ナンシーに行かずして、アール・ヌーヴォーを語るなかれ!

 研修3日目と4日目、ナンシーを訪れて、アール・ヌーヴォーの「ナンシー派」に迫ります。
 

 すっかり綺麗にリニューアルされたパリ東駅(いっときは本当に寂れていましたね)から、TGVで1時間半あまり、あっという間にロレーヌの都、ナンシーへ。
 

 現地コーディネーターであり、元鑑定士のダニエルが駅で迎えてくれ、一向はレストラン・エクセルシオールへ。ここは文化遺産に指定されているレストランで、美術館のような内装です。グリュベールの手がけたステンドガラス、マジョレルの家具・・・内装だけでなく、お料理も絶品です。
 

 

 お腹いっぱいになった後は、街の中心にして、これまたユネスコ文化遺産に指定されている美しきスタニスラス広場まで歩き、この広場にある最高級ホテル、グランド・ホテル・ド・ラ・レーヌにチェックイン。3月とは思えない太陽の眩しさと空の青さに、みなさんテンション上がっています!
 
 
 そして同じくスタニスラス広場にあるナンシー美術館で、ドーム・コレクションを、専属ガイドと共に見学、ドームのすべてをこのアーカイブ展示室を通して学びました。ガレは工房をたたんでしまうけれど、ドームはなぜ生き残ったのか、他の分野のアーティストとのコラボレーションにはどんな作品があるのか、ここに来なければわからない謎が全て秘められています。
 
 
 

 翌日は朝からアール・ヌーヴォーの邸宅が並んでいるソリュプト地区、そしてフェリックス・フォール街の建築を散策して、いよいよナンシー派美術館へ。アール・ヌーヴォーの巨匠、ガレの素晴らしき逸品をはじめ、ナンシー派の豪華作家たちの作品を、これも美術館専属ガイドの説明で回ります。
 
 
 
 
 
 

 日本ではサントリー美術館、北澤美術館に収蔵されているガレの「ひとよ茸ランプ」も、この美術館ではあまりにさりげなく展示されているので、思わず見過ごしてしまうほど。「夜明けと黄昏」のベッド、豪奢なダイニングテーブルの部屋・・・もう説明を聞いて写真を撮っていたら追いつけないほどの傑作揃いです。
 

 ハイライトであるナンシー派美術館見学の後は、出発まで自由なのですが、みなさんでマルシェ・クーヴェールにて軽いランチ。ここは室内の常設マルシェ内にあるレストランで、使われている食材はすべて新鮮なものばかり、お魚もムールもアスパラガスのタリアテーレも、シンプルながらとても美味しかったです。
 

 お土産のナンシー名産マカロン、ミラベルのコンフィチュールなどを買い込んで、慌しくパリへ戻りました。とても充実したナンシー一泊旅行でした。