シンワオークション「西洋美術」の下見会へ

AEAOサロン倶楽部10月の会は、シンワオークションで10月25日に開催される「西洋美術」オークションの下見会見学へ行きました。以前のオフィスからこちらの丸の内に移ってから、下見会へのアクセスも便利になりました。

まずはランチをいただきながら、ミニ・レクチャー。今回選んだ会場は、アマン東京の「ザ・カフェ by アマン」にて。アマン東京のロビーやラウンジは高層階にありますが、このカフェだけは1Fの、森に囲まれた空間の中にあります。全面のガラス窓から森が見えるという、大手町にいることを忘れさせるような構造のカフェにて、ランチコースを。

たっぷりいただいて、ミニ・レクチャーが終了したところでカフェをお暇し、徒歩で7~8分ほど歩いて郵船ビルディングへ。丸の内仲通りに面した側にオークションの下見会会場があります。

今回のオークションは西洋美術と並行して、バッグ、ジュエリー&ウォッチが出品されています。

日本の公開オークション(Open bid Auction)の会社はいくつかありますが、シンワオークションはその中でも最も歴史が古く、しかも株式が上場している会社です。

今回はマイセンのフィギュリンがたくさん出品されていました。ラリックのガラスものも目を引くものがいくつかありましたが、圧倒されたのがピュイフォルカのカトラリーのメナジェール。木製ケースに入った130点セットで、総重量が10kg弱です!キズ一つない、未使用品と思われる完品状態で、ヴェルメイユが施されています。エリゼ宮やヴェルサイユ宮での晩餐会にふさわしいカトラリーセットですが、果たしてどんな方がどんな目的で落札するのでしょうね。

西洋美術(装飾美術)の下見会ということでこの日を選んだのですが、同時開催のジュエリーにはやはり目がいってしまいます。今の知金相場を考えれば、デザインされたアンティークの18金のジュエリーはとてもお買い得。今回のハイライトは最後のロット番号のレッドダイヤモンド、ルースで出品されています。0.71カラットで、落札予想価格は120,000,000円~160,000,000円。先日ルーヴル美術館で宝石の盗難があったばかりですから、こういう小さくて価値のあるものは狙われがち、こんなところにあって私たちが気軽に見れていいんですか?と余計な心配をしてしまいます。

このショーケースの中にピンク・ダイヤモンド

オークションは25日に開催されますが、スタッフさんにお伺いしたら、今は圧倒的にみなさんインターネット参加になっているとか。下見会でしっかり品物を確認したら、あとはその場にいなくても参加できるのですから、便利な時代になったものですね。

ご参加のみなさんも、しっかりLOT番号をチェックしていました。オークションは博打ではないので、慣れると愉しみ方がわかってきますよ!


第16回アンティーク検定講習・2級

2週間前に3級のアンティーク検定講習が開催されましたが、続いて2級の講習が4日間の日程で開催されます。2回の週末で計4日間の講習です。

今回は8名の受講者と、珍しく大所帯になりました。受講者の在住地も半分が首都圏外の方々で、みなさんそれぞれ苦労・工夫をしながら参加していただいています。会場での座学講習が一番満足度が高いとは思いますが、やむを得ない状況で一部オンラインという受講方法でも可能になっています。

2級は、3級からさらに深掘りしてテーブルウェアの歴史について、そしてオークションのdescriptionと呼ばれるオークションカタログの記述やcondition reportと呼ばれるレポートについて、そのための英語も一緒に学びます。

それぞれ鑑定物を鑑定するのですが、今ではインターネットを駆使してかなり正解に近いところまで調べが付くことも多いです。それでもどこに目を付けたらよいのか、どの部分をチェックしたらよいのか、どういう表現が適格なのかをそれぞれ工夫して発表していただきます。

みなさんルーペの使い方などもだんだん板についてきましたよ!

終日座学の日にはランチも一緒に行くのですが、前回3級で偶然行ったところが穴場かつ美味しい、というのでお連れしたところみなさん大満足、そして「次回もここがいい」とのことで、後半の講習会の日も予約を無理やりしてきました(ランチは予約を取らない、と言われていたのですが、ごり押し)!

インド料理のお店で、西洋アンティークとは少しテーストが異なるものの店内が非常に装飾的、カップ&ソーサーのコレクションやインドの銀食器がキャビネットに陳列されています。

2日目は午前にモードの歴史をバロックからディオールまで俯瞰します。ちょうど今年の大阪関西万博・フランス館ではディオールが常設展示の特別スペースに設けられていましたね。

午後の外出見学は泉屋博古館東京で現在開催されている「特別展 巨匠ハインツ・ヴェルナーの描いた物語(メルヘン)—現代マイセンの磁器芸術―」を鑑賞、巨匠ハインツ・ヴェルナーの現代マイセンの絵付けを堪能してきました。

そうそう、泉屋博古館のミュージアムショップにも「西洋骨董鑑定の教科書」が販売されていました。

前半2日間の講習が無事終了、後半は11月初旬に開催されます。それまで少し頭の中も整理をしておくことにしましょう。


第16回アンティーク検定講習・3級

今月~来月にかけ、第16回アンティーク検定講習が開催されています。3級は知識ゼロの初心者から受講可能、2級はすでに3級を試験で合格しているか、または講習で修了している方が対象となる講習会です。

今回の3級は恐らく最年少でしょうか、20歳になったばかりの方が受講され、この世界も裾野の広さを感じます。初日の座学講習、翌日のオンライン講習&実地見学を経て5名のあらたなる鑑定士の卵たちが誕生しました。

陶磁器、銀器、ガラスの三大工芸の基礎を学び、人生初めてかもしれない銀器の刻印の読み方なども実際にルーペを手にしてトライしてみます。

さらに家具、建築の様式を一通り俯瞰し、仕上げに実地見学で訪れたのは前回同様、旧岩崎邸庭園。来る度に明治建築の偉大さや財閥のスケールの大きさを感じてしまいますね。

運よく今回もちょうど和館の見学に差し掛かったところで、御茶席が空いていたのでこちらでお茶をいただいて、ディプロマ授与となりました。オンライン、オンデマンドご受講の方は是非次回、ご一緒しましょう。


アカデメイア「華やかなアフタヌーン・ティーの誕生〜ヴィクトリアン〜」

7月からスタートしました「紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティーク」、座学講座はいよいよ最終回になりました。前回のジョージアンから引き続き今回はヴィクトリアン、そしてエドゥワーディアンの治世下における英国の紅茶の世界を青山櫻先生に解説いただきます。

ジョージアンの時代、あまり王権が強くなかったのはドイツ出身の王様が英語がうまく喋れなかったから、なんてエピソードもありますが、政治的にも「君臨すれども統治せず」でしばらくやってきたイギリスも、ヴィクトリア女王の治世になると「君臨し、拡大し、そして文化面で大いに影響を与える」ことになります。

紅茶の世界では、「午後の紅茶」のアイコンでおなじみの第7代ベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアが始めたとされるアフタヌーン・ティーのお話を通して、茶器だけでなくファッションやマナー、イギリス独特の所作(片手文化)、館の部屋の名前や役割などあらゆる方向から英国文化をご紹介いただきました。

アフタヌーン・ティーによく使われる道具についても、なぜスプーンの底が平なのか、なぜこのフルセットにはフォークがないのの秘密を解き明かし、クロテッドクリームと共にスコーンに塗るジャムは〇〇系であって、××系はNG、といったニッチな情報まで!

全3回を通して俯瞰できた紅茶とアフタヌーン・ティーにまつわる英国の歴史とアンティークですが、いよいよ来月は実地研修です。もちろんアフタヌーン・ティーをいただきながら、仕上げのマナーを学びます。もうそろそろ気候的にも温かい紅茶は美味しくいただける季節になりましたね!


デ・ラランデ邸

AEAOサロン倶楽部・9月の会は武蔵小金井の江戸東京たてもの園にて!!

明治から昭和初期にかけて建てられた名建築のパノラマ・ミュージアムともいうべき、江戸東京たてもの園を訪れました。夏の終わり…のはずが、今日も朝からしっかり猛暑で、しかも東京も午後は雷雨の可能性ありとの予報でしたが、雷雨の予想は幸い外れ、終日散策を愉しむことができました。

まずは武蔵小金井駅に11時に集合です。ほとんどの人が初めて訪れる地、中にはお隣の駅と間違えて慌てて駆け付けた方もいましたが、しっかり歩くための栄養補給からスタート、駅から5分の地にある和花さんにて季節の和食をいただきました。

通りからは中の様子が分からないのですが、木と基調とする落ち着いた空間で、半個室のように仕切られていてゆったりスペース。コースのお料理はすべて旬の素材、栗ご飯の栗が美味しすぎて、ご飯もみなさん完食。ミニデザートにコーヒーも付きます。

たっぷり栄養補給が済んだところで駅に戻り、バスにて小金井公園へ。江戸東京たてもの園は広大な敷地の都立小金井公園内にあります。

1993年に開館した当時は12棟だったこの敷地も、今や30棟の歴史的建造物が移築。昨年国内研修旅行で行った明治村のコンパクト版といったところでしょうか。

ビジターセンターでチケットを買い、まずは西ゾーンへ。このゾーンは大正末期から昭和初期の特別な住宅が保存されています。モダニズム建築家の前川國男邸、田園調布の家(大川邸)、小出邸、デ・ラランデ邸…当時はちょっと洒落た特別感のある建築が点在しています。

当時のままの保存ですので、冷房がありません!中も外も同じ温湿度、35℃近い今日の気温では若干厳しく、西ゾーンを一通り見た後でのデ・ラランデ邸に併設されているカフェ(このゾーンだけ冷房あり!)に入った頃には全員が暑さで疲労困憊していました。

カフェのフレッシュなドリンクで身体にこもった熱を取り除き、水分補給と体力補給をした後は、高橋是清邸へ。二・二六事件で陸軍将校によって自宅寝室で襲われて暗殺された政治家の大邸宅です。ガイドさんに「どの部屋で殺されたんですか?」と聞くも、お答えいただけませんでした(笑)。

そして東ゾーンへ。こちらは江戸末期から昭和にかけての街並みが再現されていて、当時の文具屋さん、化粧品店、小物問屋、銭湯などが立ち並んでいます。こちらはまとまって建てられているので、それほど歩かなくても全貌を見学できます。

かつての銭湯、男湯には富士山が描かれているのに女湯にはない、やはり昔は(も?)男女差別があったのね、などとあれこれコメントしながらヴァーチャル街の散策を。最後に万世橋交番の中を覗くと、なんと畳に布団まであって、お巡りさんここで仮眠を取りながらの夜勤だったのでしょうか。

ほぼ全ての棟を訪ね、最後にビジターセンターのミュージアムショップを冷やかし、お暇しました。帰りは少し空の色が変わり風も出てきて、これから予報通り雷雨になるのかな、でもまだ暑いね、と小金井公園の元来た道を戻り、帰途に着きました。

ご参加のみなさま、おつかれさまでした。今日は1万歩歩いて健康的な夏の終わりの遠足でしたね!