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「ジョージアンのマナーハウス」のヴァーチャルツアー!

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」(青山櫻先生)第2回目は、ジョージアンのマナーハウスについて学びました。「マナー」とはお作法のマナーではなく、manor = 荘園という意味で、元々は領主の屋敷だったところです。

マナーハウス、アビー、プライオリ、キャッスル、ホール、パレス等々さまざまな名前が付いている建物の違いやカントリーハウスとタウンハウスのなどのイギリス独特の表現や、建物だけでなく庭や噴水なども含めた構成を、有名な建築デザイナーの紹介とともに解説いただきました。規模を知るにはやはり東京ドームを基準にして「何個分」という比喩を使うのですが、「ここは東京ドーム〇〇個分です」と、維持管理が如何に大変かが想像できる屋敷がイギリスには散らばっています。

イギリスは領土的には小さな島国で日本の3分の2くらいの国土面積しかないのですがこのようなかつてのマナーハウスが多く残っており、青山先生によると「貴族であろうと相続税は普通に課税されるため、映画撮影に貸し出したり博物館にしたりと、その費用を捻出するのも大変」なんだそうです。

そんな説明を一通りいただいた後、映画「ダウントンアビー」に登場するハイクレア城の内部について、詳しいご紹介をいただきました。実際に訪れ城内でディナーをされたという体験を、建築や家具、テーブルウェアに至るまでつぶさに観察いただき、マナー(作法)の視点やアンティークの視点を解説してくださいました。

イーストナー城の内部もビデオと共に見せていただき、「イギリスのお城」と一口に言っても本当に様式から成り立ち、現在の活用方法もさまざまだということを知った講座でした。

次回はタウンハウスについて学びます。カントリーが本宅、タウンが別荘扱いというイギリスならではの愉しい視点ですね。

新アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」がスタート

2026年1月より、新アカデメイアが始まりました。イギリスの建築を3回で学び、そして4回目に旧前田侯爵邸を見学するというシリーズ、講師は前アカデメイアに引き続き認定スペシャリストの青山櫻先生です。

第1回目はロンドンの建築物を見ながら、イギリスの建築様式について学びました。一般的な様式名「バロック様式」「新古典様式」ではなく、建築特有の様式の名称があります。その中でもイギリスに特化した呼び方、たとえば「チューダー様式」「ジャコビアン様式」「パラディアン様式」といった様式名、実際にどのような建造物がこれらに当たるのか、同時代のものとリヴァイヴァルのもの、それぞれの様式が生まれた歴史的背景や特徴などを教わりました。

よくヨーロッパの古い建物で窓が潰されている建物を見たことがありますよね。これは住宅の窓の数に応じて課される固定資産税の一種で、イギリスで最初にできたようです。そして窓を潰してしまったことにより部屋が暗くなると、今度は部屋を明るくするためにミラーを家具に取り付けるようになります。アンティークの家具で、下部にミラーがついているのはそういう事情があったのですね。

ノルマン様式から戦後のモダン様式まで1000年の建築を俯瞰した後は、最初に見たロンドンのアイコン的な建物の様式おさらい。みなさん消化できたようで、正解続出でしたね。

次回はマナーハウスについて、その構造やマナーハウスのマナーについても教えていただきます。本アカデメイア、オンデマンドでもご受講いただけます。

実地研修「アフタヌーン・ティー」はベリーズティールームにて

9月より行いましたアカデメイア「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、総集編の第4回はいよいよ実地研修です。今回は浜田山にあるベリーズティールームさんの個室を予約、こちらで行わせていただきました。

井の頭線・浜田山の駅からすぐの場所、可愛らしい入口もあまりに街並みに溶け込んでいて、見落としてしまいそう。

2階に上がると、そこは英国のティールーム! みなさん上がって来られると「わぁ、素敵」と、どこもかしこも写真に収めたくなってしまう可愛らしいインテリアです。

青山先生も登場し、12時スタートにていただきます。まずは楽しい紅茶選びから。こちらのお店に詳しい青山先生より、それぞれの紅茶の特徴などを説明いただき、迷って迷ってのチョイス。英国と言えばアガサ・クリスティが好んだと言われる「ラプサンスーチョン」もありました。ポワロが飲んでいるシーンもありましたね。燻製の香りが正露丸臭い、などと言う人もいますが、ヨーロッパでは高貴な人たちに好まれるという話に、敢えてこれを選んでみた方たちも。

今回の主旨は、ただアフタヌーン・ティーを楽しくいただく、だけではありません。これまでに学んだ歴史をベースに、現代のアフタヌーン・ティーの事情が世界的にどうなってきているのか、なぜ3段トレイが出てくるのか、カトラリーはどう使うのか、カップの持ち方はどうなっているのか…これまで勝手に思い込んでいたことの誤解、丁寧な所作だと思っていたことの誤解、その他疑問に思っていたこと、聞けなかったことなどを青山先生が解き明かしてくださいます。

「スコーンナイフでスコーンを半分に切る、と思っている方が多いのですが、元々スコーンは手で割るんです、そして奇麗に割れるように作られているんですよ」とスコーンを半分に割る実践まで。全員ちゃんと出来ましたよ!

クリームが先かジャムが先か論争、ミルクを入れるのか入れないのか論争、ハイテーブルでなくローテーブルでいただく場合のマナー、紅茶ポットの扱い方、と話題は尽きませんが、そもそもアフタヌーン・ティー自体がベッド脇でちょっとお腹が空いたのでお菓子をつまんじゃおう、というカジュアルな行為から始まっただけに、堅苦しいマナーではないのですね。背筋を伸ばしてカトラリーを両手で駆使して、というものではなく、気軽に手でつまんで、というアットホームさだったものが広がっていくと、ちょっとうんちくを言いたくなる人たちが出てきて、という発展なのでしょうか。

青山先生も「最初にセイボリーをいただくのは基本ですが、その後甘い物ばかりが続くので、予め少ししょっぱいものを残して途中でお口直しを、いうのも手ですね。これを絶対にしてはダメというマナーの先生もいらっしゃいますが…」と、みなさんやはり味変しながら楽しみたくなりますよね。

日本ではアフタヌーン・ティーのブームがここ何年か続いていますが、それぞれのところが季節ごとにテーマを設定して、そのテーマにちなんだフーズやペイストリーを出すところが増えています。今回のこちらのアフタヌーン・ティーのテーマはハロウィンでした。

2時間たっぷりかけてレクチャーと共にいただいたアフタヌーン・ティー、最後にはこちらのお店で紅茶やスコーン、クランペットなどのお買い物も楽しみました。

お店を出ると外はちょっと小雨になっていましたが、急に寒くなったこの季節、美味しい紅茶とティーフーズで胃も心も温かくなりましたね。

アカデメイア「華やかなアフタヌーン・ティーの誕生〜ヴィクトリアン〜」

7月からスタートしました「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、座学講座はいよいよ最終回になりました。前回のジョージアンから引き続き今回はヴィクトリアン、そしてエドゥワーディアンの治世下における英国の紅茶の世界を青山櫻先生に解説いただきます。

ジョージアンの時代、あまり王権が強くなかったのはドイツ出身の王様が英語がうまく喋れなかったから、なんてエピソードもありますが、政治的にも「君臨すれども統治せず」でしばらくやってきたイギリスも、ヴィクトリア女王の治世になると「君臨し、拡大し、そして文化面で大いに影響を与える」ことになります。

紅茶の世界では、「午後の紅茶」のアイコンでおなじみの第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが始めたとされるアフタヌーン・ティーのお話を通して、茶器だけでなくファッションやマナー、イギリス独特の所作(片手文化)、館の部屋の名前や役割などあらゆる方向から英国文化をご紹介いただきました。

アフタヌーン・ティーによく使われる道具についても、なぜスプーンの底が平なのか、なぜこのフルセットにはフォークがないのの秘密を解き明かし、クロテッドクリームと共にスコーンに塗るジャムは〇〇系であって、××系はNG、といったニッチな情報まで!

全3回を通して俯瞰できた紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティークですが、いよいよ来月は実地研修です。もちろんアフタヌーン・ティーをいただきながら、仕上げのマナーを学びます。もうそろそろ気候的にも温かい紅茶は美味しくいただける季節になりましたね!

コーヒーVS紅茶で見る、英国のジョージアン時代

8月のアカデメイアは先月よりスタートしています「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」の第2回、青山櫻先生(当協会認定スペシャリスト&アンティークショップ「ヴィオレッタ」のオーナー)による「紅茶派?コーヒー派?2つの潮流〜英国の革命からジョージアン」についてのお話です。

イギリスと言えば紅茶でしょ、というのは今や誰もが口にしますが(そして実際にイギリスの硬水で淹れる紅茶は美味しい!)、実は元々イギリスはコーヒーの国だった、というのはお茶やコーヒーについて多少学んだことのある人なら知っている事実、こんな書籍も青山先生に紹介いただきました。

そういえば保険会社のロイズも元々はロイドのコーヒーハウスから生まれたのでしたね。

ウィリアム・ホランド「ロイズ・コーヒーハウス」

なぜお茶ではなくコーヒーだったか、それは単純にコーヒーの方がはるかに安かったから。コーヒー1杯が1ペニーに対して紅茶は4ポンド、貨幣単位が変わるほど紅茶が高価だったからなのです。コーヒーの1ペニーは庶民でも払える金額、それでコーヒーハウスに入って知識や情報を身に付けることができたので、ペニー大学と呼ばれたりしたのですよね。

やがて英欄戦争、ボストン茶会事件、イギリスの紅茶のインドでの栽培成功などでイギリスにおける紅茶の値段が下がっていき紅茶が主流になっていくのは次回のヴィクトリアンの時代になるのですが、ジョージアンの時代にはコーヒーと紅茶が拮抗していた時期、そのためかこの時代に作られたカップやポットにはコーヒー用、紅茶用とあって、その違いやカップのソーサーを兼用していた例なども実際の茶器を見せていただきながら解説いただきました。

日本の所作として、片手で何かを行うのは失礼、両手を添えて、というのがありますが、例えばイギリスでティーポットから紅茶を注ぐのは片手で行い、もう一方の手にはカップを持ちます。そうするとポットの蓋が落ちそうになる…と思うのですが、実は英国の銀製ポットはほとんどが蓋の部分は蝶番で本体に付いています。また陶磁器の場合、蓋の部分に小さな突起があり、セッティングする場合は必ずその部分の向きをハンドル側に付けることで、蓋は落ちないようになっています。これ、日本の急須や日本製のティーポットには付いていないことが多いのですが、英国のものは必ず付いているのだとか。

そしてマナーによる視点として、ミルクが先か紅茶が先かの果てしなき論争、ロイヤルファミリーのカップの美しい持ち方などもご披露いただきました。こればかりは慣れや育ちもあり、普段からマグカップや紙コップでしか飲まないとなかなか身に付きませんね!

今回見せていただいた茶器のあれこれですが、青山先生のショップ「アンティークス・ヴィオレッタ」にてご覧いただけます。また同ショップにて今月末8月30日~31日の2日間、特別イベント・夏のマルシェを開催、夏の特別ドリンクやお菓子と共に普段はショップにないアンティーク&雑貨が放出されますので、どうぞお越しください!