月別アーカイブ: 2017年3月

パリ&ナンシー海外研修がスタート!

 本日より、パリ&ナンシー海外研修がスタートしました。初日の今日は、アール・ヌーヴォー&アール・デコの専門鑑定家コム・レミー氏による概論の講義、そしてプティ・パレでの実地研修です。

 

  
 1900年前後はアール・ヌーヴォー、なんでもかんでもクネクネのヌードル様式、左右非対称、女性と自然のモチーフかと思いきや、それは一つの現象に過ぎず、やはり公式な装飾様式はクラシック・スタイル、ネオクラシシスムやロココを取り入れた折衷主義と呼ばれるものも存在していて、一部でブームとなっていたアール・ヌーヴォーと対立していたのです。
 

 たとえば1900年の万博のために建てられたグラン・パレにプティ・パレ、この建築とギマールの建築に相容れる要素はありません。
 

 アール・ヌーヴォーのルーツは何だったのか、なぜ突然に沸き起こってあっという間に廃れたのか、1910年代にはアール・デコの兆しが現れているが、アール・ヌーヴォーをどのように否定して対立していたのか、そんなお話で濃厚な講義でした。
 

 

 

 アール・ヌーヴォー内装のビストロ、CHARTIERでランチの後は、プティ・パレへ。
 お天気にも思いっきり恵まれ、中庭の桜は満開です。
 

 ガレのガラス作品、家具、バカラの万博入賞作品、ギマールの家具、ルソーのブラックモン・シリーズ・・・実際に作品を目の当たりにすることで、午前中の講義を消化することができました。
 
 


 


ミュシャ展、いよいよ開幕

 数多く開催される展覧会の中でも、2017年の代表的なものの一つとも言える「ミュシャ展」が国立新美術館にていよいよ開幕しました。
 

 

 会場に入ってすぐに迫ってくるのは、610 cm x 810 cm の超大作、「原故郷のスラヴ民族」。本展覧会では、「スラヴ叙事詩」が全20作公開されています。どれも巨大な作品なので、かなり離れて鑑賞したいのですが、いつ行くと空いているのでしょうね、内覧会では人、人、人、黒山の人だかりでした。
 
 

 全20作を揃って鑑賞できるのは、チェコ国外では世界初ということですが、必ずしも制作年の時系列的に展示されているわけではありません。1点1点ゆっくり解説と共に見ていくと、あっという間に時間も経ってしまいますが、そもそもミュシャが晩年の約16年間を捧げた大作たち、思う存分時間をかけて鑑賞したいものです。
 

 そしてスラヴ叙事詩で魂を吸い取られたかのような気分になった後は、アール・ヌーヴォーと世紀末、よく知られたミュシャのお馴染みのポスターが待っています。デビュー作とも言えるジスモンダ、メディア、ロレンザッチオ、ハムレット・・・ミュシャのもう一つの顔です。
 

 本展覧会の会期中、5月のAEAOサロン倶楽部では、『ミュシャとムハ、椿姫とスラヴの調べ 〜美術と音楽で紐解く、ベル・エポックの寵児〜』と出したイベントを、素晴らしい空間で行います。自由が丘にある一誠堂美術館、そして併設のカフェ・エミールを貸し切り、そこでミュシャとムハをそれぞれ紐解いていきます。カフェ・エミールには、壁が、ミュシャのポスターで埋め尽くされています。
 

 ガレやドームの逸品を集めた一誠堂美術庵を見学した後のレクチャーは、アール・ヌーヴォーの専門家でもあり、著書「アール・ヌーヴォーの美術」もある岡部昌幸先生。そしてティータイムをはさんで後半は、ミュシャとムハを、ヴィオラ奏者の独奏を聴きながら、音楽で感じていくという企画、是非多くの方にいらしていただければと思います。
 

 


18世紀ファイアンスの魅力

 AEAOサロン倶楽部3月の会は、『18世紀ファイアンスの魅力〜サントリー美術館「コレクターの眼 ヨーロッパ陶磁と世界のガラス」展鑑賞および見どころトーク参加』を、六本木・東京ミッドタウン内にて行いました。場所の魅力か、3月で気候もよいせいか、おかげさまでこの会は満員御礼となりました。
 

 展覧会は、コレクターのお二人が、それぞれサントリー美術館に寄贈したコレクション、「ヨーロッパ陶磁」(野依利之氏)と「世界のガラス」(辻清明氏)から成り立っています。
 

 物があふれ、物の処分に困っている現代、蔵書を近所の図書館に寄贈しようとしても断られる時代です。しかし、「コレクターの眼」をもって蒐集した、歴史的芸術的価値のあるものは、こうして一流の美術館・博物館に収められ、多くの人の眼を愉しませてくれることになるのだという、まさにその見本のような展覧会でした。
 

 プレ・レクチャーは、サントリー美術館のある、東京ミッドタウン・ガレリアの2階にあるukafeにて。オーガニック・カフェなので、オーガニック・コーヒーや和紅茶など、カラダが喜ぶ飲み物です。
 

 参加者のみなさまと、ukafeでお茶とともに、陶磁器のおさらい。陶器と磁器の違いは?鉛釉陶器、錫釉陶器、ボーン・チャイナ、硬質磁器、炻器・・・まずは焼き物の種類を学び、そしてそれぞれ何と呼ばれていたのか、「マヨリカ」「デルフト」「ファイアンス」・・・時間のない中、さらっと復習して、東京ミッドタウン・ガレリア3階に上がります。
 

 まずは学芸員による見どころトークに参加、そして待望のコレクションを鑑賞しました。コレクションのノウハウを知った後では、やはりみなさんの見どころ、チェックポイントが断然違ってくるようで、デルフトの染付や、マヨルカのアルバレロなど、熱心に鑑賞しています。
 

 ヨーロッパでは割合と残っているデルフトやマヨルカ、日本ではなかなか見る機会が少ないので、貴重な展覧会であると言えるでしょう。
 

 今回の展覧会は、写真撮影可とあり、貴重な素晴らしい工芸品をカメラに収めることもできました。