ガウディの家具を見てガウディを考える

アカデメイア「60分で紐解くアンティークの名品」第2部の最後の回は、ガウディの家具について行いました。ガウディと言えば誰もが知っている「サグラダ・ファミリア」、完成までに300年かかると言われていた教会建築ですがどうやら2026年には完成予定とのこと、現在生きている人たちの多くが生きている間に完成を見届けることができそうです!

世紀末〜20世紀初頭にかけて、ヨーロッパの至るところで新しい芸術の兆しが起こりました。総称してアール・ヌーヴォーと呼んでいますが厳密にはこの呼称はスペイン・ベルギーのフランス語圏での表現であり、ガウディが活躍したスペインではモデルニスモ、しかもモデルニスモはバルセロナを中心とするカタルーニャ地域で興っていましたので、カタルーニャ語で「ムダルニズマ」と呼ばれています。このムダルニズマを代表する建築家がガウディであり、そしてガウディは建築だけでなく室内装飾・インテリアのデザイナーでもあったので、ガウディのデザインした椅子をはじめとする家具が残されています。

カルヴェ邸のためにデザインしたアームチェア

ガウディの生き様、求めたもの、当時のバルセロナの社会・経済背景、街づくりの計画、いろいろな視点でガウディを眺めてみました。

ちょうどこの今、バルセロナのカタルーニャ美術館でガウディを再考する展覧会が開催されています。3月までですので、なかなか行く機会もないかもしれませんが、その後この展覧会はパリのオルセー美術館へ巡回します。

今回にて「60分で紐解くシリーズ」第2部は終了、来月からは「60分で紐解く絵画」シリーズがスタートします。お申し込みをお待ちしています。

秋の遠足、横浜山手西洋館を巡る旅

今日は昨日の荒天から一転して秋晴れの穏やかな日、まさに遠足日和でした。

5月に計画していたAEAOの遠足シリーズ、春の「笠間で語ろう 〜夢二×ローランサン 乙女の夢はアヴァンギャルド展〜」は残念ながら緊急事態宣言により中止となってしまいましたが、秋の「横浜山手西洋館を巡る旅」は無事催行できました。普段オンラインでお互い顔は見ていても、リアルでの集まりはやはり楽しいものですね。

お昼前に元町・中華街駅のアメリカ山公園からスタート、岩崎博物館、山手111番館、大佛次郎記念館、横浜市イギリス館と回り、庭や花もたっぷり堪能した後は、山手十番館にてフレンチ・フルコースのランチ。

みなさんやはりこの1年、外食はそれなりに控えていたようで、こういう会食ができるようになってよかった!

普段の運動不足と、お肉にもお魚にも合うとオススメされたシチリアワインでちょっと眠くなってしまいましたが、食後は山手資料館、山手234番館、エリスマン邸、ベーリックホールを見学。コロナになってから一部見学できない部屋などがあって残念でしたが、それでもどこも感染対策が万全にされていて、安心でした。

横浜はアップダウンの激しい地ですが、それがマイナスではなくプラスに作用している街づくりの美しさが垣間見れた気がします。

ジェラール水屋敷地下貯水槽なども通り、華やかなイルミネーションの元町ショッピングストリートを通りすぎ、元町に創業して40年の老舗アンティークショップをしっかり堪能させていただきました。

ちょうど1年前の今日、コロナ禍で休止していたAEAOサロン倶楽部を再開し、ホテル・ニューグランド横浜にてランチ+氷川丸の会を行ったのですが、あれから1年ぶりの横浜。1年前の方がまだワクチンもない中で感染が徐々に拡大している時期で恐々としていた気がします。今も決して油断はできませんが、ワクチン接種とこの1ヶ月ほどの感染者激減により、人々の顔つきも少し明るくなっているこの状況、どうかこのまま収束しますように。

アンティーク検定講習・3級

この週末はアンティーク検定講習・3級を実施いたしました。
当初は9月に予定していましたが緊急事態宣言中であり、この11月に延期しての開催です。

2日間の講習会に参加をして級が取得できるこの講習コース、初日は「アンティークとは?」「装飾美術とは?」「ヴィンテージ、コレクタブル、レトロ、ブロカント、デッドストック・・・」といった定義をみなさんで解明し、そして陶磁器、銀器、ガラスに関しての基本的な知識を学びます。

幸いランチも解禁となり、アクリル板のある天井高のレストランで美味しくいただきました。

2日目は午前中にZoomで集合しての家具や様式、そしてアンティーク・マーケットの昨今についてのお話をし、午後の見学はバラが見頃の鳩山会館を訪れました。

様式の名手と謳われた岡田信一郎氏の建築です。

夕暮れ時も美しい天井の影。

バラの開花の季節は混み合うのですが今日はそれほどでもなく、お天気にも恵まれお庭もゆっくりと探索することができました。和館も中は見られませんが近くまで行けました。

(こちらの鯉たちは、いい餌を食べて暮らしているそうです!)

お疲れ様会は、栗ブリュレを。

楽しい2日間の講習会でした。
ご受講者のみなさま、お疲れ様でした。

1年ぶりのアンテイーク検定講習・2級

緊急事態宣言の明けた10月より、少しずつ日常が戻ってきていますね。

当協会もこれまで控えていたAEAOサロン倶楽部の集まりを開始、またアンティーク検定講習も実施いたしました。2級は3級を合格していることが受講条件ですのでみなさんすでに過去の検定試験で3級を合格しており、さらなるブラッシュアップのための受講となりました。

前半は「鑑定とは何をすればよいのか」について。陶磁器、銀器、ガラスなどを実際に手に取り、それぞれのdescriptionを行う練習をします。普段受動的に「これはこういうものですよ」と教わることに慣れている日本人、さて自分がものを説明する側になって言語化するという作業は、慣れていないとなかなか難しいかもしれません。オークションのエントリーカタログを書けるようになる、これが2級の実力です。

西洋美術史もルネサンスから20世紀まで一気に行い、後半では写真や版画と複製芸術について、モードや宝飾芸術、またアートマーケット、ジャポニスムからアール・ヌーヴォーへの流れなど幅広く学びます。前半で行なった鑑定を、今度は英語で表現する、という練習も行いました。

見学は東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)での「英国王室が愛した花々」展にパナソニック汐留美術館での「ブダペスト国立工芸美術館名品展」。どちらも予約制のおかげでゆっくりと堪能することができました。

ディプロマ授与の会場はパークホテル東京内のアートカラーズダイニングにて。このホテルはアートフェア東京の会場にもなりますが、お泊まりの方にとっては「美術館のようなホテル」としてとても有名です。

講習者全員が全過程を履修し、無事2級の修了ディプロマが授与されました。

9月に行う予定だった3級は、11月に日程を延期して行います。

AEAOサロン倶楽部再開は旧岩崎邸庭園見学で!

みなさんで集まって見学に出かける・・・コロナ前までは当たり前に行なっていたAEAOサロン倶楽部も今年に入り計画準備しては中止・延期が続いていましたが、10月に入り、ようやく実現できました。

今回の「旧岩崎邸庭園へ行こう!」は元々2020年12月に予定していたサロンでしたが、GO TOの反動のせいかどんどん感染者数が増えていた時期、12月でもあったので風邪を引いてもいけないし、春くらいに延期しましょう、と昨年見送っていた会のリベンジでした。

見学は予約制、館内でのガイディングは禁止ということで、あらかじめオンラインによるプレ・レクチャーを行い、あらためて現地に集合、このシステムは現地での直接のガイディングよりもいったん頭の引き出しに入るという点で効果的だったのではないかと思います。つい3時間に聞いたことが3時間後に目の前にあって、そうか、あのお話か、と記憶の引き出しをすぐ開けられますから・・・。

やはり驚くべく点は、この豪奢な洋館が「木造建築」だということです。ジョサイア・コンドルの設計ですが、施主であった岩崎久彌がアメリカに留学をしていたことで、アメリカのカントリーハウスなどに親しみを覚えていたのでしょうか。

全体はジャコビアン様式という重厚なスタイル、イギリス・ルネサンス様式に、イスラム風なモチーフなども散りばめられています。1階のベランダに、ヴィクトリア女王が「世界で最も美しいボーン・チャイナ」と評したミントン社製のタイルが敷き詰められてあったり、2階には金唐革紙と呼ばれる貴重な壁紙が貼られていたり、世界でも稀有の建築とされているのがよくわかります。

当時は洋館よりもはるかに大きかったとされる書院造の和館も、現在は大広間の一棟だけが残されていますが、洋館から直接アクセスできるように設計されています。

洋館の天井高の空間の後に和館を訪れると、なぜかほっとしてしまうのは日本人のDNAでしょうか、現に家族が暮らす部屋は和館の方に作られていたようです。

この和館の中にお茶席があり、予約はできないのですがたまたま通った時間に運良くテーブル席が1席空いていて、参加者全員でお抹茶と上生菓子で一息。

その後は別棟に建っている撞球室と呼ばれるビリヤード場を見学、スイスの山小屋風と解説にある通り、ちょっと異質な、それでいてワクワクするような木造ゴシックの建築を眺め、夕暮れまで存分に楽しめました。