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イギリス貴族とタウンハウスのおはなし

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」第3回は、青山櫻先生より「タウンハウスと社交 〜その役割と都会での生活〜」のテーマについて解説いただきました。

少しイギリス文化を齧ったことがある人ならだれでも知っている、「カントリーハウスは貴族の領地の本邸、タウンハウスはロンドンの別邸」ですが、ロンドンがなぜセカンドハウスなのか…それは、議会政治と関係があるというお話から始まります。

イギリスの爵位がいつどこから始まったのか、現在公・候・伯・子・男はそれぞれ何家くらいあるのか、そして王家との関わりや役割は何か、一代貴族と呼ばれる騎士の称号とは、と王室や貴族のヒエラルヒーについて学びます。紅茶のアール・グレイとはグレイ伯爵という意味ですが、伯爵の好んだ茶葉がそのまま品名になりましたね。

イギリスの貴族は貴族院の議員ですので、議会が開催されている間、各領地の貴族たちはロンドンに住む必要があります。その際単身赴任ではなく、奥様やお子様、使用人なども一緒に連れて来て、社交を愉しむ、というより義務として社交をします。舞踏会、観劇、お茶会、競馬…そんな社交の場で、それぞれドレスコード、マナーコードが作り上げられていくのですね。

こちらはかつてのスペンサー家のタウンハウスですが、現在はロスチャイルド家が管理をしており、週末だけ一般公開されているようです。インテリアを見るとロスチャイルド色が表れていますね。

セカンドハウスとはいえ、ロンドンのタウンハウスを庭も含めて維持していくのは大変なもので、やがてタウンハウスを共有で持ちましょうというアイデアからクラブハウスというシステムが生まれます。会員制社交クラブであり、ほとんどが男性専用のジェントルメンズ・クラブですが、中には女性も可のところや女性専用のクラブハウスもあるようです。そして、基本は泊まれる宿泊施設となっているのだとか。ホテルではなくこんなところに泊まってみるのもイギリスの貴族になった気分が味わえますね。

3回の座学講座を通して学んだイギリスの建築、その集大成として来月は実地見学会です。残念ながらイギリスに行くには遠すぎますので、旧前田侯爵邸本邸洋館を訪れたいと思います。オンライン講座・オンデマンド講座でご受講いただいたみなさまと、リアル懇親会を楽しみにしています!

「ジョージアンのマナーハウス」のヴァーチャルツアー!

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」(青山櫻先生)第2回目は、ジョージアンのマナーハウスについて学びました。「マナー」とはお作法のマナーではなく、manor = 荘園という意味で、元々は領主の屋敷だったところです。

マナーハウス、アビー、プライオリ、キャッスル、ホール、パレス等々さまざまな名前が付いている建物の違いやカントリーハウスとタウンハウスのなどのイギリス独特の表現や、建物だけでなく庭や噴水なども含めた構成を、有名な建築デザイナーの紹介とともに解説いただきました。規模を知るにはやはり東京ドームを基準にして「何個分」という比喩を使うのですが、「ここは東京ドーム〇〇個分です」と、維持管理が如何に大変かが想像できる屋敷がイギリスには散らばっています。

イギリスは領土的には小さな島国で日本の3分の2くらいの国土面積しかないのですがこのようなかつてのマナーハウスが多く残っており、青山先生によると「貴族であろうと相続税は普通に課税されるため、映画撮影に貸し出したり博物館にしたりと、その費用を捻出するのも大変」なんだそうです。

そんな説明を一通りいただいた後、映画「ダウントンアビー」に登場するハイクレア城の内部について、詳しいご紹介をいただきました。実際に訪れ城内でディナーをされたという体験を、建築や家具、テーブルウェアに至るまでつぶさに観察いただき、マナー(作法)の視点やアンティークの視点を解説してくださいました。

イーストナー城の内部もビデオと共に見せていただき、「イギリスのお城」と一口に言っても本当に様式から成り立ち、現在の活用方法もさまざまだということを知った講座でした。

次回はタウンハウスについて学びます。カントリーが本宅、タウンが別荘扱いというイギリスならではの愉しい視点ですね。