マイセンと動物ものがたり

7/21(日)に7月のAEAOサロン倶楽部が開催されました。パナソニック汐留美術館で開催中の「マイセン動物園展」を鑑賞するに先立ち、近くのパークホテル東京内にあるフランチレストラン「タテル・ヨシノ・ビズ」にてプレ・レクチャー。夏の蒸し蒸ししたしんどい季節も、さわやかなスパークリングワインと美味しいお料理で、少しは元気になりますね。

(ちなみにお料理はこんな感じ。)

マイセンがヨーロッパで最初に磁器の焼成に成功したのは周知の事実ですが、そもそも18世紀初頭、なぜそれが文化芸術の中心であったヴェルサイユとは程遠いマイセンだったのか、「アウグスト・バロック」と呼ばれたアウグスト強王の『磁器病』はどの程度だったのか、絵付け師ヘロルトや成型師ケンドラーの才能はどんなものだったのか…そんなお話をしながらみなさんでお料理に舌鼓を打ちました。

今回の展覧会はよくあるテーブルウェアではなく、動物がテーマです。動物が器に加飾される多様性、メナージェリと呼ばれる宮廷動物園の計画による動物や鳥の磁器彫刻の歴史は、マイセンの初期から始まっていました。またマイセンの代表シリーズ「スノーボール」に付加された動物や鳥の見事な磁器彫刻も見ることができました。

しかし何と言っても今回の展覧会の「動物園」は、アール・ヌーヴォー期に花開いた動物たち。この時代には、パート・シュール・パートや釉下彩、イングレーズなどの技法で色彩柔らかな表現で多くの動物磁器彫刻が制作されます。

そしてアール・デコ期には、ベットガー炻器の再現でマックス・エッサーによる多くの動物彫刻があらたに誕生、愛らしい『カワウソ』は1937年のパリ万博にてグランプリを受賞します。

夏休み中の展覧会だけあって子供さんも多く、「あ、かわいい!」「これ怖い〜!」「猫ちゃんだー!」といった愛らしい感想とともに、磁器動物園を存分に楽しめたサロンでした。