8月のAEAOサロン倶楽部は、今年12月をもって再開発事業計画により営業終了となる学士会館の建物見学に参加させていただきました。この建物見学ツアー、前々月に抽選による完全予約制の申し込みが開始されるのですが、予約開始時間と同時に申し込んでも秒で受付が終了してしまいます。今回は奇跡的に当協会で6名の枠が取れ、学士会館をはじめ神保町界隈を知り尽くす会にしてみました。
朝10時にフロント集合ということで我々は10分前に招集をかけたのですが、総勢10名のツアーのはずなのにどうも人が多い…どうやらあまりに多くの申し込みがあり、今日は特別に4本のツアーが作られたということでした。
私たち6名と、他の方々で1グループとなり、学士会館のベテランスタッフの方に案内いただきます。
すでに営業終了となってしまった、フランス料理レストラン「ラタン」の内部。チューダーゴシック装飾です。何度か当協会でも奥の個室を借りてサロンを開催しましたが、クラシカルな内装にゆったりした配置、お料理も尖ったものはなく安定した伝統的フレンチ、是非また復活してほしいです。
ここにポール・シニャックの絵があったのですが、今は取り外されて保管されているとのこと。
かつて正面だった旧館側の階段広間は人造石張りの十二角形の柱に、KAWAIのオルガン。
201号室のロビーとエレベーターホールを分けるアーチの装飾も素敵。
建設当初の姿をほぼ残しているという201号室、ドラマ「半沢直樹」に使われた土下座部屋で有名になりましたね。
色々な部屋を見せていただきましたが、神殿もありました!そして今日はお天気も良いということで、なんと屋上にも上がらせていただきました。
96年前のこの魅力ある建物、その後どうなってしまうのか尋ねたところ、白山通りの拡張計画(都市計画)に伴いまず新館を解体、そして旧館を曳家保存するとのこと、7メートルくらいセットバックするのだそうです。少しずつ慎重に曳家工法で動かす、その過程を時々神保町に出かけた際に見ていくことにしましょう。
記念碑も再開発でどうなってしまうのか、今の段階では不明なようでした。
旧帝大とされる7大学のOBクラブの学士会館の斜め横に、今度は一橋大学の「如水会」の建物、如水会館があります。如水という言葉は渋沢栄一が命名したそうです。こちらの建物の竣工は学士会館より早い1919年でしたが、関東大震災で被災し、大正末に全館修復、その建物も1979年に解体し新会館が竣工したのは1982年、比較的新しい建物なのですが、外観もロビーもクラシカルな雰囲気で、アンティーク好きの我々には落ち着きます。
ランチは1Fにあるカフェ&パブ マーキュリーでコースランチを。現在運営は東京會舘が受託しているのですが、デザートはオプションで東京會舘の名物「マロン・シャンテリー」にしてもらいました。初代製菓長がモンブランを日本人向けにアレンジして発案したと言われるこのスイーツ、全員ペロッと完食。そしてお店の方から私たち全員にマドレーヌをお土産に頂いてしまいました。
食後、強い日差しの中、日陰を求めながら少しだけすずらん通り界隈をみなさんで散策。
明治20年創業の「文房堂」の外観、そして小学館運営の映画館「神保町シアター」、2Fに「神保町よしもと漫才劇場」が入っています。有名な喫茶店「さぼうる」も。
新旧の建物が入り混じる神保町、古き佳きものを上手に残していってほしいものですね。