「六本木でガレとパリ」AEAOサロン倶楽部2月の会

今日は六本木・東京ミッドタウンにてAEAOサロン倶楽部を開催しました。2月15日からサントリー美術館で開催している「エミール・ガレ 憧憬のパリ」展の鑑賞会です。話題の展覧会は、混まないうちに会期の早めに訪れておくというのが鉄則ですね!

まずはランチを兼ねたプレ・レクチャーです。今回は運よく個室の取れたシャンパンビストロ『orangé』にて12時から2時間、コース料理を頂きながら行いました。パリ万博の意義、ガレとパリの関係、パリの社交界と関わることと引き換えの精神的重圧、それがどのように作品に表れていくのかといったお話と共に、前菜からデザートまでしっかりと腹ごしらえ、結構お腹いっぱいになってしまいましたね。

このビストロは路面店なのですが、地下鉄の駅から直結で東京ミッドタウンに来ようとすると意外とスルーしてしまうロケーションで、「よく来ているのに、このお店は知らなかった!」という方も。

強風ながらも晴れている青空の下、東京ミッドタウンのガレリア館に移動し、3Fのサントリー美術館へ。事前予約をしていたQRコードでスムーズに入場、会場は2フロアに跨っています。本展覧会は、午前の静寂タイム(10 :00-11 :00)以外は写真撮影も可能です。

展示はほぼガレの制作年ごとに進んでいき、ガレの作風と社会情勢の変化や新技術の習得、新しい時代に向けての大胆な発想と心境の変化、と、単に万博での受賞によるものだけではないガレの制作人生が感じ取れるように構成されています。そのため、陶器とガラスの展示も同列になっており、素材は異なれど表現したかった心が見えてくる気がします。

サントリー美術館は、諏訪の北澤美術館と並んでガレの「ひとよ茸」ランプを所蔵していうことで有名ですが(もちろんエピローグの出口の前にありました!)、今回は所蔵品だけでなく、パリ装飾美術館(MAD)からの作品もかなりの数が出品されていました。

みなさんで一緒に回ったわけではないのですが、それぞれのペースでそれぞれお気に入りの配分で作品を鑑賞すると大体同じ時間に出口で落ち合うという結果に。そして「ちょうどよい作品数だった」とこれまた同一の感想になりました。超絶技巧の工芸品の鑑賞というのは、意外とエネルギーを費やすのです。三次元をあらゆる方向から見て、感じて、記憶に残す、という作業をしていると脳細胞も消費するというので、さきほどのフルコースランチの消化にもほどよい脳と身体の運動になったような気がします。

いつもの「ナンシーとガレ」とはちょっと異なった視点での「パリとガレ」の会でした。