わせる雰囲気です。
 

 桜またはバラの季節(春のバラ、秋のバラと2回)に訪れるのがベストですが、剪定したばかりのこの時期は、逆に建物がゆっくり見られて、とてもゆったりした時間と空間でした。
 
 

 
 

 また「洋館めぐり」をAEAOサロン倶楽部で開催したいと思っています。