日別アーカイブ: 2017年10月19日

2017年秋 パリ&ヴェルサイユ研修 第4日目

 研修4日目。「明日から寒くなるよ、暖かいのは今日までだよ」と言われ続けているものの、ちっとも寒くならないパリ。傘も全く不要なパリ(日本のお天気は、ずっと雨!)。今日の午前プログラムは、主催者が大好きなプライベート・ミュージアム、ジャックマール・アンドレ美術館見学。この元ブルジョアの邸宅の成り立ちからフランス学士院に遺贈されるまでの歴史をAnneの解説で学び、18世紀装飾美術の世界に入り込みます。
 

 昨日のヴェルサイユでランビネ美術館がヴェルサイユ骨董村に負けた理由の一つに、今日このジャックマール・アンドレ美術館の見学が予定されていたから、というのもあります。ランビネ美術館は正真正銘18世紀に建造された館ですが、ここジャックマール・アンドレ美術館は19世紀に建てられた、18世紀コレクターの美術館なのです。そう、あのニシム・ド・カモンド美術館と似ていますね。18世紀の装飾工芸品というのは、19世紀のブルジョアにとって、憧れであり、美の真髄でもあったのです。
 

 ランチは、この邸宅がダイニングとして使われていた場所が現在は美術館内のカフェ・サロンとして運営されており、そこでキッシュとサラダのお食事をいただきます。通常フランスではお昼休みは13時くらいから、レストランは12時であればオープンしたばかりのガラガラなものですが、ここは11時45分のオープンと同時にお客さんが入り、12時過ぎにはほぼ満席!日本時間で12時に入ってよかった〜、と一同そのお味にも満足。天井画はティエポロのフラスコ画です。17世紀のタピスリーの装飾も見事です。

 

 

 ランチ後は、ゆっくり歩いてジアンのアトリエへ向かいましょう・・・のはずが、ミュージアムショップでハマってしまい、しばしお買い物。外はまたしても真夏のような暑さゆえ、バス2〜3区間で移動し、ジアンのアトリエへ。
 

 今回の研修は、「見学する」だけではなく、「実践する」が含まれているのですが、今日の午後はジアンにて、陶器の絵付け体験に参加します。
 

 ちょうど初日の講座でporcelaine dure(硬質磁器)までを学び、その後19世紀に登場したfaïence fine(上質陶器)を学ぶ時間はなかったのですが、Gienはまさにこのfaïence fineですから、続きはここで、実践を交えて学びます。
 

 

 私たちを迎えてくれたのは、ソレンヌさん、日本語が話せます。ジアンの歴史や特徴といったことを一通りざっくり学び、そしてタブリエを身につけて、いきなりの絵付けスタート。今回は焼成する時間はないので、絵付けだけを、グアッシュを用いて行います。どんな色から色をつけていくのか、線はどうやって描いていくのか、絵付けの失敗はやり直しがきかないので、緊張のあまり筆が震えてしまったり・・・でもどうにかこうにか、みなさん仕上がり、バックスタンプを押してもらって完成です!
 
 

 今日は研修4日目で、あと1日ありますが、最終日の午前中までの参加で、用事のため帰国しなくてはならない研修生もいたため、前倒しで今日の夜にカクテル・パーティ&ディプロマ授与式を行いました。
 

 

 パーティには、特別ゲストでébéniste(家具職人マイスター)、そしてそのアシスタントの日本人女性アサコさんをお迎えし、通訳のマサコさんをも交えて、おしゃべりを楽しみました。いつもならAnneのお子さんが給仕係として参加してくれるのですが、今日の夜はお習い事、そして明日も学校のため、今回は残念ながら不参加です。
 

 

 5日目に続きます。