7人の陶磁絵付け師が誕生!

研修3日目。
今日の午前中はフリーです。有志のみでサン=シュルピス広場で開かれているアンティーク・フォワールへ。

このサン=シュルピスのフォワールは、場所柄もあり品物の質の高さで有名です。青空市であってもテントが設置され、ほとんどのものはショーケースに展示されており、一流のアンティーク品。お値段もそれなりですが、最近ではカード端末機を備え付けてある店も多くなりました。
11時のオープンと同時に入り、まだスタンドが開店準備をしている中、早速物色し始める参加者たち。やはり今回はテーマがテーマだけに陶磁器に目が行きやすく、「あ、ランブルカン文様」「あ、セーヴル、この時代は軟質磁器だ」と、もうみなさんかなりの目利きに。

午後は、ジアンの絵付け体験です。
陶磁器の絵付け、顔料がどうの、文様がどうの、やれこれはプリントだ、これは手描きだ、と座学でいろいろ学びましたが、実際に手描きで絵付けをしたことがある人はほとんどいません。というわけで、今日は陶磁器の絵付けというものを実際に体験してみます。

日本語が上手でジアンで研修をしていたソレンヌ・コラによるジアン工房の説明をまずは伺います。
ジアンは19世紀になってイギリス人がフランスに開いた窯で、ルーアンのような錫白釉陶器ではなく、ファイアンス・フィーヌと呼ばれる精陶器。白い土を使い、なんと少量ながらも磁器に使用されるカオリンが含まれています。多くのファイアンス・フィーヌの窯が20世紀も終わりになって次々と閉窯していく中、ジアンは今でも素晴らしいテーブルウェアや鑑賞陶器を製作し続けています。

いよいよ絵付け体験。実はこのアトリエ、自由に絵付けをするのではなく、あらかじめ輪郭が白磁にプリントされている、「塗り絵」でした。
すべての白磁に同じ輪郭が描かれているのですが、使用する色や筆によって、全く違った作品に出来上がります。

みなさん初めてながらも素晴らしい出来栄え、「モネ風」あり「ゴッホ風」あり「水墨画風」あり。

今回のアトリエは元々焼成しない前提で行っているため、顔料にはグアッシュを使用しています。
実際には顔料はブルーならコバルト、黄色ならアンチモア、などと自然の原料を使用し、かつ焼成温度によって色が変わってきますが、今回はこのまま顔料を安定させてお持ち帰り。