3日目の午前中は、ワイン博物館を訪れます。
パリ16区はパッシー地区にある博物館なのですが、住所と番地さえあれば基本どこにでも辿り着くことのできるパリでも、ここだけはフランス人でさえも迷うというほどわかりにくい場所、したがって待ち合わせはメトロの駅です。
元々Colline(丘)だったパッシー地区。ここは高低差が激しい地でも有名で、こっちの建物の5階があっちの建物の1階というほどで、このワイン博物館も低地に建てられているため、入ったその階がすでに地下室のようになっています。
この博物館は、元は修道院で作られたワインを保管する倉庫だったのですが、やがて革命で取り壊された後、エッフェル塔のレストランのオーナーが使用、1984年からは、フランス王位執事協会による運営となり、ワイン博物館として生まれ変わりました。
ワインに関するあらゆる道具、そしてワインをめぐる有名人の展示室なども設けられています。地下室独得の黴くさい空間も、5分も経てば鼻が慣れてしまうのか、1時間にわたる見学はあっという間に終わってしまいました。
ここではランチ時のみレストランがオープンしていますが、ランチを前に、高低差あふれるパッシー地区を一回りして運動(?)した後は一旦解散。一部の研修生たちは、この日は一星レストランのランチの予約をしていました。
午後は、アンヌの提案で、マキシム美術館を訪れる前に、付近のart de vivreに関する一流店を訪問します。訪れたのは、クリストフル本店と、ラリック本店。通常一流ブティックというのは、なかなか「買わずに見るだけ」で入るのは、勇気が要る店構えですが、アンヌの案内のもとに、お店の方ともいろいろなお話を楽しみました。
そしていよいよ、マキシム美術館。
そう、あのレストラン・マキシムの中には、アール・ヌーヴォーの美術館があるのです。
今回は、わたしたち日本人研修生のために、特別に時間を設けてプライベート見学をさせていただきました。元々、高級娼婦たちの社交の場であったマキシム、現オーナーのピエール・カルダン氏が20代のころからコレクションし始めたという、アール・ヌーヴォーの逸品が所狭しと並びます。
案内役を勤めてくれたマダムは、実は歌手&女優、彼女のCDを目ざとく発見した研修生もさすがで、さっそくCDサイン会に!マダムもご満悦で、ポスターやカタログをプレゼントしてくれました。
木曜日はフランスのショッピング・デーと呼ばれるノクチューヌの日。日本のように普段遅くまで買い物ができないこのパリでも、木曜日だけはデパートや美容院など、夜間営業をしています。マキシムの隣のカフェ、ミニマムで乾いた喉をうるおした後は、みなさんショッピング・タイムでしょうか?
(翌日に続きます)