2016パリ・アンティーク海外研修=4日目=

 研修4日目のスタートは、銀食器ギャラリーの見学です。
 サンタンヌ通りにある、オルフェヴルリーIsabelle Turquinのお店には、18世紀、19世紀からアール・デコに至るまでの、あらゆる銀製品が珠玉揃い!
 テーブルアートの歴史を初日に学んでいるわたしたちは、あ、これはあれに使うものだ!と想像がつくものもありますが、果たして何の道具なのだろう?と思うものも・・・。クイズ形式で、いろいろな謎を解き明かしていきます。
 
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 そしていよいよランチは、あの殿堂・ミシュラン2星レストラン『グラン・ヴェフール』へ参ります。art de vivreの研修だから、一度くらいはきちんとしたレストランでの食事を入れたいと思っていましたが、お味ももちろんのこと、レストランの内装や歴史を考えると、『グラン・ヴェフール』は最適なところです。金曜のランチというのは最も予約が取りにくいだけあって、数ヶ月も前からテーブルを押さえていたのですが、その極上の料理に舌鼓を打つ時がやってきました!
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 ギィ・マルタン氏が自ら満面の笑みで迎えてくださったのにすっかり気を良くし、まずはシャンパンでアミューズ・グールをいただきます。前菜、メインと進みにつれ、お腹ははちきれそうに。そこにあのチーズプレートが登場、でも一流レストランでチーズを食べないのは片目のない美女ですから、一切れずつでもみなさんでいただきます。そしてデザート・・・と思いきや、デザートの前のデザートですでに豪華なプチフールやパンナコッタムース、パート・ド・フリュイなどが出てきます。正真正銘のデザートが出てきた段階では、次の装飾美術館の見学予約時間を30分オーバー。こういうレストランでは余裕をもって2時間半見ていましたが、それでも全然足りませんでした。
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 食後のカフェをパスし、慌てて・・・それでもパレ・ロワイヤル回廊を楽しみながパリ・装飾美術館へ。これまで習ってきたことを、中世から19世紀までおさらいしながら、テーブルウェアを中心にアンヌの解説で閉館時間まで、じっくり鑑賞します。
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 6月の日没時間は22時ごろですから、閉館時の18時というのはまだ昼間のようなお天気。その後はルーヴル美術館の夜間営業に行く人、ブーローニュに新しくできたルイ・ヴィトン財団の建物を見に行く人、買い物に行く人・・・みなさんパリの夏至に近い夜の時間を十分に愉しんでいます。
 

 (翌日に続きます)

2016パリ・アンティーク海外研修=3日目=

 3日目の午前中は、ワイン博物館を訪れます。
 パリ16区はパッシー地区にある博物館なのですが、住所と番地さえあれば基本どこにでも辿り着くことのできるパリでも、ここだけはフランス人でさえも迷うというほどわかりにくい場所、したがって待ち合わせはメトロの駅です。
 

 元々Colline(丘)だったパッシー地区。ここは高低差が激しい地でも有名で、こっちの建物の5階があっちの建物の1階というほどで、このワイン博物館も低地に建てられているため、入ったその階がすでに地下室のようになっています。

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 この博物館は、元は修道院で作られたワインを保管する倉庫だったのですが、やがて革命で取り壊された後、エッフェル塔のレストランのオーナーが使用、1984年からは、フランス王位執事協会による運営となり、ワイン博物館として生まれ変わりました。
 

 ワインに関するあらゆる道具、そしてワインをめぐる有名人の展示室なども設けられています。地下室独得の黴くさい空間も、5分も経てば鼻が慣れてしまうのか、1時間にわたる見学はあっという間に終わってしまいました。
 

 ここではランチ時のみレストランがオープンしていますが、ランチを前に、高低差あふれるパッシー地区を一回りして運動(?)した後は一旦解散。一部の研修生たちは、この日は一星レストランのランチの予約をしていました。

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 午後は、アンヌの提案で、マキシム美術館を訪れる前に、付近のart de vivreに関する一流店を訪問します。訪れたのは、クリストフル本店と、ラリック本店。通常一流ブティックというのは、なかなか「買わずに見るだけ」で入るのは、勇気が要る店構えですが、アンヌの案内のもとに、お店の方ともいろいろなお話を楽しみました。
 

 そしていよいよ、マキシム美術館。

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 そう、あのレストラン・マキシムの中には、アール・ヌーヴォーの美術館があるのです。
 今回は、わたしたち日本人研修生のために、特別に時間を設けてプライベート見学をさせていただきました。元々、高級娼婦たちの社交の場であったマキシム、現オーナーのピエール・カルダン氏が20代のころからコレクションし始めたという、アール・ヌーヴォーの逸品が所狭しと並びます。
 
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 案内役を勤めてくれたマダムは、実は歌手&女優、彼女のCDを目ざとく発見した研修生もさすがで、さっそくCDサイン会に!マダムもご満悦で、ポスターやカタログをプレゼントしてくれました。
 
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 木曜日はフランスのショッピング・デーと呼ばれるノクチューヌの日。日本のように普段遅くまで買い物ができないこのパリでも、木曜日だけはデパートや美容院など、夜間営業をしています。マキシムの隣のカフェ、ミニマムで乾いた喉をうるおした後は、みなさんショッピング・タイムでしょうか?
 

 (翌日に続きます)
 

2016パリ・アンティーク海外研修 =2日目=

 今日は、午前中は18世紀にワープします。
 見学地はニシム・ド・カモンド美術館。
 
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 この美術館は、パリのど真ん中にありながら、いつもひっそりと佇んでいます、まるで元の持ち主の魂のように・・・そう、ここは、洗練された18世紀の家具調度品の大コレクターであったモイーズ・ド・カモンド伯爵が、家具に合わせて建てた邸宅なのです。
 普通は先に館を建てて、それから館にふさわしい家具調度品を入れるものですが、ここはその逆。建てられたのは20世紀に入ってからですが、18世紀のコレクションにふさわしい、洗練された往年の貴族の館という風格を備えています。とはいえ、エレベーターや暖房、電話やインターフォンといった近代設備も備え付けられている、快適な館、こんなところで(ブルジョワとはいえ)家族と使用人で暮らしていただなんて、昔のヨーロッパの金持ちというのは、とてつもないですね。
 

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 アンヌの解説にYさんの完璧な通訳で、すっかり18世紀の家具調度品を堪能した後は、ランチ休憩、そして場所を移動して、またまた豪華な館であるバカラ美術館での見学が始まります。

 現在のバカラ本社、バカラ美術館、バカラのブティック、そしてレストラン・クリスタルルームが入っているこの元ノワイユ子爵夫人が暮らした豪華な館、わたしたちが訪れたときはちょっと残念なことに外壁の工事中でした。

 でも中は・・・まばゆいばかりのクリスタル・コレクションにシャンデリア。美術館内部は写真撮影禁止なのですが、みなさんお手洗いの写真はパシャパシャっと!フランス人装飾家、フィリップ・スタルクの魔法の手にかかると、こんな風になるのですね。

 
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 バカラ美術館見学の後は、一旦解散。というのも、みなさんお召し替えがあるからです。今夜のハイライト、パリ・オペラ座でバレエ・ジゼルを見るという、プチブルなプログラム。

 
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 やはりこのオペラ座はの建物は何度見ても、何度入っても圧倒されます。フォワイエの絢爛豪華さに、シャガールの天井画、建物見学だけでも十分クラクラしてきますが、パリ・オペラ座バレエ団のエトワールダンサーたちの素晴らしいこと!

 
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 終演後は、ENTREACTE(幕間)という名のカフェで、全員モナコ(パナシェをグルナディンで割った、カクテルビール)で乾杯。
 

(翌日に続きます)

2016パリ・アンティーク海外研修=1日目=

=1日目=
 
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 いよいよパリ・アンティーク海外研修です。
フランスは研修前の1ヶ月間ほど春とは思えない酷いお天気で、太陽が全く出ていないという滅入る気候の中、数日前からの洪水でセーヌ川の水位が上昇、ルーブル美術館やオルセー美術館は急遽閉館し、地下にある所蔵作品を避難させる準備を始めました。
 

 そんな中で開幕(?)した、研修初日、まずは顔合わせ&ウェルカム・コーヒーです。この日はどうやら1ヶ月ぶりに朝から太陽が出ているではありませんか!
 

 当協会の海外研修は、現地での研修のみをオーガナイズしており、旅行部分(フライトやホテル)は各自で手配をすることになっています。したがって、初日の集合場所も住所のみの通知、果たしてみなさん集まれるのかとナビゲーターもやや不安ではありましたが、さすが研修生のみなさん、全員時間前にアポイント場所に集合です。
 

 ウェルカム・コーヒーは、現地オーガナイザー講師のアンヌ・コリヴァノフが、ご自宅からコーヒーマシーンと20世紀初頭のマイセンのコーヒーカップで、ヴィエノワズリと共に迎えてくれました。
 

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 通訳のYさんも加わり、午前中はフランスのテーブル・アートの歴史を、中世から20世紀まで一気に学びます。フランス料理といえば、テーブルウェアが華やかなことでも有名ですが、果たして昔からそうだったのか、今のようなスタイルになったのはどういう経緯でいつから起こったのか、かつての貴族やブルジョアの食卓はどうだったのか・・・謎が解き明かされます。
 

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 濃厚な授業が終わり、ランチタイム。フランス人のランチは13時からが多いので、12時前ですと、どこも空いていて、サービスノロノロのこの国でも比較的スピーディに済みますね。
 

 午後は、オークションハウス・オテル・ドルーオーを見学。このオークションハウスは19世紀半ばの創業で、公的なオークションハウス、誰でも入場し、オークションに参加することができます。この日は16のルームのうち、ほとんどが翌日のオークションのための下見会場となっていて、家具や工芸品、ジュエリーなどを実際に「触って」見ることが可能。美術品を直に手にとって触ってひっくり返して鑑賞できるのは、オークション下見会ならではです。さらにオークションを行っているルームも見学、みなさん間違って頭を掻いたりしないよう、やや慎重に、オークショニアの動きを観察します。
  
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 その後の自由時間では、オテル・ドルーオーの周りに点在する他のオークションルームやギャラリーなどを自由に散策、疲れたらカフェで小休止です。
 
 夕刻より、保険会社で盗品の評価額を鑑定していた経験をもつDさんも加わって、ドルーオー界隈の高級家具ギャラリーや、パッサージュを見学、オークションハウスの周りにオークション会社や美術工芸品の鑑定事務所が軒を連ねているのも合理的、この辺りではQADという看板があちこちで見られます。QAD=Quartier Art Drouot(ドルーオー・アート・エリア)と名付けられたこの界隈を歩くだけで、アートに囲まれた雰囲気を味わえます。
 

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 ドルーオー界隈散策の終点は、アンヌもお気に入りのお菓子屋さん、A LA MERE DE FAMILLE(ア・ラ・メール・ド・ファミーユ)で。ここのアイスクリームもチョコレートも絶品。
 

(翌日に続きます)

蚤の市、むかし・いま

 日本では今、蚤の市ブームでしょうか。
 東京蚤の市、代官山蚤の市、湘南蚤の市・・・あちこちで蚤の市が開催され、多くの人で賑わっています。
 

 ところで、蚤の市というと、どんなイメージがあるでしょう。
 

 なんとなく掘り出し物に出会えそう
 普通のお店には売っていない、オリジナルなものが見つかる
 普通よりも、うんと安く買える
 ごったまぜの中で、お気に入りを探す楽しみがある
 敷居の低い、骨董・アンティークにお目にかかれる
 

 こんなところでしょうか。
 

 蚤の市という言葉は、英語やフランス語の翻訳になりますが、語源は文字通り、「ノミだらけの中古品を売る市」であり、フランスにおいては1885年が蚤の市誕生の年とされています。
 

 この年、サントゥアン市議会が、蚤の市の存在を初めて認め、周辺の道路を舗装し、歩道を作りました。ガラクタの露店商売が、正式に市として認められることになったのです。
 

 やがて蚤の市は、常設店舗の権利を得、屋根のついたスタンド形式へと発展していきます。
 現在、「クリニャンクールの蚤の市」と日本人が呼ぶのは、このサントゥアンの蚤の市へ来るアクセスとして、メトロが開通し、クリニャンクール駅ができたことによります。
 

サントゥアンの蚤の市

サントゥアンの蚤の市


 

 このサントゥアンの蚤の市は、1920年代には、すでに実業家の投資先となり、第二次大戦後はアメリカ人客も急増、現在では業者数だけで1500以上になる、ヨーロッパ最大の蚤の市に発展しています。
 

 そして、中にはヴィロン、セルペットといった高級アンティークを売る市場があり、ガラクタどころではない、とてつもない値段のついた骨董品が売られています。
 

 当協会主催の、パリ・アンティーク海外研修では、最終日にこのサントゥアン市を訪れ、ディーラーさんたちのお話を聞きながら、雰囲気溢れる蚤の市内のレストランでランチをし、散策を楽しみます。