新生サマリテーヌで見る、アール・ヌーヴォーとアール・デコの面影

今年よりスタートしましたオンライン海外講習、3回目のテーマは、昨年2021年に16年の改装期間を経てリニューアル・オープンした、パリの中心に位置する百貨店サマリテーヌの外装・内装に見られるアール・ヌーヴォー装飾、アール・デコ装飾について、行いました。

まずサマリテーヌという屋号の源になった、サマリアの女とキリストの装飾が描かれた給水塔のあったポン・ヌフの歴史、サマリテーヌの創業者エルネスト・コニャックと小説家エミール・ゾラとの関係やその影響性、フランツ・ジュールダンのアール・ヌーヴォー建築にアンリ・ソヴァージュのアール・デコ建築、そして我らが誇る現代日本の建築家ユニットSANAAによる新生サマリテーヌのガラスのファサード建築を多くの写真、ビデオなどと共に見ていきました。

多くのファッションメディアで新サマリテーヌの様子は取り上げられていますが、ファッションブランド紹介やグルメ紹介程度の記事ばかりの中、今回の講習では100年に渡る建築と内装の詳細を、エルネスト・コニャックと妻マリー=ルイーズ・ジェイによる福利厚生の実態、サマリテーヌの広告によるストラテジー、LVMHグループがパリ市との契約により負った社会貢献・・・そんな数々のエピソードを入れながらのお話でした。

雑談も多く入れこんでしまったため予定時間を大幅に越してしまい、日本時間の夜19時からの開催だけに、受講者のみなさまもお疲れだったかと思います。このオンライン海外講習はオンデマンド視聴が可能となっていますので、よろしければまた再度ゆっくりと聞いていただけましたら幸いです。

次回は5月9日(月)に、ジャン・ヴァンドームの世界を繰り広げます。