典雅のセーヴル!

研修4日目。今日はいよいよフランスが世界に誇るセーヴル焼きのセーヴル訪問です。
セーヴルはパリの郊外、メトロで行くことも出来ますが、ミニバスを配車し、ちょっと優雅に参りました。

午前はセーヴル製陶所の工房をガイディング見学、もちろんプライベートで訪れることはできません。成形技法、焼成の技法、装飾技法、研磨技法などを実際に製陶所に潜入して、見学します。今回のガイドは、なんと日本で巡回した「フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年」展を企画したセーヴル陶磁都市解説員モアンヌ前田恵美子氏。シュヴァリエを叙勲されている文化人にして専門家、これ以上のガイドはありません。期待を裏切らず、非常に丁寧で詳細な解説をしていただきました。

かつての王立磁器工房は、現在ではフランス国営の製陶所。200人ほどのスタッフはゆえに全員国家公務員、今でも18世紀の製法を忠実に再現し、作り続けられています。おそらく恐ろしいコストのかかる製法、民間ならとっくに「効率や生産性」を問われて、廃窯となっていたかもしれません。国営だからこそできる、フランスの誇るべき芸術です。

といっても無尽蔵に贅沢をしているわけでもなく、たとえば金彩を施したものは、壊れても金だけは回収し、次の作品へ使われます。工房には「金専用のゴミ箱」まで設置されており、金粉1粒でも持ち帰ることは出来ません。

頭の中がパンクした後は、すぐ近くに出来た坂茂設計のミュージックホール、ラ・セーヌ・ミュジカルへ。元々ルノーの工場跡地がしばらく放置されており、ようやく再開発が始められたところに、このミュージックホールが完成し、景観を一新しました!

この建物内のレストランにてランチをいただき、屋上まで上がって再開発地区を眺めた後は、カロリーを消費すべくぶら歩きしながらセーヴルに戻ります。

午後はセーヴルの美術館側の中でもヴァンセンヌとセーヴルの18世紀のコレクションを中心にアンヌ・コリヴァノフによるガイディング見学、とどっぷりセーヴル磁器の世界に浸った1日でした。