東京ステーションホテルとシンワオークション

4月はお出かけイベントが盛りだくさんです。今日はAEAOサロン倶楽部にて、東京ステーションホテルでランチをし、シンワオークションの西洋美術オークション下見会を見学するという会でした。

待ち合わせは東京駅丸の内南口、皇居(東御苑)へ向かう場合はここから西へ歩きますが、このドームはやはり圧巻ですね。今回は名古屋からご参加いただいた方もいましたが、「新幹線ですぐなんですよ」と。

この東京駅南口から外に出ることなく東京ステーションホテルへ入れるのですが、わたしたちはわざわざ外に出て、Small Luxury Hotels (SLH) of the Worldと書かれている正面フロントより入ります。そう、東京ステーションホテルは厳しい審査を経て認定されるラグジュアリーなブティックホテルが加盟する会員ホテルで、2025年には「SLHスピリットアワード」を受賞しているのです。

重要文化財であり、1915年開業当時の姿へと化粧直しをした東京ステーションホテル、辰野金吾建築好きにはたまらない空間ですね。

1Fのロビー・ラウンジは、ネオクラシック調のデザインの優雅な空間で、こちらでもお昼に軽食をいただけるのですが、今回は敢えてこのアイコニックな空間をパスし、ガストロノミー的に評判のよいイタリアンのエノテカノリーオを予約しました。

いただいたメニュー・アッサージオはフレンチでいうムニュ・デギュスタシオンでしょうか、色々な種類を少量ずつということですが、前菜、パスタ、メイン、ドルチェとどれもそれなりにボリューミーで、しかも急かされずたっぷり2時間かけてのサービス。この時期にしか食べられないしらすとアサオのスパゲティや、デザートのバジリコのジェラートが入ったブリュレなど、どれもサプライズがありながらも美味しく、みなさんでペロリといただきました。

その後は2Fにある虎屋さんのショップへ。この東京ステーションホテルとパリのTORAYAでしか食べられない限定アールグレイ饅頭などお買い物をし、2Fの展示パネルで東京ステーションホテルの歴史を辿りながら一周、上から眺める東京駅南口も風情がありますね。このゾーンは写真撮影禁止です。

折角なら、とすぐ隣にあるKITTEの屋上庭園にも行こうとしたところ、本日は強風のため閉園となっていて残念でした。

シンワオークションの下見会、昨年秋にも同AEAOサロン倶楽部にて伺っていますが、ここ丸の内仲通りに移転してから入りやすくなったように思います。今日が下見会の最終日、今回の西洋美術オークションはBag/Jewelry & Watchesとの同時開催で、西洋美術工芸以外にもついついジュエリーの方も真剣にウォッチングしてしまいます。

みなさん予めデジタルカタログでチェックしていたようで、お目当てのものを確認したり、知識として知っていてもなかなか見たことのない現物を見てそのサイズ感に驚いたり、この機会に会員登録をして事前入札をしたり…とそれぞれ下見会を愉しみました。

下見会でチェックしたものが実際にいくらで落札されるのか、その落札結果を後で照らし合わせて色々考えをめぐらせるのもとても面白いものです。エスティメートから大きく外れて落札されたり、思ったより安く落とせたり、値段は生もの、というのがオークションの醍醐味です。米イラン戦争で昨今株価が乱高下していますが、投資をしている方とちょっと似ているアドレナリンが出るのがオークションの世界、さて4月11日のオークションの結果はどうなりますでしょうか、ドキドキ!

イギリス貴族とタウンハウスのおはなし

アカデメイア「イギリスのマナーハウスと過ごし方」第3回は、青山櫻先生より「タウンハウスと社交 〜その役割と都会での生活〜」のテーマについて解説いただきました。

少しイギリス文化を齧ったことがある人ならだれでも知っている、「カントリーハウスは貴族の領地の本邸、タウンハウスはロンドンの別邸」ですが、ロンドンがなぜセカンドハウスなのか…それは、議会政治と関係があるというお話から始まります。

イギリスの爵位がいつどこから始まったのか、現在公・候・伯・子・男はそれぞれ何家くらいあるのか、そして王家との関わりや役割は何か、一代貴族と呼ばれる騎士の称号とは、と王室や貴族のヒエラルヒーについて学びます。紅茶のアール・グレイとはグレイ伯爵という意味ですが、伯爵の好んだ茶葉がそのまま品名になりましたね。

イギリスの貴族は貴族院の議員ですので、議会が開催されている間、各領地の貴族たちはロンドンに住む必要があります。その際単身赴任ではなく、奥様やお子様、使用人なども一緒に連れて来て、社交を愉しむ、というより義務として社交をします。舞踏会、観劇、お茶会、競馬…そんな社交の場で、それぞれドレスコード、マナーコードが作り上げられていくのですね。

こちらはかつてのスペンサー家のタウンハウスですが、現在はロスチャイルド家が管理をしており、週末だけ一般公開されているようです。インテリアを見るとロスチャイルド色が表れていますね。

セカンドハウスとはいえ、ロンドンのタウンハウスを庭も含めて維持していくのは大変なもので、やがてタウンハウスを共有で持ちましょうというアイデアからクラブハウスというシステムが生まれます。会員制社交クラブであり、ほとんどが男性専用のジェントルメンズ・クラブですが、中には女性も可のところや女性専用のクラブハウスもあるようです。そして、基本は泊まれる宿泊施設となっているのだとか。ホテルではなくこんなところに泊まってみるのもイギリスの貴族になった気分が味わえますね。

3回の座学講座を通して学んだイギリスの建築、その集大成として来月は実地見学会です。残念ながらイギリスに行くには遠すぎますので、旧前田侯爵邸本邸洋館を訪れたいと思います。オンライン講座・オンデマンド講座でご受講いただいたみなさまと、リアル懇親会を楽しみにしています!

世田谷の可愛い水色の洋館、旧尾崎テオドラ邸にて

AEAOサロン倶楽部にて旧尾崎テオドラ邸へ行ってきました。招き猫で有名になり、外国から猫好き観光客であふれかえっている豪徳寺の近くにあります。

明治時代に、尾崎テオドラ英子(Yei Theodora Ozai)という女性がいました。非常に波乱万丈な人生を辿る、イギリス生まれの日本人を父にイギリス人を母にもつ女性なのですが、「尾崎」という名前は実父の男爵・尾崎三良であり、またやがて夫となる東京市長をも務めた尾崎行雄でもあるのです。なんと同姓の男性と結婚しているのですね。その同姓となる夫と知り合うきっかけが、郵便配達の誤配(同じ名前なのでよく間違えて配送されたのでしょう)だったようです。

そのテオドラ英子のために建てられたとされるコロニアル様式の洋館、当初は港区に建造されたのですが、やがて英文学者に譲渡され、一旦解体されます。その後1933年に豪徳寺の現在の場所に移築、そして時を経て2020年に取り壊されることになっていました。

そんなときに漫画家らが保存プロジェクトを発足し、2024年より一般公開されて、中には英国式アフタヌーン・ティやヴィクトリア・ケーキ、クリームティが楽しめるカフェになっています。住宅街にあるため、一度に多くの見学者が殺到しないように事前予約制です。

予約時間になるとカフェへ通されます。今回頂いたのは、ポットサービスの和紅茶と、限定メニューのケーキ、とても美味しかったです。

2階の展覧会場は漫画家・成田美奈子の原画展、ティーンエージャーの頃に『エイリアン通り』をLaLaで読んでいたであろう世代の鑑賞者が多く訪れていました。

館内の家具調度品はオリジナルではなく、アンティーク調であつらえたり、アンティークのものを探したりして配置しているとのことでした。

こぢんまりとした邸宅ですが、優しい空気が流れていました。

第17回アンティーク検定講習・3級を終えて

今年のアンティーク検定講習・3級は3月7~8日に開催されました。講習会場は、リニューアル後なかなか取れなかった東京芸術劇場が復活、こちらのミーティングルームにて。かつてのサロン風円形テーブルが教室型の机&椅子になってしまったのが若干残念ですが、ロの字型に配置して、みなさんで顔を合わせつつ行いました。

ご参加者さんは珍しく全員首都圏外の方で、宿泊を伴って参加していただいたり、片道2~3時間かけて来てくださったりと、アンティークの世界への意気込みを感じます。この検定講習は集中講座となり、2日間で一気に知識のシャワーを浴び続けるという修行僧のようなスケジュールではありますが、その時は頭に入りきらなくても一旦引き出しに仕舞っておいて、後からまた本を開いて引き出しを開いて整理していくことができる、そんなプログラムです。

独学で学べる人は「西洋骨董鑑定の教科書」を片手に学び、アンティーク検定試験を受験することで合格すれば級が取得できますが、等価である検定講習では知識ゼロで参加可能、その場で「理解し、納得して学ぶ」方式。どちらでも自分の好みやスタイルに合わせて取得されればと思います。

初日は終日の会場講習、お昼は一緒にかつてよく利用していたもちもちパスタのお店へ。受講者さんも主宰者も花粉症が絶賛発症中で、お聞き苦しい場面もあったかと思いますが何とか座学講習も無事終え、ルーペを使っての鑑定も基本をマスターできました。

実地見学地は旧岩崎邸です。明治時代の木造建築とは思えない、コンドルの傑作の一つ。ジャコビアン様式の重々しさと、ベランダからの開放的な庭の光景の対比、かつてはこの数倍はあったという書院造りの和館と洋館の対比、ヨーロッパの金唐革を和紙で制作した日本工芸の優美さ、当時上流階級の嗜みであったビリヤード場、邸宅内で使用されていたバカラのグラスには1936年以前のオールドバカラの商標を表す幻のシール…アンティーク好きにとって実に多くの興味深いものが詰まっている館です。

和館の中にある茶房は残念ながらリニューアル中、いつもはこちらでお抹茶&生菓子を頂くのですが、今回は別のところでお茶を、とカフェを探したところ、珈琲の名店「Cafe Bach」が焙煎した豆をドリップで挽いていただけるカフェを偶然発見、こちらでモンブラン&コーヒーで終了となりました。

ご参加いただいた方、ありがとうございました。そして無事3級取得、おめでとうございました。次は2級の検定講習でお会いしましょうね!

「お姫様の装い」を大学博物館で

ひな祭りの3月3日、「一日中冷たい雨で、場合によっては雪になるかも」予報が出ておりみなさん着込んで集まったAEAOサロン倶楽部、今回の見学地は大妻女子大学博物館(千代田区三番町)です。

この会は近くのレストランでプレレクチャー付ランチをいただくのが恒例なのですが、この辺りにはあまりゆったりとくつろげそうなレストランがない中、東京グリーンパレスというホテル内のレストラン「食彩厨房ジャルダン」があり、こちらで松花堂弁当を予約いたしました。

個室を用意していただき、広々とした空間内でお弁当(量がたっぷり!)をいただき、そしてプレレクチャー。大学博物館、実はかなり穴場というか、いいところが沢山あるのです。その起源はオクスフォード大学のヴンダーカンマー(驚異の部屋)とされていますが、東京だけでも多くの大学博物館が存在し、他ではお目にかかれない珍品を所蔵している大学も。当協会のサロンでも霞会館記念学習院ミュージアムは何度か訪れています。

今回は大妻女子大学博物館で開催中の企画展「お姫様の装い」を訪れます。この博物館には佐賀鍋島家に伝来する西洋ドレスを復元したもの(卒業制作品)が収蔵されていて、今回お披露目されていました。鹿鳴館時代の中心人物でもあった鍋島夫妻の衣装、ああ意外と小柄だったんだなぁと明治時代の華族たちの生活がよみがえってきます。

18世紀のローブ・ア・ラ・フランセーズからアール・ヌーヴォー期までの装いが一通り展示されていました。また「竹内コレクション」として、19世紀から20世紀にかけての女性用のバッグ、扇の展示もありました。

規模的にはこぢんまりとした展覧会ですが、このお天気にもかかわらず見学者が次から次へと訪れていました。

その後、近くに居ることだし、ということで靖國神社内の遊就館にある茶屋でお茶をすることに。ここもなかなか穴場カフェ&レストラン、メニューには「海軍カレー」とか「海軍コーヒー」とか。私たちはひな祭りということで、甘味をいただきました。

帰りもしつこく雨が降っていましたが、丸一日楽しく過ごせました。ご参加のみなさま、ありがとうございました。